【2台に1台がスズキ!?】インドの車メーカー事情!日本への進出は?

こんにちは。先日アップした韓国車・中国車の記事が好評です。そのため今回は第三段として、中国に次ぐ国内の人口を誇る、アジアの大国「インド」の車事情について取り上げます。

(中国車と韓国車の記事についてはこちらをご覧ください)

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中国と比較して日本人にとって影が薄くなりがちなインドですが、人口が13億人を超えており将来的に車市場としても世界で最もホットになりうる可能性があるのがインド市場です。

車好きの方であれば、数年前インドの自動車メーカーであるタタが世界最安の車を発売したことを知っている方も少なくないのではないでしょうか?

そんなインド車について今回は見ていきましょう。

インド車の歴史

実はインドの自動車産業の歴史は長いものとなっています。1930年頃に、インド最大の都市であるムンバイにGMが参入したのを皮切りにフォードなどのメーカーをインド市場に参入しました。

その10年後には、インド国内でも自動車メーカーが設立されるようになり、1945年には後に現在のタタ・モーターズとなる「テルコ」と呼ばれる自動車メーカーが設立されました。

しかし、インドが1947年にイギリスから独立したあとは、インド国内で製造された車のみを販売できるという自国保護政策が取られたため、独立以前に参入していたGMなどのメーカーは撤退を余儀なくされました。

このようなインド国内の保護政策を切り抜け、現在では圧倒的なインドでのシェアを獲得している日本の車メーカーがあります。トヨタではなく「スズキ」です。

スズキは1982年にインド政府と共同で「マルチ・スズキ・インディア」という会社を設立します。この会社が現在ではインドの車の2台に1台を製造する巨大メーカーとなっています。2016年に解消されたフォルクスワーゲンとスズキの提携関係は、フォルクスワーゲンがスズキのインドでの販売網を獲得するためだったと言われているほど、インドでのスズキの影響力は大きなものとなっています。

軽自動車づくりを中心に行っていたスズキならではの徹底したコスト管理のおかげで、インドの国民にとっては高いクルマを買いやすいものにしたスズキの功績は大きなものでした。

日本では、トヨタやホンダなどの巨大自動車メーカーの影で軽自動車を作っているメーカーというイメージがあるスズキですが、実はインドでは他のメーカーと比較しても圧倒的なシェアを獲得しています。

現在では、スズキの他に韓国の現代自動車(ヒュンダイ・キア・ジェネシス)や地場メーカーである、タタ・モーターズやM&M(マヒンドラアンドマヒンドラ)などの車メーカーが市場争いをしていますが、スズキのシェアが圧倒的な上、未だに市場での存在感を大きくさせていることもあり、スズキの立場は簡単に揺らぐものではないと考えられます。

インド車の主なブランド

マルチ・スズキ・インディア

序盤でも説明しましたが、日本のスズキがインド政府と合弁会社として設立した会社です。2006年にインド政府が株式をスズキに売却したことで、完全に民営化されました。

スズキが軽自動車製造で培ってきた、低コストな車がインドという新興市場に受け入れられ、2000年以降インド国民の所得が増えるとともに販売台数を伸ばしていきました。

現在では圧倒的なインド国内でのシェアを獲得しており、インドの車の2台に1台がこのメーカーの車と言われています。

タタ・モーターズ

「世界一安い車」である、「タタ・ナノ」を世に放ち、日本でも有名になったインドの車メーカーがタタ・モーターズです。

どうしても日本人のイメージからすると、安い車を製造している車メーカーというイメージで終わりがちですが、実はイギリスの高級車メーカーである、ジャガーとランドローバーを傘下に収めている巨大自動車メーカーなのです。

インド国内では、乗用車においてはマルチ・スズキ・インディアに続くシェア第2位を獲得しており、商用車やバス・トラックなどの分野では第1位を獲得しています。

また親会社であるタタ・グループはインド国内最大の財閥グループとなっています。

M&M(マヒンドラアンドマヒンドラ)

インド国内の乗用車市場で第3位のシェアを誇るのがM&Mです。乗用車だけでなく、トラクターなども製造しており、世界三大トラクター製造メーカーとしてもシェアを獲得しています。

こちらもタタ・モーターズ同様、「マヒンドラグループ」というコングロマリット企業の中の1つの会社として、自動車部門があるという形態の会社です。

2005年にフランスのルノーと合弁会社を作り乗用車メーカーとして市場に参入して以降2015年には、農業用機械関連の事業で三菱重工業と提携関係になるなど、日本の企業との結びつきが強いのも特徴です。

インド車の人気車種

マルチ・スズキ・インディア バレーノ

現在、インドの中で最も人気のある乗用車といえばスズキ・インディアの「バレーノ」です。

インドで販売されているスズキ車の中では、上位モデルに位置します。それでもインドでの人気は爆発的で、現在インドの中で最も人気のある車種の1つとなっています。

実は、インドで生産されているこのバレーノが、日本にも正規輸入されており、スズキのディーラーで購入することができます。サイズ的にはそこまで、広さを感じる車ではないですが、実際に乗ってみるとスペース効率が高く、後部座席でもサイズを感じさせないゆったりとした姿勢で過ごせるのがこの車種の人気の秘密です。

それでいて軽量ボディーで作られているため、加速感なども申し分なく良い走り味を実現しています。このあたりは、日本で軽自動車を中心に作ってきたスズキだからこその為せる技ではないでしょうか。

タタ・モーターズ ティアゴ

地場メーカーである、タタ・モーターズの人気車種である「ティアゴ」もインドでポピュラーな車種の1つです。

ティアゴは、若者向けと感じるスタイリッシュな外観とタタ・モーターズならではの低価格が若年層を中心に受け、人気になっています。

どれくらい安価かといえば、ディーラーで新車価格40万ルピー(65万円ほど)から売られている程、挑戦的な価格で販売されています。

日本であればこのサイズのハッチバックを買おうとすると150万円以上するのが普通ですから、いかに安い価格で販売されているかがわかります。

値段が値段だけに、走行性能が良いわけではないですが、そこそこスタイリッシュで普段の足としてはちょうどいいサイズの車がこの値段で購入できるというだけでも驚異的です。

スポーツグレードなども用意されており(100万円程)そちらは、走行性能も高くこの値段でここまで走るかと驚く完成度となっています。

タタ・モーターズ ハリアー

「SUVのハリアー・・・・?」車にさほど詳しくない方でも、この車の車種名に対して違和感を覚えるとは思います。

トヨタの人気SUVであるハリアーと同じ名前でタタ・モーターズもSUV車を販売しています。日本ではハリアーというネーミングで少し話題になったこの車種ですが、インドでは車自体への関心が大きい人気車です。

SUV市場が全世界でトレンドですが、インドも同じようにSUV車の人気が富裕層を中心に高まっています。その波にのって販売されているのがこの車種です。

レンジローバーを傘下に持っているタタだからこそできる、レンジローバー車と同じプラットフォームを利用することで、本格的なオフロード走行もできるという優れたSUVです。また富裕層向けに作られているためか、内装もこだわっており木目パネルなどの高級車に使われているマテリアルが使われています。

また乗り心地などもこれまでのインド車とは比較にならないくらい良いものとなっており、インド車のイメージを変える車種となっています。

それなりに値段は上がり12万ルピー(200万円)からの価格設定となっていますが、それでも車体の出来に対しての値段は安く、いかにインド車が安く作られているかがわかる商品となっています。

まとめ

今回はインド車について解説しました。日本のスズキがインドで人気のあるメーカーということは知っていましたが、半数のシェアを握っているのは驚きでした。また、これまで安さ一辺倒で市場参入していた地場メーカーも技術力をつけて、競争優位性のある車種を作り始めていることが実感できました。

日本へのインド車の進出はスズキがインドで生産した車を日本に逆輸入をしているという以外はあまりありませんが、この価格の車が日本で発売されたらある程度のシェアは獲得できるのではないかと感じました。

スズキが圧倒的なシェアを握っているインド市場ですが、それ以外の日本メーカーは苦戦を強いられており、韓国車であるヒュンダイの方がシェアが大きいというデータもあります。(スズキを除いた場合)

トヨタやホンダなどのメーカーもインドでの存在感を増していければ、もっと日本の車がインドで浸透するのではないかと感じました。