イタリアの高級車ブランドである「マセラティ」から初のSUV「レヴァンテ」が2016年から発売されました。
スポーツカーメーカーが初めて生み出した、新しいSUVの姿をご覧ください。
SUVでありながら、スポーツカーのエッセンスも盛り込まれ、個性的なデザインで美しくエレガントな「マセラティ」の「レヴァンテ」の魅力を徹底分析していきます。
「マセラティ」の創設
1914年、イタリアのボローニャでマセラティの前身である「アルフィエリ・マセラティ工房」としてマセラティの4兄弟によって、設立されました。
4人の兄弟は自動車とエンジンに対する強い情熱で、一貫してスポーツカーカルチャーの歴史と発展に貢献していきました。
初期の頃はレーシングチューンをメインに、第一次世界大戦時は、スパークプラグを開発し、軍需産業で業績を伸ばしました。
終戦後、マセラティの名を冠したオリジナルレーシングカー「ティ―ポ26」を完成させ、1926年のタルガ・フローリオでクラス優勝を果たし、そのグリルには、マセラティのエンブレムであるトライデント(三叉の矛)が取付けられていました。
このマセラティのエンブレムであるトライデントは、ボローニャのマッジーレ広場に建っているネプチューン像が持つトライデントをモチーフに、芸術家となったマセラティ兄弟の5男マリオによってデザインされました。

「マセラティ」の歴史
マセラティは、レーシングカーのコンストラクターとして名を広めていく中で、優秀な成績を残しながらも資金難から、アドルフ・オルシに経営権を譲渡することになります。
1947年、ジュネーブ・モーターショーでマセラティ初のロードカー「A6 1500」を発表し、その後「3500GT」「5000GT」を発表し、高級スポーツカーメーカーへと転身していきます。
1963年に発表した初の4ドアセダン「クアトロポルテ」は、以後マセラティの主力モデルとなっていきます。
その後1966年にシトロエンと業務提携し、’68年には傘下に入ることになります。1976年シトロエンはプジョーの主導でPSAグループに編入されますが、プジョーはマセラティとの契約を破棄します。
その後デ・トマソ体制下で経営再建され、1993年イタリア最大のフィアットグループの傘下に加わります。
1997年同じフィアットグループのフェラーリの子会社となり、2005年フェラーリ傘下から離れ、同じくフィアットグループでかつてのライバルだったアルファロメオと統合されます。
現在は、ステランティス N.V.傘下の高級スポーツカーブランドとして存続しています。
※ステランティス N.V.とは、イタリアの自動車メーカーフィアット・クライスラー・オートモービルズとフランスの自動車メーカーグループPSAが折半出資して誕生した多国籍自動車製造会社のことです。
「レヴァンテ」とは
レヴァンテの名前は「地中海に吹く風」から由来しています。地中海に吹く風は、普段は穏やかでありながら、瞬時に強風に変わることで知られています。
レヴァンテは、そんな風のように、穏やかでありながら、その強力なパワーを自在に制御し、行きたいどんな場所へでもあなたに最高のドライブを与えてくれる車です。
設立より100年以上の歴史を持つマセラティから、初のSUV「レヴァンテ」が2016年のジュネーブモーターショーで発表されました。同年に日本でも販売が開始されています。
「レヴァンテ」の特徴
マセラティ初のSUV「レヴァンテ」は、圧倒的なパフォーマンスと、洗練されたデザイン、最新のテクノロジーを搭載した、まさに高級スポーツカーメーカーであるマセラティのSUVです。
レヴァンテはSUVでありながら、スポーツカーのエッセンスを大幅に取り入れられており、パワフルなエンジンは加速性も優れ、その走行性能はスポーツカーを彷彿させます。
そのパワフルなエンジンと組み合わせるのが全グレードZF製の8速ATで、Q4と呼ばれるAWDシステムを搭載し4輪駆動の運動性は高く、SUVとしての特性を活かした山道などのラフな環境にも対応し快適なドライブをサポートします。
さらに快適なドライブを楽しむために、4種類(Trofeoのみ5種類)のドライブモードと6種類の設定から車高をセレクトでき、走行環境に応じて走りをサポートしてくれます。
またその洗練されたデザインは、イタリアらしく、美しくエレガントな曲線美は芸術的でもあり、それがレヴァンテの個性となっています。
「レヴァンテ」のスペック
レヴァンテの諸元詳細は以下のようになっています。
4つのグレードから選択することができます。
Trofeo |
GT Hybrid |
Modena |
Modena S |
|
全長 |
5020 mm |
5005 mm |
5005 mm |
5005 mm |
全幅(サイドミラー含まず) |
1981 mm |
1981 mm |
1981 mm |
1981 mm |
全幅(サイドミラー含む) |
2158 mm |
2158 mm |
2158 mm |
2158 mm |
全高 |
1698 mm |
1693 mm |
1693 mm |
1693 mm |
ホイールベース |
3004 mm |
3004 mm |
3004 mm |
3004mm |
エンジン型式 |
V8 |
L4 |
V6 |
V6 |
総排気量 |
3799 cc |
1995 cc |
2979 cc |
2979 cc |
最高出力 |
580 ps |
330 ps |
350 ps |
430 ps |
最高出力発生回転数 |
6750 rpm |
5750 rpm |
5750 rpm |
5750 rpm |
最大トルク |
730 Nm |
450 Nm |
500 Nm |
845 Nm |
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まとめ
「マセラティ」初のSUV「レヴァンテ」の魅力を紹介してきました。
「レヴァンテ」の魅力をわかっていただけましたでしょうか?
歴史あるイタリアの自動車メーカー「マセラティ」が送り出してきた、ブランド初のSUV「レヴァンテ」は、スポーツカーを造り続けてきた「マセラティ」だからこその「SUV」なのです。
マセラティの歴史に触れるとともに、レヴァンテの魅力がお伝えできたのなら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ライター:Ancar編集部 呉東和虎