車を買う際にどんな車がいいか迷いますよね。正直どれも良くて、なんとなく値段や燃費、ぱっと見の見た目などで判断しがちです。しかし車のボディタイプは見た目の違いだけでなく、それらにはそれぞれ個性があり、メリット・デメリットがあります。今回はそれぞれのボディタイプの特徴、そしてメリットとデメリットをご紹介するコーナー第3弾、『車の万能選手:ステーションワゴン』です。
荷物も人もいっぱい乗せたい、でも走りもスタイリングも外せないし、全部捨てがたい!という方におすすめなのがステーションワゴンです。
今回はステーションワゴンの特徴と、メリット・デメリット、そしておすすめステーションワゴンまで全てをご紹介します。
ステーションワゴンとは
ステーションワゴンは基本的にセダンの派生形として、セダンのトランク部分を上に引っ張り上げ、実用性を高めた車として生み出されました。そのため、車高の低いスタイリングとルーフボックスを乗せても違和感のないスタイリング、両方を兼ね備えた車です。
よくミニバンとの違いを聞かれることがありますが、ミニバンはもともと商用のバンをファミリー向けにデザインを改良、サイズを抑えたものです。一方で、ステーションワゴンはもともとセダンで販売していた車をベースに、トランクルームを乗車スペースとつなげて実用性を高めたものです。ボディの形状によりセダンほどの高い走行性能はありませんが、空力抵抗が少ないなどの要因で依然ミニバンより高い走行性能を誇っています。
皆さんもよく見かける車種としてはトヨタ カローラフィールダー、スバル レヴォーグ、アウディ アバント系、ボルボ V系などなど、たくさん目にしたことがあると思います。
中にはアウディ RS6アバントなどの超高性能車もラインナップされており、非常に興味深いボディタイプであると言えます。
先ほども述べたように、ステーションワゴンはもともとはセダンをベースに作られたボディタイプで、車の全てもボディタイプのいいところ取りな車です。よって基本的にはメリットの方が多く非常に魅力的であると思います。まずはメリットからご紹介していきます。
ステーションワゴンのメリット
ステーションワゴンのメリットとして挙げられるものは大きく2つあります。
①スタイルと実用性の完璧な融合
ステーションワゴンは車高も低くフェイスも引き締まっており前から見た姿はセダンとほとんど変わらないものが多いです。よって、バンやSUVなど実用性重視なボディタイプに比べると非常にスタイリッシュで落ち着いた印象です。それでいてトランクルームは開口部も広く、積載量も大きいため、荷物の積み下ろしもしやすい上にたくさん入ります。さらにはそういったリアの形状のおかげで車の上にルーフボックスを載せてもすごくしっくりくるようなデザインを持っていて、スタイルと実用性をちょうど良い度合いで両立した車であると言えます。
②セダンと共通するところもあり、走りも捨てていない
ステーションワゴンの低重心さは、セダンのような走りを実現しやすくしてくれます。そのため、先ほども述べたようにアウディの高性能モデル、RSシリーズの中でもいくつかの車がステーションワゴン(アバント)であるのです。それはなぜかというと、やはりミニバンなどより実用性に優れた車とは違い、走行性能に優れているからなのです。よって、実用性の優れるステーションワゴンですが、セダンとも共通するボディで走りも捨てていないと言えます。
以上のことからステーションワゴンは、『セダンの走りも、SUVやミニバンの実用性もいいところどりした車』であると言えます。
ステーションワゴンのデメリット
ステーションワゴンのデメリットとして挙げられるものは大きく2つあります。
①ミニバンやSUVに比べると積載量が劣る
実用性が高いといってもステーションワゴンとしてのボディ容量には限界があり、積載量などの実用性ではSUVやミニバンには劣ります。そして、より多く大きい荷物を入れるためにボディを大きくすると、もはやステーションワゴンではなくなってしまいます。やはり走りも捨てずに実用性を高めたギリギリのところにステーションワゴンがいるので、そこは限界があるということを理解しないといけません。
②走行性能において、やはりセダンやクーペには敵わない
セダンやクーペの持つスタイリングと走行性能もうまく汲み取った形のステーションワゴンですが、その立ち位置から、走行性能を限界まで突き詰めると、やはりあと1歩のところでセダンやクーペに敵わないという現実があります。例えば高性能モデルでも色々なボディタイプに幅広くラインナップするメルセデス・AMGで見てみましょう。0-100km/h加速(停止状態から100km/hに到達するまでに要する時間)で見ると、C63S クーペでは3.9秒なのに対し、C63S ステーションワゴンでは4.0秒。そしてE63S セダンは3.4なのに対しE63S ステーションワゴンでは3.5秒で、セダンやクーペには1歩及ばないことがわかります。すごく微々たる差かもしれませんが、極限まで走行性能を求めると、この0.1秒の差は大きく出てしまうのです。
つまりセステーションワゴンは、優れたスタイリングと実用性をいいとこ取りしようとした結果、『走行性能も、実用性もどっちつかずになりがち』な車が多い、とも言えます。しかし個人的には、ステーションワゴンのデメリットはそれほど悪いことではないと思います。なぜなら走行性能は日本で運転する分には極限まで追求する必要はあまりない上に、実用性の面でも必要にして十分だと思うからです。
おすすめステーションワゴン
そんな車の万能選手ステーションワゴンですが、その中でも特におすすめの車種として2つほど挙げておきます。
①ステーションワゴンの良さを最大限まで追求した、人気の高い車が欲しい方
そんなあなたには、スバル レヴォーグがおすすめです。運転する楽しさを追求するスバルのAWD(4輪駆動)でどんな道でも安心なレヴォーグは、ボディサイズも日本の駐車場事情を考えたサイズでほぼ全ての機械式駐車場にも入ります(全長×全幅×全高=4,690×1,780×1,500)。それでいて、肝心のトランクルームは522Lという大容量を備えながら、2列目シートは4:2:4で3分割に可倒式になっていて、無駄がありません。新車価格でも約280万円〜、中古車価格では100万円代〜とリーズナブルに手に入れることができます。ステーションワゴンの良さを最大限まで追求している車だと思います。
②車両価格も維持費も抑えたい方
そんなあなたにはトヨタ カローラフィールダーがおすすめです。トランクルームは407L、6:4での可倒式と実用性ではスバル レヴォーグには劣るカローラフィールダーですが、新車価格は約160〜、そしてハイブリッドエンジンを選択すれば最大燃費は34.4km/L(JC08モード)と非常に優秀です。中古車価格でも相場は約40万円から買える車でもあり、そこに安心のトヨタ製が加わると非常に魅力的な車です。
ステーションワゴンは、走行性能を高く持ちながらも実用性も大切にし、そしてそれを高い次元で実現した車であり、こちらも非常に興味深いボディタイプです。
そんなステーションワゴンからも、個人間の中古車売買サービス『Ancar』には多数出品されています。ぜひこの機会に探してみてはいかがでしょうか。