「ダウンサイジングターボ」はもう古い?マツダやアウディが始めた「ライトサイジング」とは?

ヨーロッパでフォルクスワーゲンその他が先鞭をつけ、最近になって日本の自動車メーカーも追従するようになってきたのが、エンジンの排気量を下げてパワー重視ではなく効率重視のターボ過給を行う、「ダウンサイジングターボ」です。環境性能や税率の面で優れるという理屈でしたが、もうそれは古いと逆に大排気量NAに舵を取ったメーカーがマツダとアウディです。

日本メーカーも追従を始めていたダウンサイジングターボとは?

ヨーロッパではエンジンの環境性能に対して関心が高く、その割には施策が一定せずに次から次へと新技術を投入するサイクルが早めなのが最近の傾向です。
1980年代終わり頃からクリーンディーゼルに手をつけたものの、排ガスのNox(窒素酸化物)濃度の削減が難しく、北米市場での規制のクリアに足踏みしている間にヨーロッパでも新たな排ガス規制が次々に導入されてしまいました。高価な排ガス除去装置を使えない大衆車での対応が難しくなっています。
フォルクスワーゲンの北米での排ガス計測偽装事件が起きなくとも、近い将来大衆車でのディーゼルには限界が近づいていた事は予想できたのです。

そのため、1990年代末頃からは、ガソリンエンジンを小排気量化した上でターボやスーパーチャージャーを組み込んで排気量低下分のパワーを補う「ダウンサイジングターボ」がヨーロッパで急速に普及します。
排気量が小さいので排ガス自体が元々少ない上に、パワー重視ではなく低回転からのトルクを重視したターボなどの装着で、エンジンを高回転まで回さなくとも実用性に問題が無いようにしました。
これにより有害な排ガスを減らし、得られるパワーに対しての燃費も良好という事だったのです。

ダウンサイジングターボの例

先鞭をつけたフォルクスワーゲンの1.2リッター4気筒TSIエンジンが典型的な例で、ゴルフ、ビートル、ポロとさまざまな車に積まれていますが、他メーカーも追従し、BMWなどは1シリーズの118iに1.5リッター3気筒ターボを搭載しました。
3気筒エンジンと言えば軽自動車用でアイドリング時の振動も気になるような印象ですが、高級車のそれは軽自動車とは違ってバランサーシャフトやエンジンマウントでの振動対策が取られており、同じ3気筒でも全く異なる思想になります。
ただし4気筒ではなく3気筒にした理由はシリンダーを減らして1シリンダーごとの排気量を上げた方がトルクが出るからで、軽自動車が一時期高級モデルやスバル車にのみ存在した4気筒エンジンをやめ、全て3気筒エンジンになったのと同じです。

BMWはこの3気筒エンジンに非常に自信を持っており、1シリーズだけでなく3シリーズの318iにも採用を決めました。
BMWだけではなくメルセデス・ベンツもAMGモデルなど大排気量モデルは残しつつダウンサイジングターボ化しており、日本でもホンダが1リッター3気筒VTECターボを発表するなど熱心です。

実燃費のためには排気量を上げる「ライトサイジング」思想

しかしダウンサイジングターボには以前から「カタログ燃費と実燃費の乖離が大きい」との批判がありました。

低燃費を売り物にする車にはよくある批判ですが、それが高まったタイミングでいちはやくマツダは、「ウチはダウンサイジングターボは一切やりません。本当に必要なのは、実燃費がしっかり出る、大排気量NAなのです」と、全く真逆の事をする事を言い切ったのです。
マツダはこれを「ライトサイジング」と名づけました。

この「ライト」は「Light(軽い)」ではなく「Right(正しい)」すなわち、排気量の適正化という意味です。
マツダがこの発表をしたあるシンポジウムの会場は一瞬で静まり返ったと言われるほどの衝撃だったそうですが、実際にマツダはターボ車を作っても、そこに小排気量を組み合わせる事無く、ガソリンエンジンもディーゼルエンジンも、さらにロータリーエンジンまでも独自の低燃費・クリーン排ガス技術とパワーを満たす技術「SKYACTIVE」で全て乗り切る事にしています。

最近になってCX-5に大排気量V6エンジンではなく2.5リッター4気筒ターボエンジンを搭載してきたので、「ついにマツダもダウンサイジングターボか」と言われていますが、CX-5程度の大きさの車に2.5リッターもの排気量ではダウンサイジングとも言えないので、単に動力性能向上のためターボを組み合わせただけと思われます。

追従したアウディとの不思議な縁


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コメント:
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