ホンダのスポーツカーと一言で言っても、車種ごとに駆動方式や特徴は異なります。用途にあった1台で快適なカーライフを楽しむためにはどんなところに注目して選んだら良いのかや、車種別にホンダのスポーツカーの特徴を含めてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
ホンダのスポーツカーの魅力
ホンダのスポーツカーと言えば、しっかりとしたステアリングレスポンスや乗り心地、挙動に一貫性があることなどが魅力ではないでしょうか。一口にホンダのスポーツカーと言っても、S660(エスロクロクマル)やシビック TYPE Rなど、車種ごとに特徴やスペックは異なります。今回は、ホンダのスポーツカー3車種別の特徴解説や、スポーツカー選びの際にチェックすべき項目についてご紹介していきます。
ホンダのスポーツカーの選び方4つ
車は人生の中でも大きな買い物のひとつであり、スポーツカーとなるとなおさら金額は大きくなります。後悔のないよう、慎重に検討して納得のいく1台を選びたいものです。特に、ホンダのスポーツカーの購入を検討されている方は、ただその車に乗りたいというだけでなく、自分でカスタマイズをしていきたいという思いも強いのではないでしょうか。楽しいカーライフを送るためにも、ホンダのスポーツカーを選ぶ際のポイントを4つご紹介します。
スポーツカーの選び方1:駆動方式を知っておこう
駆動方式とは、エンジンが回転する力をタイヤにどう伝えるかの方法の違いのことです。代表的な駆動方式のひとつであるFF(フロントエンジン・フロントドライブ)は、エンジンが車の前方にあり、車の前輪を動かすことで車を引っ張る方式です。MR(ミッドシップエンジン・リアドライブ)という、エンジンが前輪と後輪の間にあり、後輪を駆動させる方式は、スポーツカーに多い方式です。他にも、4つすべての車輪を駆動する4WD方式などがあります。
スポーツカーの選び方2:スペックを確認しよう
スペックとは、車の性能や仕様など複数の項目が数値などでデータ化され、まとめられたものを指します。最大トルクや最高速度などの数値を確認し、より自分の希望するカーライフにあった車を選ぶことが大切です。特に、スーパーカーを選ぶ際には、エンジンの性能を表す最大トルクや総排気量などの数値はチェックしたいところです。スペックだけで実際の走行時の速さが決まるわけではありませんが、比較する際の目安としては役立つものになります。
スポーツカーの選び方3:カスタマイズを行う前提で選ぶ
スポーツカーのオーナーになるからには、独自のカスタマイズを楽しむことも前提に考えましょう。ホンダに限らず、スポーツカーを手に入れたいと思う方は、そもそもクルマ好きであることがほとんどではないでしょうか。自分の要求や好みに合うように、パーツやアイテムを揃えていく楽しみを味わいたいと思う方も多いと思います。選んだスポーツカーをカスタマイズする幅がどれくらいあるのか、パーツのラインナップなども事前にチェックしておきましょう。
スポーツカーの選び方4:中古車を選ぶ場合
中古車のメリットは、原則として新車に比べて購入費用を抑えられるということです。特にスーパーカーの場合は、新車価格が高額なため中古車で検討するというケースも多いでしょう。車両価格を抑えた分をカスタムの費用に回せるというメリットもあります。ただし、以前のオーナーが施したパーツやオプションがついていたり、状態が異なったりすることもありますので、目的や予算に合わせながら信頼できる店舗での購入をしましょう。
【3車種別】ホンダのスポーツカーの特徴
乗り心地や性能の高さから、ホンダのスポーツカーに対して憧れを抱く方は多いでしょう。一口にホンダのスポーツカーと言っても、車種ごとに特徴やスペックは異なります。ご自身のライフスタイルや希望に合うホンダのスポーツカーとはどの車種になるでしょうか。ここでは、ホンダのスポーツカーの中から「S660」「シビック TYPE R」「NSX」の3車種について、特徴などを詳しくご紹介します。
S660の特徴
S660は、軽規格でありながらホンダのスポーツカーらしく「走り」を追い求めて作られているのが特徴です。軽自動車の規格という限られた条件の中で、スポーツカーとしての高い走行性能を実現させるために、ラゲッジスペースを排除するなど、革新的なホンダのアイディアが反映されています。荷物が乗せられる快適さよりも、走りを優先させるというホンダのこだわりが表れた1台と言えるでしょう。
基本情報
S660は軽規格のホンダのマイクロスポーツカーで、駆動方式はMRです。α、β、Modulo Xと3つのタイプがあり、いずれもガソリン車で乗車定員は2名となっています。ボディはコンパクトながら精悍でシャープなシルエットで、運転席もスポーツドライビングに適した機能性の高いタイトな作りとなっています。取り外しのできるロールトップを備えており、シートヒーター付なのでオープンドライブも快適に楽しむことができるでしょう。
駆動方式 | MR |
---|---|
最大トルク | 104N・m[10.6kgf・m]/2,600rpm |
最高速 | 196km/h |
排気量 | 0.658L |
本体価格 | 2,031,700円~ |
安全性能
S660は、予防安全性能の面で、自動ブレーキなどの安全運転を支援する装置を搭載したセーフティ・サポートカーに該当します。渋滞中など約30km/h以下での運転時に、前方の車両との衝突を回避支援してくれるとともに、万が一の衝突の際には4つのエアバックが搭載されており、運転席・助手席の正面、サイドで展開し衝撃に対応します。
走行性能
S660は、MR(ミッドシップエンジン・リアドライブ)のレイアウトを採用しており、重心を低く保つことでホンダのスポーツカーらしい高い走行性能を実現しています。6MTとCVTの2つのタイプが用意されており、CVT車であれば専用のSPORTスイッチが備わっているため、素早いアクセル操作でも優れたレスポンスを発揮するでしょう。
燃費
S660の燃費消費率は6MT車で20.6km/L、CVT車で20.0km/Lです。
今回ご紹介するホンダのスポーツカー3車種の中では、一番燃費の良い車種ということになります。S660は、燃費に影響する要素である車体の重量の面で、軽自動車規格であるため軽く、更に空気抵抗の少ないボディデザインであることが燃費消費率の良さにあらわれていると言えるでしょう。
シビック TYPE Rの特徴
シビック TYPE Rは、ただ速いスポーツカーという枠に収まるのではなく、様々な条件が待ち構える公道での利用も想定して作られた車種であることが特徴です。スポーツカーと言えば速い走りに特化している印象が強いですが、ホンダのシビック TYPE Rは、ドライバーに与える安心感にもこだわって、長距離運転をも楽しめるようなコンセプトで作られています。スポーツカー好きの方だけでなく、あらゆるドライバーに向けて楽しみを与えてくれるでしょう。
基本情報
シビック TYPE Rは、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)の駆動方式を採ったホンダのスポーツカーです。トランスミッションは6速マニュアルで、乗車定員は4名、空気抵抗を抑えたフォルムが正にスポーツカーという印象の見た目です。インテリアも赤を取り入れてスポーティーに仕上がっており、ドライビングで高揚感を得たいというニーズに沿ったデザインとなっています。
駆動方式 | FF |
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最大トルク | 400N・m[ 40.8kgf・m ]/ 2,500-4,500rpm |
最高速 | 270km/h |
排気量 | 1.995L |
本体価格 | 4,583,700円~ |
安全性能
シビック TYPE Rは予防安全性能の面で、VSAとヒルスタートアシスト機能が備わっています。VSAは、車の挙動の安定化を図るためのシステムで、横滑りの抑制に役立ちます。ヒルスタートアシスト機能とは、トラブルが起こりやすいと言われている上り坂での発進時に、車両が後退するのを抑制してくれる機能です。万が一の際の衝突安全性の面では、強度に優れたボディ素材やチャイルドシートを確実に固定するための金具が設けられています。
走行性能
シビック TYPE Rは、高出力の2.0L VTEC TURBOエンジンを搭載しており、エンジンの力を最大限活かすための冷却機能にも高度な技術が使われています。走行モードを選ぶことができ、サーキットで走る用の「+Rモード」、街中などを走るフラットな「SPORTモード」、長距離運転もリラックスして楽しめる「COMFORTモード」の3種類があります。
燃費
シビック TYPE Rの走行燃費消費率は、12.8km/Lです。
スポーツカーというと燃費はあまり良くないイメージですが、シビック TYPE Rはエンジンにも出力面だけでなく燃費性能を追求したり、吸排気のコントロール機構を設けたりするなどしています。燃費の面でもホンダのこだわりが詰まったモデルと言えるでしょう。
NSXの特徴
NSXは、ハイブリッドシステムを搭載した、ホンダの最新鋭が集結したスーパースポーツカーです。スポーツカーといえばパワフルなエンジンというイメージですが、NSXはエンジンとモーターのハイブリッドパワーにより、ハイパフォーマンスかつ燃費の面も良好なのが特徴です。時代の進化に合わせて、環境面にも配慮されたスーパースポーツと言えるでしょう。
基本情報
NSXは、4WD(四輪駆動)の方式を採ったホンダのハイブリッドスポーツカーです。3.5L V6 DOHCツインターボエンジンと3基のモーターからなる、ホンダ独自のハイブリッドシステムが搭載されており、空力的にも考え抜かれた軽やかな造形のボディと合わさって、スポーツカーとしてのハイパフォーマンスを実現しています。
駆動方式 | 4WD |
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最大トルク | 550N・m[ 56.1kgf・m ]/ 2,000-6,000rpm |
最高速 | 296km/h |
排気量 | 3.492L |
本体価格 | 24,200,000円~ |
安全性能
NXSは、予防安全性能の面でタイヤ空気圧の警告システムや、パーキングセンサーシステムを搭載しています。運転時に必要な情報をグラフィカルに表示する「マルチインフォメーション・ディスプレイ」で、速度や燃料の残量だけでなく各輪の空気圧を確認することができます。空気圧が低下した際には警告が表示されるので、安全運転を支援してくれるでしょう。パーキングセンサーシステムは、8つのセンサーで周囲の状況を検知し、障害物の接近を知らせてくれます。
走行性能
NXSは、3.5L V6 DOHCツインターボエンジンと3基のモーターからなる3モーターハイブリッドシステムを採用しています。エンジンは、高出力かつコンパクトに設計されており、低重心のレイアウトで運動性能を高めています。エンジンに直結された高性能モーターが、ハイレスポンスでエンジンのアシストを行う仕組みです。9速のデュアルクラッチトランスミッションで、滑らかでスピーディーな変速が行えるでしょう。
燃費
NSXの燃費消費率は10.6km/Lです。
速さを求められるスーパースポーツカーだからといって、いたずらに燃料を消費するのではなく、効率化も最大限に追求するというホンダのこだわりが感じられます。街乗りなどで発進・停車が頻繁に起こる状況ではやや効率は落ちますが、高速道路や長距離運転でのドライブでは、リッター2桁の性能を実感できるでしょう。
ホンダのスポーツカーの中古車価格相場
ホンダに限らず、スポーツカーの新車価格は比較的高めです。また、新車購入の場合は納車までの時間が長くかかる場合が多いため、中古での購入を検討される方も多いのではないでしょうか。ここでは、ホンダのスポーツカーの中古車価格相場参考情報をご紹介します。
S660の相場
S660の中古車価格相場は、約100~400万円です。ボディを着せ替えたネオクラシックモデルなどは、その希少性と個性的なデザインから人気も高く、高騰しがちな傾向と言えるでしょう。
シビック TYPE Rの相場
シビック TYPE Rの中古車価格相場は、約180~460万円です。シビック TYPE Rは2019年12月に発売を終了したものの、これまでの歴代モデルのいずれも人気の高い車種となります。年式が新しく比較的新車に近い状態のものはもちろん、年式が古くても状態が良ければ価格が下がらない傾向にあるでしょう。
NSXの相場
NSXの中古車価格相場は、約500~3000万円です。NSXはそもそもの販売台数が少なく、中古車市場に流れてくること自体が貴重とも言えます。そのため、新車価格を超える中古車も見受けられる、いわゆるプレミアがついている状態だと言えるでしょう。
2020年に発売される「シビックタイプR改良新型」とは
2020年の夏から秋頃には、「シビックタイプR改良新型」の発売予定があるとされています。フロントグリルの開口部が拡大され、より効率よく風を導入できるようになっていたり、新開発されたシフトノブが搭載されていたりするなどの変化が見受けられます。これまでのシビック TYPE Rをベースに、更なる軽さと速さを追い求めた改良新型の中身に期待が高まるでしょう。
ホンダのスポーツカーで快適なドライブを!
ホンダのスポーツカーには、軽自動車規格のS660から4WDハイブリッドのNSXまで、個性的な特徴を持った車種が揃っています。新車はもちろんですが、スポーツカーはカスタムして楽しむという側面もあることから、中古車市場での購入も一つの方法です。ぜひ、ご自身の求めるカーライフにあった1台を見つけて快適なドライブを楽しんでみてください。