国産エンジン史「国産直6スポーツ最後の咆哮・トヨタJZエンジン」

長らく活躍したM型、その後継エンジン「JZ」

JZ系以前、トヨタの直列6気筒ガソリンエンジン代表といえば1965年にS40系クラウンに初搭載されたM型エンジンであり、1980年代に新世代直6エンジンとしてG型エンジンが登場して以降も、2,000cc以上の大排気量エンジンとして使われていました。

当然、直6スポーツエンジンにもM型が使われており、トヨタ初の市販DOHCエンジンである2000GT用3Mを筆頭に、M型がその歴史を刻んでいます。

その頂点に立つのが70系スープラ用3,000ccDOHCターボの7M-GTEUでしたが、1986年のデビュー時点で原型から20年以上が経過しており、いかにロングセラーエンジンとはいえ限界が来ていたのです。

1980年代の日本車までは通用したM型も90年代前半の「日本車黄金時代」を前に、新世代へのバトンタッチが求められていたのでした。

 

直6エンジンにこだわったトヨタ

1990年当時、既に日本車で乗用車に直6エンジンを採用していたのはトヨタと日産くらいであり、しかも日産はRBという新世代エンジンがあったとはいえ、基本的にはVGエンジンに始まるV6エンジンへの転換を進めていました。

一方トヨタはSUV用を除けば乗用車向け縦置きV6エンジン自体作っておらず、V6エンジンはあくまでFF用の軽量コンパクト大排気量エンジンだったようです。

2,000ccの1G系エンジンをミドルクラスセダンやマークII、クラウンなどの廉価モデルに搭載し、それ以上は新世代のJZ系を採用したまま2000年代まで引っ張ることになるのでした。

そう、90年代のトヨタにとり、大排気量高級車用エンジンなら直6で2,500ccの1JZと3,000ccの2JZ、それ以上でようやくV8やV12エンジンというラインナップだったのです。

最後のヤマハチューン直6

当然、70系スープラや20系ソアラの末期から2,500ccツインターボの1JZ-GTEが採用され、さらに新世代の80系スープラや、新型スポーツセダンのアリストには3,000ccツインターボの2JZ-GTEが採用されました。

それらが現役モデルとして発売されていた当時、スポーツエンジンとしては屈指の名作・日産RB26DETTがレースからストリートまで猛威を奮っていた頃です。

高級車用エンジンとしても4,000ccV8の1UZ-FEがセルシオやクラウンに搭載されていましたから、1JZ-GTEヤ2JZ-GTEは特に目立つ存在ではなかったかもしれません。

「最強の直6エンジン」と言えばスカイラインGT-Rに積まれたRB26DETTのことではありましたが、その一方で4WDのGT-Rに対し、大排気量FRスポーツとして貫き通したスープラやアリストを好む層も数多くいました。

何よりトヨタエンジンとはいえ、スポーツエンジンはヤマハチューンというのは90年代にはもう誰もが知っている常識でもありましたから、ある意味日産に対抗するトヨタというより、日産vsヤマハチューンという雰囲気もあったのです。

 

RBより長く使われたJZ系

そんなJZ系エンジンでしたが、日産のRB系エンジンがしょせんV6エンジンの熟成を待つ間の「つなぎのエンジン」だったのに対し、FR車用大排気量V6エンジンの開発で遅れたこともあって、RBより長く使われました。

RB26DETTは2002年にはR34スカイラインGT-Rと共にリタイアしましたが、2JZ-GTEはその原因となった排ガス規制も乗り越えて、アリスト用に2004年まで生産されています。

さらにスポーツカー用では無かったとはいえ、2.5リッターツインターボの1JZ-GEなどマークIIブリット用として2006年5月まで生産されたのです。

この瞬間をもって、1967年のトヨタ2000GT用3Mに始まった国産直6スポーツエンジンは、約40年の歴史に終止符を打ったのでした。

しかしJZ系、特に2JZ-GTEの活躍はそれでは終わりません。 2017年現在も、RB26DETTと並ぶ「日本製直6ハイパワーエンジン代表」として世界中でチューニングカー用エンジンとして使われ続けています。

チューニングの結果、1,000馬力以上を叩き出すポテンシャルを持っており、その素材はRB26DETTにも決してヒケを取らないのです。

今ではV6、V8エンジンが主流

以降のトヨタ大排気量エンジンはスポーツ用も全てV6、V8エンジンとなりましたが、トヨタの直6エンジンを懐かしむ声も未だにあります。

近々デビューが噂される新型スープラにはBMWの直6エンジンが搭載されるという噂もありますが、実現するのでしょうか。 次回は「タイプR呪縛の始まり、ホンダB18CspecRとB16B」を紹介します。

 

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