雪道の運転で立ち往生!5つの注意点と4つの対策 | 一酸化炭素中毒になる車の状態とは

毎年大雪のせいで何kmにも渡って数百、数千台の車が立ち往生して大渋滞という事態が起きています。 雪道で立ち往生してしまい何時間、何日間も車内で待機しなくてはならないということもよく起こります。そのようなときにはどうすればいいのでしょうか?

雪道にはたくさんの危険が潜んでいますから、走行前にしっかりと準備しておくことが肝心です。雪への備えは冬用タイヤやタイヤチェーンだけでは不十分です。数時間閉じ込められたとき、トイレはどうしたらよいでしょうか?いくつかグッズもご紹介します。

東京都内でも立ち往生で車が乗り捨てられることがありました。間違えると命の危険もある雪での立ち往生。万が一のために、もし雪で車内に閉じ込められたら注意すべきことをお教えします。

雪で立ち往生した時の脱出方法

冬用タイヤを装着していても立ち往生は起こります。

国土交通省によると平成27年度、全国の国道における立ち往生台数は547台でした。そのうち大型車が61%と大半を占め、次いで中型車24%、小型車(乗用車)15%でした。普段皆さんが運転する乗用車の割合は少なく見えますが、大型車の立ち往生に巻き込まれる可能性は高いと言えます。

また立ち往生台数547台のうち冬用タイヤを装着していたのは75%でしたが、さらにそのうち89%はチェーン未装着でした。ここから、立往生を防ぐには冬用タイヤだけでは不十分だと言えます。

立ち往生は勾配5%の坂で多く発生しています。坂を登り切れなかったり、逆に下るときに止まり切れずに事故を起こしてしまうことで起こりやすいです。山道や勾配のある坂を運転する際には特に気をつけましょう。迂回するのも手です。

また、平成29年度には東京でも雪の影響で首都高・中央環状線の3ヵ所で10時間を超える渋滞が起こっています。都会や豪雪地帯ではない地域でも立ち往生への注意が必要ですね。

雪からの脱出方法/緊急連絡先

雪道を運転中、スリップしたり雪にハマったせいで立ち往生したとき、どうしたらよいでしょうか?

まずは脱出を図りましょう。車が動くように雪をかき、タイヤ周辺の雪を固めましょう。すべり止め用砂袋が用意されている道路では、タイヤ周辺にまくことで脱出しやすくなります。また、後続車のドライバーなど他の人に助けを求め、車を押して動かしましょう。

それでも脱出ができない場合には、直ちにJAFなどのロードサービスに連絡し、救助を待ちましょう。状況によっては警察や消防に連絡しましょう。

  • 道路緊急ダイヤル(#9910)
  • JAF(#8139)

立ち往生の渋滞で動けないときにすべき対処法

自分の車が立ち往生しなくても、前の車が動けなくなって大渋滞に巻き込まれる場合はどうしたらよいのでしょうか?

①ハザードランプを点滅させて後続車に知らせる

前の車が立ち往生してしまったら、まずはハザードランプをつけて後続車に知らせます。雪道や凍結路では制動距離が通常の3~10倍ほど長くなってしまいます(冬用タイヤで40km/hで走行した場合)。早めに知らせることで追突事故、玉突き事故を防ぎましょう。

②ガソリンを使わない

雪で立ち往生していると、どんどん車内の温度は低くなっていきます。「カーエアコンを使えばいいじゃないか」と言いたいところですが、エンジンをかけて暖房をつけていると当たり前ですがガソリンはなくなります。立ち往生が解消されて再び動き出すため、少なくとも目的地まで到着するためのガソリンは残さなければなりません。ガソリンを使い切らないように注意しましょう。

③一酸化炭素中毒に気をつける(死亡例あり)

立ち往生したとき、一酸化炭素中毒になる危険性があります。後方の雪が車のマフラーを塞いでしまうと、排気ガスが外に排出されず車内に充満します。この状態のまま車内で長時間過ごしたり、眠ってしまうと命の危険があります。実際、立ち往生での一酸化炭素中毒が原因と見られる死亡事故があります。

長時間車内にいる場合には定期的に車外に出て、マフラーが雪で塞がれていないかチェックしましょう。ちなみに「二酸化炭素が多いと眠くなる」という研究結果もあります。車外に出るのは換気の意味にもなるので、ガスが充満したときに間違って眠るのを防ぐ効果もあります。

JAFは「マフラーが雪に埋まったままエンジンをかけ、外気導入にしてエアコンをつけておく」という実験を行いました。すると、一酸化炭素濃度は約10分で400ppmに上昇し、その後6分で1000ppmに達したそうです。これは、「3時間ほどで致死」という非常に危険な数値だといいます(エアコンが内気循環であったり、窓を少し開けていたとしても「数時間で失神」という数値だったそうです)。

こうした理由からも、エンジンはオフが基本です。

④多くの車はゆっくり動いている

立ち往生の渋滞では後ろの方になるにつれ、完全に停止せずに非常に遅いスピードで車が前進していることがあります。渋滞の後方では注意力が散漫になったり、車内が暖かいので居眠り運転をしてしまいがちです。こまめに窓を開けて換気をするなど、集中力を切らさないようにしましょう。

雪の立ち往生で救助を待つときの注意点

車が立ち往生して自力での脱出が難しいときには救助を呼んでください。ただ、雪道でのトラブルだとJAFなどのロードサービスを呼んでもすぐに来てくれないことも多いです。その間、車内でじっと救助を待つことになります。ここでも注意すべき点がいくつかあります。見てみましょう。

①ガソリンの残量

当たり前ですがガソリンが残っていなければ再出発することはできません。どれだけ残量があるかをチェックして、あとどのくらいの時間ガソリンが持つかを確認しましょう。寒い中で長い時間待つのは大変ですが、少ないガソリンを効率良く消費するのが重要です。ガソリンの残りが少ないときは、エンジンを止めて防寒具を着て寒さを凌ぐのも方法の一つです。

②トイレ

立ち往生のときの困り事の中で大きなものがトイレです。数時間閉じ込められるとトイレに行きたくもなります。ですが身近に用を済ませる場所はなく、仮にあっても雪でなかなか行くことがままならない、行けたとしても水道管が凍って使えない…なんてこともあるようです。市販の簡易トイレを用意しておきましょう。

また、バケツや段ボールと新聞紙で作る簡易トイレが役に立ちます。新聞紙は水分を吸うだけでなく、嫌な臭いを抑えてくれるとのこと。万が一のときの知識として覚えておきましょう。車用ゴミ箱を利用しても良いでしょう。

③一酸化炭素中毒

立ち往生するような雪が深い所ではマフラーが雪で覆われてしまうことがあります。そうなると怖いのが一酸化炭素中毒です。実際、立ち往生からの一酸化炭素中毒で死亡した例もあります。車が長い間動かずに止まるときはマフラー周りの雪をどかしましょう。

④二酸化炭素も充満する

また車内には二酸化炭素も増えてしまいがちです。乗車中はこまめに窓を開けて換気を行いましょう。マフラーをチェックするために外に出るのは空気を入れ換える良い機会です。また、じっと同じ姿勢で座ったままだとエコノミー症候群になるおそれがあります。長時間の立ち往生では、道路の状況を見つつ車外に出ると良いリフレッシュになります。

⑤脱水症状

水分補給もこまめに行い、脱水症状を防ぎましょう。水分補給はエコノミー症候群のリスクも下げてくれます。(もちろん、食べ物があるとより安心です。)

雪で立ち往生したときのための準備・道具

ハプニングというのは突然訪れるもの。いざ立ち往生してからではもうどうしようもないですよね。出発する前に、雪道を運転するのに必要なグッズを準備しておきましょう。

①防寒着/軍手・手袋/長靴

車が雪にハマって抜けなくなったときには外に出て寒い中で雪を掻いたり、車を押すこともあるでしょう。パンクしたタイヤを交換したり、タイヤチェーンを装着するといったことも考えられます。そうしたときのために防寒着を車に積んでおきましょう。ガソリンを節約するためにも、防寒着はとても効果的です。毛布・ブランケットを積んでおいたり、カイロを携帯しておくとなお良しです。

また、雪の中で作業をする際には軍手・手袋や長靴が欠かせません。車内での防寒用具としても利用できます。指先が冷たいだけで身体の寒さって全然違いますよね。

②懐中電灯

暗くなってから立ち往生してしまったときのためにも懐中電灯は必須です。ルームランプを点けるとバッテリーが上がるおそれがあります。寒いとより上がりやすいのでより控えたほうが良いです。冬は日が短いうえ、大渋滞は長いもので2〜3日にも及びます。防寒着と合わせて必ず持っておきたい道具です。

③スコップ

雪かき用スコップの中には縮めて車内に収納ができるものも売られています。スコップを使って楽に雪かきをしたり、タイヤ周りの雪を固めて早いところ脱出してしまいましょう。

リンク:雪かきで車を傷つけない!正しい方法・便利な道具〈おすすめ7選〉

④ポータブル充電器

雪の日にはスマホを充電するポータブル充電器を持って出かけましょう。スマホの電池が切れると救助の電話をかけることも、情報収集することもできません。1個持っているだけでとても心強いですよね。

⑤燃料

ガソリンなどの燃料は満タンにしてから出かけるようにしましょう。

⑥食べ物・飲み物

車の燃料はもちろん、人の燃料も必要です。長時間閉じ込められると空腹になります。渋滞のとき、近くのスーパーやコンビニでは食料の品切れが予想されます。食べ物や飲み物を備えておきましょう。

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