車の話をしているとたまに話に出てくるAピラー。おそらく聞いたことがあるという人は多いと思いますが、その意味について知っている人は少ないのではないでしょうか。なぜAピラーというのでしょう。Aとはなんなのでしょうか。今回はAピラーについてお話していきます。
そもそもピラーって何?
まず最初に、ピラーとはどういったものなのかについてお話していきます。
ピラーの役割
ピラーは英語で支柱を意味します。その言葉通り支柱の役割をしていて、一番大きな目的は車の屋根を支えると言うことです。そのためピラーが登場したのはちょうど車が屋根なしから屋根ありへと移行していった時代です。しかし、最近ではそのピラーの役割も車の技術発展と共に変わってきました。昔の車はボディとフレームが別々になっていて、屋根を支えるにはピラーが必要不可欠でした。しかし、最近の車の構造はモノコック構造という車のボディとフレームが一緒になった形のものが主流になっており、ピラーやフレームが一体となっています。そうすると、屋根を支えるという仕事は車のフレーム全体でこなすことになるので、ピラーの役割は屋根を支えることではなく前からの衝撃を吸収することにシフトしたのです。衝突安全のためということですね。
AピラーのAとは
では本題のAピラーのAの意味について見ていきましょう。
実はA以外もある
実は車にはA以外のピラーもあります。Aピラー、Bピラー、Cピラー、Dピラーです。つまり結論から言ってしまうとAピラーのAはABCDと四つあるピラーの一番フロントに近いピラーを表すための名称というわけです。一般的な車はピラーが四つですが、車の大きさが大きくなればなるほどピラーの数は増えていくのでそのような場合にはEFG・・と続いていきます。それでは、BからDまでのピラーについてそれぞれ説明していきます。
Bピラー
助手席と後部座席の間にあるピラーがBピラー。ピラーの中でも一番大きなピラーで屋根からボディの底までつながっている車の安全性や強度を確保するのに重要なピラーです。
Cピラー
続いて後部座席と荷室の間にあるピラーがCピラー。高級車になるとこのピラーが太くなり、後部座席の完璧な安全性を確保しています。一般的に小型乗用車やコンパクトカーと言われるカテゴリーの車はこのCピラーまでの車がほとんどです。
Dピラー
Dピラーは車体後部にあるピラーです。ステーションワゴンやミニバンくらいの大きさになると、多くの車がDピラーを着けています。Dピラーは一番前にあるAピラーとは違い、太くしても問題ないため最近のデザインを重視している車はわざと太くし、そこに色を付けて個性を出している車もありますね。
最近増えているピラーレス車
そんなピラーですが、最近では助手席側のBピラーがないピラーレス車というものが増えています。ピラーレス車のメリットは何なのでしょうか。そして肝心の安全面は大丈夫なのでしょうか。
ピラーレス車のメリット
ピラーレス車のメリットは何と言っても乗降のしやすさです。助手席と後部座席の間に柱がないだけでこんなに変わるのかとびっくりします。さらに、ピラーレスだと開放感があるため、車の中がまるで一つの部屋になったかのような感覚になります。乗り降りのしやすさと開放感は小さな子供のいる家庭や家族用で車を買うにあたっては重要な要素ですね。
安全面は大丈夫?
実はピラーレス車と言っても完全にBピラーをなくしたわけではありません。あるにはあります。ただ、助手席の後ろにあるのではなく、スライドドアと一体になっているのです。なくなっているわけではないのでボディの安全性はしっかりと確保されています。しかし、スライドドアと一体型のピラーレスの構造は製造するのに手間がかかるので価格は少し高くなってしまいます。