世界のマイナースーパーカーその2は、なんとメキシコ製、インフェルノ・エキゾチックカー。
スーパーカーからハイパーへ、そしてエキゾチックへ
昔は「スーパーカー」と言えば庶民の手の届かないもの、ものすごい高性能の代わりに価格も凄まじく、何もかもがスーパーだ!というわけでスーパーカーと呼ばれていたものでした。
ただ、最近のクルマ価格の高騰を見ていますと、初代ホンダ NSXがデビュー当時800万円でスーパーカーと言われていたのも拍子抜けなら、考えてみると現行のR35 GT-Rだって1,000万円しなくともスーパーカーで通っています。
ポルシェ911はそれよりもう少し高く、2代目NSXも2,000万円オーバーのプライスがついていますが、もうそのくらいでは「スーパーカーとしては安い部類」となり、スーパーカーの中でヒエラルキーができてしまったのでした。
いわばGT-Rなどは、スーパーカーの中では軽自動車みたいな存在なのです。
0-100km/h加速がいくら速くても、短距離加速ならアルトワークスでも負けない!でも300km/hオーバーで走るのは無理!と同じような話になるんでしょう。
それでは、かつてのような特別な存在は何かと言えば、「ハイパーカー」など別なジャンルになっており、ゾクゾクするような情熱の塊だからと「エキゾチックカー」とも呼ばれるようです。
今回はそんなエキゾチックカーの1台、文字通りの「インフェルノ・エキゾチックカー」。
メキシコ生まれの情熱
中東あたりのメーカーですと、資本はともかくエンジニアリングはどこの何が入っているか知れたものではないですが、このインフェルノに関しては少なくともメキシコ人のエンジニアが主導したとの事。
デザイナーはイタリア人だそうですが、イタリア人の考えるメキシコのイメージとは、このように魑魅魍魎がうごめく炎上国家…というわけではなく、踊り狂うラテン系のノリとか、そんな感じなのでしょう。
元はランボルギーニでアヴェンタドールSVやガヤルド スーパートロフェオなどの、「普通のランボルギーニとは異なる、尖ったモデル」を作っていた、アントニオ・フェラリオーリが主導したデザインと言いますから、ノーマル状態で既に尖ったデザインなのも納得です。
そのボディ素材はFRPにしては艶やかで艶めかしい…と思うのも当然で、亜鉛・エルミニウム・銀の合金を使ったボディワークで、衝撃吸収に優れた「ストレッチ・メタル」というそうです。
カラーの塗り分け…というより、素材の使い分けの都合上、どうしてもウルトラマンなど特撮モノに出てきそうではあります。
え?本当に作るの?
その奇抜なデザインから、本当に生産・販売するのか疑問視する声もあったインフェルノですが、予定の11台は完売し、イタリアでの製造が決まったようです。
パワートレーンはさすがにオリジナルでは無いでしょうが、どのメーカーのエンジン、あるいはそのチューンナップ・モデルか、排気量も不明なV8エンジンで、1,400馬力を発揮。
スペックだけ見ると、アメリカのヘネシー ヴェノムF5が搭載していた7リッターV8ツインターボに似ているような気がします。
これで最高速度は395km/h、0-100km/h加速は3秒以下というスペックですが、お値段の方も約190万ユーロ(約2億1,570万円)と言いますから、エキゾチック気分に浸るにも、随分お金がかかりそうです。
果たしてどのような人が買ったのかも気になりますが、日本の和風な風景はまず似合わないと言いますか、京都あたりにいたら映画の宣伝か、それとも舞台道具か何かと思われそうですね。
いずれ量産モデルが公開されるでしょうから、続報に期待しましょう。