みなさんは、煽り(あおり)運転についてどう思いますか?行き過ぎたあおり運転がニュースなどのメディアで取り上げられたことにより、大きな話題となりました。ニュースで取り上げられるようなあおり運転でないとしても、もしかすると知らず知らずのうちに「あおり運転」にあたる行為をしてしまっている方も少なくないかもしれません。少しでも多くの人々が快適に運転できるようにするためにも、あおり運転にあたる行為について理解できると良いのではないでしょうか。
そこで今回は、あおり運転にあたる行為と注意点について紹介していきます。
煽り(あおり)運転について
あおり運転とは?
あおり運転とは、道路上の他の車やバイク等をあおり、交通の危険を生じさせること。危険行為の一種であり、急停止やパッシングなど他の車両に対して故意に行う迷惑行為のことです。
あおり運転にあたる行為の例と注意点
車間距離を詰める
前方を走行している車両との車間距離を過度に詰めることは、あおり運転の代表的な例だといえます。前を走る車両の速度が遅い場合、前の車両にもっと速く走ってほしいという気持ちから、車間距離を詰める方も多いのではないでしょうか。しかし、急いでいる場合でもこのような行為は危険であり、迷惑行為にあたるので注意しましょう。たとえ悪気がないとしても、車間距離が近くなりやすい人は注意が必要です。車間距離が近いと、相手があおり運転だと感じてしまってり、迷惑行為だと捉えられてしまうかもしれません。さらに、前の車に追突してしまう恐れがあるのはもちろんですが、相手が急ブレーキ等の仕返しをしてきたりなど、大きなトラブルに発展してしまう可能性があります。
車間距離を適切に保っていない場合、車間距離保持義務違反にあたります。違反点数は2点で、反則金は9,000円(普通車)になっています。
過度な幅寄せ
事故を未然に防ぐためにも、幅寄せをすることは時には必要です。たとえば、巻き込み事故を防ぐための左折の際の幅寄せなど、事故を起こさないためにも幅寄せをするべきな状況もあるでしょう。しかし、危険を避けるためのやむを得ない状況を除いて、幅寄せをすることは違反になります。また、かえって危険を生じさせるような過度な「幅寄せ」はあおり運転といえるので注意しましょう。割り込みをされたくない際などに、行き過ぎた幅寄せをしてしまっている方もいるかもしれません。相手が煽り運転だと感じる可能性もあります。割り込む側に非があるかもしれませんが、トラブルを引き起こさないためにもできる限り道を譲るようにすると良いでしょう。
後続車に対して故意に急ブレーキ
適切な理由でなく、急ブレーキをかけて意図的に後続車に迷惑をかけることはあおり運転といえます。もしかすると、後続車が車間距離を過度に詰めてきたりなど、迷惑行為に遭遇する機会もあるかもしれません。また、相手が意図的でなくても危険な運転に対して不満を感じることもあるかもしれません。しかし、迷惑行為に遭遇したとしても、やむを得ない理由を除いて、急ブレーキをして意図的に後続車に迷惑をかけることは控えるようにしましょう。
急ブレーキ禁止違反では、反則点数2点、反則金7,000円(普通車)が課されます。
パッシング
パッシングも使い方によっては煽り運転になってしまうかもしれません。相手に先に道を譲る際などに使っている方は多いのではないでしょうか。このような使い方以外にも、後ろから前方に走っている車に対してパッシングをするというケースもあるようです。このケースでは、「追い越すための意思表示」が多いと考えられますが、もしかすると「早く行ってくれ」というようなプレッシャーをかけているのかもしれません。このように、状況によっては発信の意図がハッキリと伝わらないこともあります。そのため、悪気がなくても受け取り方次第では、あおり運転になってしまいます。パッシングを連続的に行うことは減光等義務違反にあたります。違反点数2点と9,000円の反則金が課されます。
クラクションの乱用
クラクションは危険を伝えるために使われるものであり、乱用することは禁止されています。警音器(クラクション)の使用法については道路交通法第54条で定められており、標識のある場所、見通しのきかない場所、危険を防止するためのやむを得ない状況を除き、使用は禁止されています。そのため、実際に警察に捕まる可能性は低いかもしれませんが、ほとんどの人が行っている気軽にクラクションを鳴らす行為は厳密にいえば違反です。
クラクションの乱用は、他の車両にプレッシャーをかける攻撃的な威嚇行為になり得ます。そのため、使い方によっては煽り運転ともいえます。たとえば、他の運転手に不満を感じた際など、クラクションを必要以上に長く鳴らしてしまっている方は少なくないかもしれません。このようなクラクションの使用法について、多くの方は威嚇行為だと感じますし、この後に受け手側が迷惑行為をやり返した場合、さらなるあおり運転につながってしまうかもしれません。また、気性が荒い運転手に対してむやみにクラクションを鳴らした場合、あおり運転の被害者になってしまう可能性もあります。トラブルを避けるためにもクラクションの乱用は避けるべきでしょう。
罵声を浴びせる
窓を開けて相手に直接的に罵声を浴びせる行為も煽り運転です。交通の危険に遭遇した際など、ほかの運転手に文句を言いたくなることもあるでしょう。感情を抑えることが難しい状況もあるかもしれませんが、そのようなときこそ冷静でいるように心がけることにより、トラブルが発展することを防げるかもしれません。
まとめ
煽り運転にあたる行為
- 車間距離を詰める
- 過度な幅寄せ
- 後続車に対して故意に急ブレーキ
- パッシングやクラクション
ニュースで報道されているような行き過ぎた「あおり運転」でなくとも、何気なくあおり運転をしてしまっている方も少なくないかもしれません。運転中は何かとストレスが溜まりやすいですし、危険を避けるための行動などを必要以上にやってしまいがちです。しかし、上記の行為などにより相手が不快な思いをしたり、もしかすると大きなトラブルに発展する恐れもあります。トラブルを避けるためにも、運転をする際はみんなが心地よく過ごすことができるように、相手を思いやって運転できると良いでしょう。