ボルボが全車に最高速度180km/hの速度制限をする理由

2019年3月に、ボルボが自動車業界を覆す衝撃的な発表をしました。それは、スピードの出し過ぎによる事故をなくすため、2020年以降に発売するボルボ車すべてに時速180キロまでの速度制限を導入するとのことです。これまでクルマは、より速く、より快適にという方向で進化してきており、近年のEVでもその加速性能や0−100km/hの時間が競われていました。そして、多くの自動車メーカーはそこに安全や環境などの要素が加え、安全性と加速性という相反する2つの性能を両立しようと努力してきました。しかし、今回の発表からもわかるようにボルボは安全面を選択しました。
今回は、ボルボが自動車業界として初めて180km/hという速度制限を設けた理由を、ボルボが掲げる「Vision2020」と今後のボルボへのイメージを踏まえて紹介します。

2020年以降に発売する車を全て180km/h制限に

ボルボ XC90画像
2020年以降に発売するボルボ車すべてに時速180キロまでの速度制限を導入した理由を紹介します。

なぜ速度制限という安全性を選んだのか

ボルボは、安全面に注力する自動車メーカーとして、ユーザーから信頼があります。それは、ボルボの長い歴史を見てもわかります。今では、すべての車に採用されている三点式シートベルトですが、1959年にボルボのエンジニア、ニルス・ボーリンによって開発されました。しかし、ボルボは、誰もがこの技術の恩恵を得られるよう特許を無償公開し、それ以降このシートベルトは100万人を超える人々の命を救ったとされています。他にも、ラムダセンサーやサイドエアバックなどボルボの安全・環境への配慮は他の自動車メーカーと比較しても優れており、近年では事故による死傷者の数は大幅に減少しています。
しかし、技術面だけでは事故を減らすことはできないとボルボは考え、技術面のみならずドライバーの行動面にも焦点を当てていく必要があると捉えました。その、第一歩が「ボルボ車すべてに時速180キロまでの速度制限を導入すること」だったのです。

どうして180km/hなのか?

物理学の話になりますが、事故の際には衝撃となる運動エネルギーつまり被害の大きさは、速度の2乗に比例して大きくなります。ボルボは、「2017年のアメリカでの全交通死亡事故数の25%が速度超過によるもの」というアメリカの国家道路交通安全局の交通事故データをあげ、速度超過が死に直結することを示しました。さらに、多くの人はスピードの出しすぎが危険であることを理解しておらず、制限速度を軽視していることも示しました。
多くの国で制限速度は時速120〜130km/hであり、180km/hはどんな国でも速度制限を超えアウトバーンが存在するドイツ以外では高速域の速度です。よって、ボルボは制限速度を180km/hに設定したと述べています。また、制限速度が低すぎることにより、ボルボを検討するユーザーへの影響とほかの自動車メーカーとの調和のために、制限速度は180km/h以下に設定されなかったと考えられます。しかし、この制限速度の設定で、速さを求めないクルマという新しい境界線が生まれたのは事実です。

スマートキーによる制限では足りなかった?

ボルボは、制限速度の設定を行う以前から「ケア・キー」と呼ばれる速度制限の手法を導入すると発表していました。ケア・キーとは車両の制限速度を任意に設定し、情報をキーに記憶させることで、走行速度を抑えるもので、150km/hや120km/hにセットすることも可能です。このケア・キーは、安全性だけではなく安価な保険が適用される可能性があるとして、経済的なメリットも存在します。このケア・キーは、10代の若者や運転経験の浅いドライバー、池袋の死亡事故で注目される高齢者ドライバーに対して比較的有効です。しかし、ケア・キーでは制限速度を自在に変更することが可能で、制限速度を180km/hに設定し変更を不可にする方が安全面に対する影響は大きいと思います。

根本はボルボが掲げる「Vision2020」

ボルボ V60画像
ボルボは、「Vision2020」と呼ばれる、2020年までに新しいボルボ車に搭乗中の事故における死亡者と重傷者をゼロにするという目標を掲げています。人を守り、思いやることはボルボの哲学の根幹であり、この根本的な考え方から制限速度が180km/hという衝撃的な発表に至ったのでしょう。ここでは、ボルボの根幹と言える「Vision2020」について紹介します。

人を最優先に考える

「Vision 2020」は、ボルボが人の命を守る責任を負うことを宣言するものです。ボルボは実際に起きた事故から学び、それを生かした技術革新を絶え間なく継続することで、交通事故による死亡者や重傷者をなくすことを目指しています。さらに、ボルボではドライバーだけではなく、その周りの人すべてに着目しています。つまり、ボルボは人を最優先に考えることを大切にしています。何千回もの衝突テストといった安全への徹底的な研究が、ボルボを安全性における世界的なリーダーたらしめているのでしょう。

チャイルドセーフティー

チャイルドセーフティーとは、「車内では、大人と子供は完全に平等でなければならない」という基本的な考えのもとに、ボルボで大切にされている考え方です。ボルボは、後ろ向きチャイルドシートの開発やブースター・クッションの導入など古くから子供への安全性の研究を行なっていました。
子供を持つ親なら、常に子供の安全を守るために最善の努力を惜しまないもので、それは車に乗っている間も、変わりません。よって、ボルボでは正しいチャイルドシートの取り付け、子供の年齢や身長、体重に対して適切な安全装置の適用を重要視しています。
この取り組みは、2020年までに新しいボルボ車での交通事故による死亡者や重傷者をゼロにという「Vision2020」にもつながっています。

女性の怪我リスクにも焦点をあてる

女性がクルマを運転するとき、誰もが自分は安全だと思い込みます。しかし、2019年になった今でも多くの自動車メーカーでは、男性の衝突実験用ダミーを使った実験データに基づいてクルマが設計されています。そのため、女性がむち打ち症になるリスクは、男性と比べて高くなります。
しかし、ボルボはでは事故データを収集する際から男女を平等に扱い、女性に対する事故の影響を考慮しています。40年以上にわたる女性っと車に関する研究結果をE.V.A. プロジェクトとして公開し、「Vision2020」にもつなげています。

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