テンパータイヤはパンク時などの緊急事態用として、車載に積み込んでおく応急の予備タイヤです。この記事ではテンパータイヤの特徴やテンパータイヤを使用する場合の注意点などをご紹介しますので、是非参考にしてみてはいかがでしょうか。
テンパータイヤとは
テンパータイヤは使用しているタイヤがパンクなどで使用できなくなった際に取り替える、予備のタイヤです。一般的なタイヤよりも一回り小さく細くなっており、車の中においても邪魔になりづらいようになっています。また、テンパータイヤを使用しているときに出せるスピードにも制限があるため注意は必要です。あくまで一時的なタイヤであるため、ずっと使い続けるのではなく、なるべく早めに標準タイヤに付け替えましょう。
テンパータイヤとスペアタイヤの違い
テンパータイヤは応急用のタイヤ、スペアタイヤは予備のタイヤです。スペアタイヤは普段使用しているタイヤと同じタイヤを予備として積んでいるものを指します。標準装備のタイヤと同じなので、取り替えた場合はそのまま通常通り走行可能です。一方、テンパータイヤもスペアタイヤとして積んでいますが、あくまで応急用のタイヤです。前述のとおり、少し小さく細めで、長く走るには適していないなどの違いがあります。
テンパータイヤの特徴5選
テンパータイヤの特徴をご紹介します。一般的に予備のタイヤのことをスペアタイヤと呼ぶため、実際にはテンパータイヤを予備として車に積んでいる場合、スペアタイヤだと思っている方も多いでしょう。ここではテンパータイヤの5つの特徴を紹介しますので、テンパータイヤについてより理解を深めてみてはいかがでしょうか。
テンパータイヤの特徴1:通常タイヤより空気圧が高い
テンパータイヤは、通常のタイヤより空気圧が2倍ほど高くなっています。一般的なタイヤの空気圧は約200~250kPaですが、テンパータイヤの空気圧は、約2倍と非常に高い空気圧です。テンパータイヤは、通常のタイヤよりもサイズが小さく細いため、車体を支えるために高めの空気圧となっています。
テンパータイヤの特徴2:通常のタイヤより硬いゴムが使われている
テンパータイヤは通常のタイヤより硬いゴムが使用されています。テンパータイヤは通常のタイヤよりもサイズが小さいため、硬めのゴムを使うことで通常のタイヤに近い走行が可能となっています。
テンパータイヤの特徴3:時速にして80km/h以下で走行
テンパータイヤの速度はおよそ80km/hまでとなっています。そのため、テンパータイヤを装着した状態で走行するなら、最高でも70~80km/hにとどめるのが望ましいです。また、走行距離も通常のタイヤに比べて短いです。また、テンパータイヤは標準のタイヤよりもグリップ力がないこともあり、速度を出し過ぎないように注意が必要です。
テンパータイヤの特徴4:距離にして100km以内が限度
テンパータイヤで走行可能な距離はおよそ100kmとなっています。テンパータイヤは応急用のタイヤなので、長い距離を走るのには適していません。通常のタイヤよりも耐久性も低いため、長距離の走行は避けるようにしましょう。テンパータイヤに取り替えたあとは、そのままにせず、すみやかに標準のタイヤに交換するよることをおすすめします。
テンパータイヤの特徴5:パンク時の応急的なもの
テンパータイヤは、普段使用しているタイヤがパンクしたときの応急処置的なタイヤです。テンパータイヤはパンク時の緊急対応用のタイヤであるため、グリップ力も弱く、耐久性も通常のタイヤよりも低くなっています。そのため、テンパータイヤに取り替えた場合はそのまま利用するのではなく、できるだけすみやかに通常のタイヤに交換し、パンクしたタイヤを修理するようにしましょう。
テンパータイヤのサイズが小さい理由2つ
テンパータイヤが小さめのサイズなのには理由があります。テンパータイヤにはさまざまな特徴がありますが、まず見た目で通常のタイヤよりサイズが小さいことが大きな特徴だと言えます。なぜテンパータイヤのサイズは通常のタイヤよりも小さいのでしょうか。ここではテンパータイヤが小さい理由3つについてご紹介します。
テンパータイヤのサイズが小さい理由1:省スペースで収納するため
テンパータイヤは小さめのサイズにすることで、スペースを取らないようになっています。予備として通常のタイヤをスペアタイヤとして車に積むと、積載スペースを大きく取ってしまいます。しかし、テンパータイヤは通常のタイヤよりもサイズが小さく細いため、トランクの床下などに置いてもスペースを取りません。
テンパータイヤのサイズが小さい理由2:軽重量が目的
テンパータイヤは小さめのサイズにすることで、通常のタイヤより軽量になっています。通常のタイヤを詰み込むとどうしても車両が重くなってしまいます。あまりにも車両が重くなってしまうと、燃費が悪くなったり、制動力が低下するなどのリスクも伴います。しかしテンパータイヤはサイズが小さく幅も狭く作られているため、普通のタイヤを詰み込むよりも車両を軽量化することが可能となっています。
テンパータイヤの注意点4つ
テンパータイヤはあくまでパンクなどの緊急時に使用する応急用のタイヤです。ドライバーの中には、念のために車に積んでいるものの、まだ使ったことがないという方もいるのではないでしょうか。ここでは、テンパータイヤの注意点4つを紹介します。テンパータイヤを予備として車に積んでいる人は、是非参考にしてみてください。
注意点1:駆動輪に付けない
テンパータイヤは駆動輪側に付けないようにしましょう。駆動輪は車をコントロールしてくれる部分になっています。標準のタイヤとサイズが異なるテンパータイヤを駆動輪につけることで、うまくコントロールできない可能性もあります。駆動輪が不具合を起こした場合、標準のタイヤを駆動輪に取り付け、取り外した部分にテンパータイヤを付けることをおすすめします。
注意点2:定期的に劣化と空気圧のチェック
テンパータイヤは、定期的な点検が必要になるでしょう。タイヤには寿命があるため、例え未使用のテンパータイヤであっても、使用するときに空気が抜けていて使えないなどの問題が起きる可能性があります。時間の経過によってタイヤは徐々に劣化していきます。トランク床下なら紫外線などが当たりづらいため、使用しているタイヤより劣化は遅いですが、使用していなくても定期的に劣化や空気圧のチェックをする必要があります。
注意点3:雨天時などは走行に注意が必要
テンパータイヤはあくまで一時的なタイヤなので、雨天時の走行には注意が必要です。テンパータイヤはパンク時などの応急処置用として作られたものなので、サイズも小さくゴムが硬めになっているなど、普通のタイヤとは違う仕様となっています。そのため、テンパータイヤで普段の運転ができるとは思わず、雨天などの悪天候時は特に安全運転を心がけるようにしましょう。
注意点4:グリップ力や制動力は性能が落ちる
テンパータイヤはグリップ力や制動力などは一般的なタイヤに劣ります。テンパータイヤは長く日常的に使うことを想定せず、車に積んでいてもスペースを取らず、軽いことが求められます。仕様も通常のタイヤよりサイズが小さく幅も狭く、薄めに作られています。そのため、通常のタイヤよりグリップ力が弱く制動力も劣ります。普段と同じように運転すると思わぬ事故に繋がるケースもあるため、運転には十分注意しましょう。
テンパータイヤは緊急時の予備のタイヤとの認識を忘れずに
予備として積まれているテンパータイヤは、一般的なスペアタイヤと異なり、標準よりもサイズが小さく軽量化されており、空気圧も異なります。テンパータイヤはあくまで応急用のタイヤなので、交換してから使い続けるのはおすすめしません。ぜひ、この記事で紹介したテンパータイヤの特徴や注意点などを参考に、テンパータイヤを使用する際は十分に注意をして、使用するようにしましょう。