近頃話題になっている車の事故。幼い子供や普通に生活しているだけの人も突然巻き込まれてしまう悲しい事故です。
高齢運転者による事故も問題になり、どうすれば事故を防げるのか、車の安全性とはなんなのか考えさせられます。
やはり、車の安全性を考える時、乗っている側が事故を起こした時の衝突安全性だけでなく、歩行者に対しての予防安全性が重要になると思います。
踏み間違い防止機能や自動ブレーキの性能が上がり、今以上に普及していればこんな悲しいニュースも流れることがなかったでしょう。
今回は、予防安全性能について改めて理解し、「事故を起こしにくい車」としてサポカー認定されている車をランキングTOP10で紹介しましょう!
また、実際に安全な車を購入する時の選び方を説明いたしましょう。
衝突安全性能についてはこちらをご覧ください!
予防安全性能とは?
予防安全性能とは字のごとく、事故を予防する性能のことです。
近年の先進安全技術によって車はドライバーの運転に関わらず事故を予防できるようになりつつあります。
以前は事故を起こしてしまうかどうかというのはドライバーの技量に大きく依存していました。
しかし、現在ではドライバーが判断を誤ったり、操作を誤った場合でもコンピューターによって事故を未然に防いでくれるようになっています。
メーカーによって多少異なりますが、まずは代表的な先進安全技術を紹介しましょう。
被害軽減(自動)ブレーキ(対車両・対歩行者)
一番代表的なのがこの自動ブレーキではないでしょうか。センサーによって障害物や車、方向車を検知しブレーキをアシストしてくれるもの。
しかし、一概に自動ブレーキと言ってもメーカーや車種によって名称や性能が異なります。
性能の違いは搭載されるセンサーによって変わり、「赤外線センサー」「ステレオカメラ」「ミリ波レーダー」の3つに分けることができます。
これらの性能によって、夜間対応や天候に左右されにくい、自転車・歩行者も対応できるなど、様々な違いがあります。
ここでは車種ごとに紹介ができませんが、購入を検討する際には一度確認しておくといいでしょう。
ペダル踏み間違い時加速抑制装置
このペダル踏み間違い時加速抑制装置ならば高齢運転者による踏み間違いや急発進も防げそうですが、こちらもメーカーによって性能が異なります。
センサーで障害物を検知、警報を鳴らして、仮にアクセルを踏み込んでも加速を抑制するという機能が基本ですが、メーカーによってはペダルが振動したりなどプラスアルファの機能を持たせています。
また、トヨタは後付けの装置を提供しており、最近は重要視されている機能です。
車線逸脱警報
これも字のごとくですが、メーカーによって違いがあります。
カメラで車線を認識し、逸脱しそうになると警報で知らせてくれるのが基本的な機能ですが、ホンダは警報に加えてブレーキとステアリング操作をアシストします。
これらはウインカーやアクセルの動作で車線変更か車線逸脱か判断するので、ウインカーを出し忘れた時にも警報が鳴ります。
ウインカーを出す習慣が身につくというメリットもありますね。
先進ライト
先進ライトは主に自動ハイビームのことを指します。
夜間になれば自動的にハイビームに切り替わり、対向車などを検知して眩しくないようにロービームに切り替えてくれます。
また、最近はヘッドライトがLEDに進化しており、ヘッドライトをブロックごとに分けることで、対向車に当たる部分だけ自動的に消灯する機能も存在します。
また、ステアリングの動きに合わせてヘッドライトが進行方向を照らし、曲がる際にも前が見やすくなるなど、ヘッドライトだけでも技術が進歩しています。
自動車アセスメント予防安全性評価TOP10
そういった予防安全性能はメーカーごとに名称や性能が異なるため、なかなか比較しづらいというのが現状ですが、国土交通省が管轄する自動車事故対策機構によって自動車アセスメントと呼ばれる試験が行われ、点数として評価が出ているため、こちらを参考にランキングを作成しました。
試験・評価が行われている車種は限られていて、全車種を比較したランキングとは言えませんが参考にしていただけたら幸いです。
また、こちらは最新版の2018年度のものを参考にしています。
先進技術の発展が目まぐるしく、試験・評価する内容も年々変化しているため、2017年以前のものは除外しました。
ちなみに、2018年から新たに「先進ライト」「ペダル踏み間違い時加速抑制」の二項目が追加されました。
以前からの「被害軽減ブレーキ[対車両]」「被害軽減ブレーキ[対歩行者]」「車線逸脱抑制」「後方視界情報」を合わせた6項目の合計点でランキングにしています。
以下のイメージは記載されている車種のグレードとは異なる場合があります。
トヨタ カローラ スポーツ HYBRID G “X”
122.4点/126点 ASV+++
カローラスポーツは単眼カメラとミリ波レーダーセンサーを搭載し、認識性能を持っています。
二つのセンサーを搭載することで、昼夜の歩行者・昼の自転車を認識することができます。
実は、これがすごいところで、夜間の歩行者を検出できるというのはかなり高性能なセンサーなのです。
このセンサーによって、車線逸脱抑制も高性能なものになり、ペダル踏み間違えによる静止物への接近も検出。
警報で知らせ、エンジン出力を抑制しブレーキをアシストするところまで行ってくれます。
カローラスポーツはこれらの項目で満点を獲得していますが、先進ライトの項目で減点があります。
ライトの自動切り替えはできるものの、対向車に対する防眩機能、すなわち部分的に遮光する機能が足りていないため、126点には届きませんでした。
スバル フォレスター Touring
122.3点/126点 ASV+++
スバルと言えばアイサイトですね。歩行者に対する被害軽減ブレーキ以外の項目で満点を獲得しています。
その理由は高性能なステレオカメラ。このステレオカメラが人間の目のように距離感・色を認識することによってあらゆる情報を検出することができます。
この“目”が歩行者や自転車はもちろんのこと、ブレーキランプの色や白線を識別します。
まさに“アイ”サイトですね。アイサイトには先進安全技術が盛りだくさんで、いたるところにセンサーがあり、あらゆる状況で警報が作動します。
ドライバーまでカメラで認識し、疲れを検知してくれます。
こんなに安全性能が充実したフォレスターですが、歩行者に対して45km/hで接近した際の減速が足らず、減点されています。
ホンダ インサイト EX
121.4点/126点 ASV+++
ホンダと言えばHonda SENCINGですね。
トヨタのカローラスポーツ同様に単眼カメラとミリ波レーダーを搭載し、組み合わせて対象を識別することで高い認識性能を実現しています。
これらによって被害軽減ブレーキ・車線逸脱抑制・後方視界情報の項目で満点を獲得していますが、対向車に対する防眩機能が搭載されていないため減点となっています。
また、ペダル踏み間違い時加速抑制では減速が足らず、1m先の障害物に4km/hほどで衝突してしまいます。
たとえ4km/hでも車体にキズができてしまいますから、気にする人は気にするでしょう。
ホンダ N-VAN +STYLE FUN/L Honda SENCING
+STYLE FUN 120.6点/126点 ASV+++ / L Honda 119.2点/126点 ASV+++
N-VANは軽自動車ながら、全タイプにHonda SENCINGを標準搭載しています。
しかし、40km/h以上での被害軽減ブレーキが効きづらく、速度軽減率25%で衝突する結果が出ています。
また、対向車に対する防眩機能が非搭載なことに加え、L Hondaタイプにはオートハイビーム機能も非搭載なため、タイプにより評価点に差が出ています。
インサイトには点数で若干劣りますが、軽自動車としては十分すぎる安全性能でしょう。
ホンダ CR-V EX
119.0点/126点 ASV+++
こちらも全タイプにHonda SENCINGを標準搭載するCR-Vです。
SUVなのに軽自動車より評価点が劣るのは不思議ですよね。
装備としてはN-VANに搭載されている後方誤発進抑制機能が非搭載という部分で違いがあります。
また、Honda SENCINGの欠点と言える防眩機能がこちらも非搭載です。
では、軽自動車のN-VANになぜ評価点が劣っているのかと言うと、差が出ているのはペダル踏み間違い時加速抑制の項目です。
おそらくですが、SUVであるCR-Vの方がトルクがあり、加速が強くなることが原因ではないでしょうか。
また、後方誤発進抑制機能が非搭載なので、評価が0点になっているのも原因でしょう。
マツダ CX-5 XD PROACTIVE
115.4点/126点 ASV+++
マツダは全ての車種がセーフティーサポートカー(サポカー)の最高区分セーフティ・サポートカーSワイドに認定されています。
トヨタやホンダに比べればラインアップが少なく、全てをサポカーSにすることは比較的容易ですが、それでもコンパクトカーのデミオやスポーツカーのロードスターまでサポカーSであるのは物凄いこだわりを感じます。
センサーは可視光カメラ・ミリ波レーダー・近赤外線レーザーを採用。後方には準ミリ波レーダーを採用しています。
特にアダプティブ・LED・ヘッドライトは高性能で、LEDを個別に自動点灯・消灯することで対向車のストレスを軽減します。
しかし、歩行者に対する衝突実験で55km/h以上の結果が少々悪く、速度低減率70%ほどになっています。
また、ディーゼル特有の強い低速トルクにより、ペダル踏み間違い時加速抑制の項目で減点があります。
マツダ CX-8 XD PROACTIVE
115.0点/126点 ASV+++
CX-8は3列シートの大型SUVで、CXシリーズの中でも最上位モデルとして販売されています。
同じCXシリーズで安全装備も同様のサポカーSワイドであるため、評価結果はほとんど変わりありません。
違いがあるのは被害軽減ブレーキの項目で、CX-5よりも車重のあるCX-8はブレーキ性能が若干劣るということでしょう。
マツダ アテンザ セダン XD-L Package
113.3点/126点 ASV+++
こちらもマツダのサポカーSワイド車として他車種とあまり変わりありませんが、被害軽減ブレーキの項目で減点があります。
特に駐車されている車の死角から現れる歩行者に対してのブレーキが間に合いづらいという結果が出ています。
CX-5やCX-8とどういった違いで結果に違いが出ているかわかりませんが、スタイリングの違いでカメラの位置が違うなど、そういった可能性が考えられます。
スズキ ソリオ HYBRID MX
111.1点/126点 ASV+++
ソリオはデュアルカメラを搭載し、車両や歩行者を検知します。
被害軽減ブレーキはかなり高性能で早い段階から弱いブレーキを作動させるのが特徴です。
また、後方に4つの超音波センサーと搭載しており、後方視界情報の評価も満点となっています。
しかし、車線逸脱抑制は警報だけでステアリングの操作や自動ブレーキの機能がないため、減点となっています。
ライトの自動切り替え機能はありますが、防眩機能が非搭載のため、先進ライトの項目でも減点があります。
他の車種に比べて足らない機能などはありますが、被害軽減ブレーキは早い段階で作動するためかなり高性能です。
安全性を意識した車の選び方
同じ車でもこれだけ予防安全性能に違いがあることがわかりました。
搭載するセンサーもメーカーによって異なりますし、自動ブレーキの効き方にも違いがありますね。
今回は10車種しか紹介できませんでしたが、実際に車を選ぶ際にはどのように安全性を判断すれば良いのでしょうか。
試乗の際に被害軽減ブレーキを試してみるわけにはいきませんし、ペダルをわざと踏み間違えようものなら店員さんに怒られてしまいますね。
そんな時に役立つのがこれから紹介する指標です。車を購入する際には以下のマークを確認してみるといいでしょう。
セーフティ・サポートカー
最近、「サポカー」という言葉をよく聞きませんか?サポカーとは「セーフティ・サポートカー」のことで、政府が交通事故防止対策の一環として、予防安全装置がついた車種に愛称をつけたものです。サポカーは搭載する安全装置によって名称が変わります。「サポカーSワイド」が一番安全装置が多く搭載されている車種ですので、安全な車を選ぶ際は「サポカーSワイド」を選ぶといいでしょう。
- 「セーフティ・サポートカー(サポカー)」とは自動ブレーキを搭載した、全ての運転者に推奨する自動車です。
- 「セーフティ・サポートカーS(サポカーS)」とは自動ブレーキに加え、ペダル踏み間違い時加速抑制装置等を搭載した、特に高齢運転者に推奨する自動車です。
- ワイド
- 自動ブレーキ(対歩行者)、ペダル踏み間違い時加速抑制装置、車線逸脱警報、先進ライト
- ベーシック+
- 自動ブレーキ(対車両)、ペダル踏み間違い時加速抑制装置
- ベーシック
- 低速自動ブレーキ(対車両)、ペダル踏み間違い時加速抑制装置
- サポカー・サポカーS(安全運転サポート車)のWEBサイト
先進安全自動車(ASV)
これも最近よく聞きますね。これは今回紹介した予防安全性能評価の指標です。
先進安全自動車(ASV)は教習所で耳がタコになる程言われるドライバーの「認知・判断・操作」をサポートして安全を支援する自動車に対してASVからASV+++までで評価します。
機能としては、衝突被害軽減ブレーキ、ペダル踏み間違い時加速抑制装置(誤発進抑制制御機能)、車間距離制御装置、車線逸脱警報装置、リアビーグルモニタリングシステム、自動切替型前照灯がASVの安全装置です。
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