国産エンジン史エコカーその8・プリウスを境に変わった世界・後編

実用性を重視してミニバンやSUVにも拡大したトヨタハイブリッド

優れたパッケージングを持つ小型セダン、初代プリウスのヒットによって「ハイブリッドカーのトヨタ」のイメージ戦略に成功したトヨタは、引き続き実用性に優れたハイブリッドカーを投入します。 しかし、プリウスのような専用モデルではなく、既存モデルのハイブリッド化による普及を目指しました。 その第1弾が2001年6月にデビューした「エスティマハイブリッド」です。 FFのミニバンに前輪の駆動/発電用モーターと、後輪駆動用のモーターを組み合わせた世界初の電動4WDでもあったエスティマハイブリッドは実用性が高いものの重い車重で燃費の良くなかったミニバンに好燃費、さらに後輪のモーターによる制御で低メニュー路面でも高いスタビリティを保つという一石二鳥を狙ったモデルでした。 2003年7月には同じくミニバンのアルファードに、2005年3月にはクロスオーバーSUVのハリアーとクルーガーにもハイブリッドが設定され、「実用性の高い売れ線モデルにハイブリッドを設定する事で、使い勝手だけでなく経済性をアピール」する事に成功します。 その一方でS170系クラウンに2001年に設定された「マイルドハイブリッド」もありました。 プリウスのように走行システムとしてのハイブリッドではなく、停車中のアイドルストップ時にエアコンなど車内電装品を使用したり、エンジン始動に使うバッテリーを別に持ち、それに充電するための発電機や回生ブレーキを持つ簡易型のハイブリッドですが、現在のスズキが「S-エネチャージ」などの名称で使っているシステムを、トヨタは10年以上早く実用化していました。 ただし、既にプリウスで先進的なハイブリッドシステムを実用化していたトヨタ車ではマイルドハイブリッドに商品力は無く、結局クラウンやカムリのような大型セダンもストロングハイブリッドへの道を進む事になります。

ホンダはIMAをシビックに搭載して追撃するが…

初代インサイトで燃費面ではプリウスを上回ったホンダですが、いかんせんリッターカークラスの2シーター小型ハッチバッククーペでは実用性がありません。 ようやく2001年には7代目シビックの4ドアセダンに1.3リッターエンジン+IMAのハイブリッドが設定され、トヨタに続く実用ハイブリッドカーの販売を開始します。 しかし当時のホンダのハイブリッドシステム「IMA」は発電と駆動を兼ねた1モーター式だったため、初代シビックハイブリッドではモーターアシストとアイドリングストップのみの「マイルドハイブリッド+」程度の本格的ハイブリッドとは呼べないシステムでした。 2代目シビックハイブリッドでエンジンの全気筒休止を可能にしてモーター単体でのEV走行も一応可能とはされたものの、エンジンの抵抗がゼロになるわけでは無い上にモーター出力もプリウスに及ばなかったため、実質的にEV走行はほぼ不可能だったのです。 しかも、モーターを駆動に使えば発電はできず、エンジンでモーターアシスト可能な全力走行時間は非常に限られていたため走行性能全体にも寄与できないホンダIMAは、その後ハイブリッド専用車のインサイトやフィットハイブリッド、CR-Zにも使われたものの、簡易ハイブリッドとしての印象を拭いきれないまま、結局は2モーター式の本格ハイブリッドまでのつなぎに過ぎない事がハッキリしただけでした。 しかも日本市場ではハッチバックやクーペを廃止して4ドアセダンのみとなったシビックそのものの商品力が大きく低下しており、タイプRとハイブリッドしか売れない状態とあってはトヨタ追撃もままならなかったのです。

スズキの安直なハイブリッド、ツイン ハイブリッド

なお、2003年1月に発売されたスズキの2シータースモール軽乗用車、ツインには軽自動車初のハイブリッドがラインアップされています。 リアに二輪車用の小型鉛バッテリーを16個も搭載し、エンジンとミッションの間に小型のモーターを搭載してモーターアシストを行うのみ、しかもバッテリーが重いのでアシスト効果も相殺されてしまうという、何とも安直なハイブリッドカーでした。 元々シティコミューターとしての試行錯誤的なモデルとして作られたツインだからこそ許された超簡易型ハイブリッドでしたが、ツインそのものが不人気で販売期間3年足らずと短命だった上に、ほとんど意味の無いハイブリッドは販売台数も少なく、見かける事も希です。

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コメント:
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