ポルシェのモンスターSUV、カイエン
2002年にデビュー後、2017年3月現在既に3代を数えているポルシェ カイエン。
フォルクスワーゲン トゥアレグの兄弟車と言っても、フォルクスワーゲンの顔した大型SUVが走ってくるのと、見るからにポルシェという顔をした大型SUVが走ってくるのとでは、醸し出すオーラが全く異なります。
しかもエンジンはトップモデルだと実に500馬力を発揮する4.8リッターV8ターボですから、環境問題がどうだといった話をものともしない、高級車にだけ許された圧倒的な力を持っているのがカイエンです。
そしてその2トン以上のヘビー級ボディを猛烈なパワーで走らせるからには、ストッピングパワーも強力でなければいけません。
最新のカイエンターボSなど、「10ポットキャリパー搭載」です。
ブレーキパッドでブレーキローターを挟み付け、強烈なブレーキ力を発生させるブレーキキャリパーがおそろしく巨大な上に、ブレーキパッドを押し込むピストンが10個もついています。
コレ、たとえば軽自動車ならチューニングしてもせいぜい合計4個だけ。
上等な車でも6個もピストンあれば高性能ブレーキと言われますから、おそろしく高価なブレーキがついていて、しかもそれは「必要だから」という装備です。
国産車でカイエンに勝てる、いえ勝てないまでもそれに匹敵する車はあるのでしょうか?

国産高級車メーカー「レクサス」ならば?
カイエンは高級クロスオーバーSUVですから、対抗する国産車もとりあえず現状唯一日本市場でも展開している「レクサス」から探してみましょう。
レクサスのクロスオーバーSUV最上級はRX。
昔で言うところのハリアーです(ハリアーはRXから独立してトヨタ車として今も販売していますが、2代目まではRXが日本ではハリアーでした)。
3.5リッターV6エンジン搭載の「RX350」なら、カイエンの3.6リッターV6エンジン搭載モデルと同じ300馬力ですし、「安いカイエンならエンジンは互角」かも。
全幅が短い程度で、全長や重量は似ていますし。
ただ、そうなるとレクサス車としてカイエン並のグレードが欲しいところですね。
LC500やGS-Fに搭載している5リッターV8モデルを設定したら、RXももっと評価されるんでしょうか。
北米で巨大なSUVを販売しているトヨタならば?
プレミアムなレクサスで対抗できないなら、北米で巨大なピックアップトラックやSUVを販売しているトヨタならどうでしょう?
全く高級感はありませんが、北米専売の「セコイア」なら、4.6リッターと5.7リッターのV8エンジン2本立て!
これならばカイエンの4.8リッターV8にもきっと!…と思いきや、このエンジン案外力が無く、386馬力しかありません。
トルクでもカイエンターボに負けているので、動力性能は望み薄です。
単に燃費が悪いだけでしょう。
全長5.2mとカイエンの4.8mよりやたらとでかく、3列シート7人乗り、8人乗りも可能なのはさすがアメリカンサイズと言えますが、ミニバン的な勝負ではないのが残念。
日本にも逆輸入されていますから、大きさでカイエンを圧倒したい方はご検討を。
同じく北米で頑張る日産 / インフィニティならば?
トヨタ同様、北米で巨大なSUVを販売していそうなのは日産です。
こちらも日産ブランドでは「アルマーダ」、高級車部門のインフィニティブランドでは「QX80」を販売しており、どちらも全長5.2mクラスの5.6リッターV8エンジン搭載車ですから、トヨタ セコイアとライバル関係の車ですね。
そこでVK56DEエンジンに期待が集まりますが、これも最大320馬力と、セコイア以上に力が無く、残念な結果に終わりました。
やはりカイエンが圧倒的か…
北米では圧倒的なパワーが求められないのか…と言ってもカイエンも北米が主要市場です。
トヨタと日産には、カイエンに対抗できるパワフルな高級SUVを作れるよう、頑張ってほしいですね。
レクサスRXに5リッターV8を搭載したRX500など作っていただけたら最高なのですが。