【試乗記】ターボじゃなくても買いたい!?2代目アリスト S300は快速お買得セダン

最新の製品が最良の選択…そうはいかないクルマの世界。時代を切り取ったテイストや、圧倒的なコストパフォーマンスなど、価値観を広げてくれる中古車の世界を実際に車に乗りながらご紹介!今回はトヨタの名車アリストのNAグレード、S300を使って皆さんの購買意欲を刺激しちゃいます。

馬力と、上質さと、伝統を求める人へ、20世紀最先端を目指したスポーツセダン

 

この頃の自動車メーカーが目指した“最先端”が指すのは、クルマが古くから持つ価値観である乗り味とフィーリング、世界観のことを言います。

この車はそんな価値観を大切にしたい人へお勧めの、ハイグレードスポーツセダンです。

アリストはターボのV300とNAのS300共に、あの本格スポーツカー『スープラ』の心臓である『2JZ-GTE』『2JZ-GE』を搭載してスパルタンなスポーティさをアピールしながら、楕円意匠を積極的に取り入れたそのエクステリアでエレガントさもアピールしています。

フロント・リア共に4灯のデザインは時を経た今でも唯一無二のデザインで、皆さんもきっと街中で見かけたことがあるはず。

その唯我独尊ぶりは外見だけでなく、乗り味や内装にもしっかり表現されています。

ザ・コクピットな運転席と上質なおもてなし空間のシナジー

横に大きく膨らんだ広いキャビンと暖かな内装は、この車に乗る全てのパッセンジャーに向けた上質なおもてなしの心をアピールしています。

後席はフラット気味で、万が一中央の座席に乗らざるを得なかったとしても、足元空間以外は快適なままです。

窓ガラスは大きくないため開放感には欠けますが、スペース効率の厳しいFRレイアウトでありながら後部座席は頭の上こぶし1個分という余裕の空間。家族や友人から不満の声を聞くことはないでしょう。

何より皆さんに伝えたいのは、運転席のコックピッドレイアウト。

ドアトリムからメーター、センターコンソールで包まれた運転席は、この車がドライバーの貴方を真に愛していることが伝わってくるでしょう。

スポーティな三眼式メーターは周囲の明るさに合わせレトロな色彩で自発発光します。ハンドルも電動テレスコピッグで自在に位置を変更できますし、メーターの視認性を阻害することもありません。

ドアトリムも前後席で極端にクオリティが変わることもなく、『ウッド調パネル』『スウェード生地』『ハードプラ』という素材のコントラストと、『ブラウン』『グレー』『ベージュ』の色彩コントラストを、決して華美ではないものの、上品にまとめ上げています。

S300だけが持つ、日常領域特化の等身大のスポーツ・フィーリング

 

S300は、速い車ではありません。しかし日本の制限速度内のあらゆる場面で余すことなくこの車の『スポーツ』を味わえます。

(とはいえV300の280PS/5,600rpmが規格外なだけで、230PS/6,000rpmもあるので十分です)

設計段階から嫌なノイズは抑え、エンジンの心地よい周波数のみ増幅させた結果、S300はNA特有の淀みない加速と相まって耳に心地よい直6サウンドをもたらしてくれます。普段意識しなければわからないレベルですが、ふとした時に耳を澄ませばとても心地いいもので、ドライバーの著者も思わずニンマリ(マスクでわかりにくいですが笑ってます)。

©︎2018 dave_7 https://flic.kr/p/N1V9gU

ガチッとした剛性感のあるハンドルを切れば、FR特有の腰の後ろから伝わる駆動感と共にグイグイと曲がっていきます。

これも理想的な 50:50 重量配分に近い方向性に持っていったことと、他グレードに比較し細いタイヤ(215/60/R16)による高い応答性がミソでしょう。S300にはV300が搭載するコーナリング関係の電子制御を一部オミットしておりますが、そもそもつける必要がないからでは?と言っても過言ではありません。

控えめと言われたエンジンパワーは確かに 60-80km/h くらいが最も快適であることは間違いありません。しかし、ひとたび追い越しすべくアクセルを踏めば、自分の想定と完全に同期したフィーリングで伸びやかに加速していきます。

滑らかで心地良いフィーリングからアクセルをもっと踏みたくなりますが、そこは道交法と良心で抑えましょう。逆に言えば、それくらいの速さはあるということです。しかし、爆発的で瞬発力ある加速感で迅速に追い越しを済ませるのは正直困難なところでしょう。そのメリハリの良さを求めるとなると、V300という選択肢が上がってくるかもしれません。

バッチリ弄られてない限り絶対に100万しません。お買い得です。

スポーツカーの相場高騰が騒がれている今の時代で、ターボでないアリストは圧倒的に安いです。

フルエアロやターボ換装など、抜本的に手が加わっていない限り100万に届くことは非常に稀です。カーセンサーnetで安い順から数えた場合、124台の2代目アリストの中で下から1/3強はほぼS300です。(安いから何でもいいわけではありませんので悪しからず!)

また、価格の安さもさることながらNAが故の管理や維持のしやすさも魅力でしょう。

直6の 3.0L はお世辞にも燃費のよいエンジンではありませんが、それでもNAなら走り方次第で 12km/L をマークします。となれば、ターボモデルの燃費は言わずもがな…。ターボがないことでエンジンの耐久を維持しやすく、余計な気を使わなくて済むのは人によってはメリットと言えるでしょう。

もちろん総合点で言えばパワーも装備も余裕のあるV300に軍配は上がりますし、そちらを推す方の方が割合としては数多くいらっしゃいます。しかし中古市場に落ちた両グレードの価格差はそれなりに大きな物になっているので、「何を大事にしたいか?」という自分の価値観と照らし合わせながら選ぶといいかもしれません。

アリストのS300のレビュー、如何でしたでしょうか?車はその人の価値観にあったものを選ぶことで最大限の幸せをもたらすことができます。

この車を少しでも欲しい!と思った方は一度カーシェアで試乗してみるのも良いかもしれません。ぜひ乗ってみましょう!

最後に、この車のメディア目的の貸し出しをご快諾いただけたオーナーのSHOICHI様(https://anyca.net/car/22036)と、撮影にご協力下さった烈風改様に(https://twitter.com/A7M3JSAM)に感謝を申し上げます。

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