新型コロナウイルス(COVID-19)の拡大・それに伴う外出自粛要請は様々な業界に大きな影響を与えており、自動車社業界も大きな打撃を受けています。特に自動車業界はグローバルな生産体制を構築しており、3月には中国の製造工場が停止、北米の工場ではロックダウンに伴う稼働停止工場が多数存在しているなどCOVID-19の影響を顕著に受けています。そこで今回は世界の自動車業界の中でも「中国」に注目し、グローバル自動車業界における「中国」の重要性をご紹介したいと思います。
世界最大の自動車生産国
2018年度に世界で生産された自動車は約9,000万台で、その約30%が中国で生産されたそうです。(国際自動車工業連合会より)その大きな要因はやはり中国経済の成長により中国人の車需要が高まったことが考えられます。中国の自動車生産台数は2001年から2017年まで年平均成長率17%もの成長率を誇っており、中国のGDP成長と共に成長した経緯が読み取れます。しかし、1000人あたりの自動車保有台数を見てみると、先進国の中ではかなり低い水準となっています。このことから中国における自動車需要はまだまだ成長するのではないかと考えられます。
中国で活動する自動車メーカー
中国では海外メーカーと中国メーカーとの合弁会社が市場シェアの半数以上を占めています。政府の規制により、海外メーカーが中国内で事業を行うには中国系企業との合弁会社で事業を行う必要があります。合弁会社とは複数の会社でお金を出し合って会社を設立し、運営するもので、中国では海外企業の出資比率が50%を超えてはならないという制限があるようです。日本メーカーは2019年の販売台数シェア21%で、中国メーカーについて国内2位の位置付けでした。それにドイツ、アメリカ、韓国と続く形です。
中国で人気の車両タイプ
乗用車を普通乗用車、MPV(Multi-Purpose Vehicles)、SUV(Sport Utility Vehicles)、交叉型乗用車(Cross Passenger Car、3種以外の乗用車で、主にワンボックスカー)の3つに大別することができますが、中国では普通自動車が全体の40%程度のシェアを占めています。近年はSUVの人気が高まりつつあり、普通自動車に迫る勢いで成長しています。2019年の販売台数を車種別でみてみるとフォルクスワーゲンのラヴィーダが一番人気となっているようです。日本車で最も人気があったのはトヨタのカローラでした。