車を買う際にどんな車がいいか迷いますよね。正直どれも良くて、なんとなく値段や燃費、ぱっと見の見た目などで判断しがちです。しかし車のボディタイプは見た目の違いだけでなく、それらにはそれぞれ個性があり、メリット・デメリットがあります。今回はそれぞれのボディタイプの特徴、そしてメリットとデメリットをご紹介するコーナー第1弾、『車の王様:セダン』です。
安定して高いボディ剛性と走行性能が欲しい、高級感が欲しい、できれば人を5人乗せたい。そういった方におすすめなのが、セダンです。
今回はセダンの特徴と、メリット・デメリット、そしておすすめセダンまで全てをご紹介します。
セダンとは
セダンは、エンジンルーム、乗車空間、荷室それぞれが独立している3ボックス構造の自動車のことを指します。
車の中で最も歴史が深く、馬車の時代からその3ボックス構造は受け継がれていていて、伝統的なボディタイプです。
国産車で皆さんも良く目にする車種でいうと『トヨタ クラウン』や輸入車でいうと『BMW 3シリーズ』などがあります。要するに1番オーソドックスな車のボディタイプです。
最近はSUVやクーペなどのボディタイプの人気が高まり、年々販売台数も減少しています。しかし未だに街中ではもっともよく見るボディタイプのうちの1つなのではないでしょうか。
先ほども述べたように、セダンは車のボディタイプの中でもっとも歴史が深いこともあり、伝統的なボディタイプです。よって車の基本とも言える点がメリットとして多数挙げられます。
セダンのメリット
セダンのメリットとして挙げられるのは、大きく2つあります。
①高いボディ剛性による、高い走行性能
SUVなどに人気を持って行かれてもなお、自動車メーカーがセダンを作り続ける理由の一番大きなところは、この点です。セダンのバランスの取れたボディ構造は車の基本とも言えるほどなのです。セダンの3ボックス構造はフロントガラス部分のAピラー、そしてバックガラス部分のCピラーそれぞれをバランスの取れた角度でしっかりと設けることができるため、箱型であるSUVやワゴンと違ってボディの歪みが減るのです。車ももちろん鉄(もしくはアルミやカーボン)をボルト等で組み合わせた塊なので、走行中に100%ボディ形状が同じなわけではなく、少なからず歪みが生じます。しかしセダンのボディ構造の場合その歪みが小さくなり、高い走行性能を実現することができるのです。例えばBMWが『駆け抜ける歓び』と謳ってもっともそれを体現しているのが3シリーズセダンだというように、セダンは車の走行性能のど真ん中をいっているというわけです。
②長くエレガントなスタイリングによる高級感
見た目に関しては個人的な意見も入ってしまいますが、セダンのスタイリングは他のボディタイプにはないエレガントさを兼ね備えていると思います。特にセダンでは、高級車では特に『Long』や『LWB(ロングホイールベース)』などといったようにタイヤとタイヤの距離、ホイールベースを拡張して、より安定した走行性能とエレガントさを極めたものがあります。ホイールベースを拡張するというのも、ボディ剛性の観点からセダンにしかできないことであると言えます。
以上のことからセダンは、『見た目がエレガントで高級感があり、優れたボディ剛性で高い走行性能を誇る車』であると言えます。
セダンのデメリット
しかしセダンにはもちろんデメリットもあります。デメリットとして挙げられるのは大きく2つです。
①荷物があまり乗らない
見てお分かりかもしれませんが、セダンは荷物があまり積めません。乗車スペースと分けられていて、ボディの形状のせいでトランクルームが狭い仕組みです。最近では特に日本市場での安全要件の増加により、センサーやエアバッグをより多く取り付けつつボディサイズを抑えるため、トランクルームに逃げる傾向にあります。ですので高級輸入車のフラッグシップ(最上級)セダンでもゴルフバッグが1つも入らないなどという車種もあります。
②後席が狭い
これはデメリット①とも共通することですが、ボディの形状の特性から、屋根が低めです。そのため後席の乗り心地は基本的にあまり良いものではありません。メリットでも述べた、ホイールベースを拡張するような技術を持った高級セダンならば話は別です(その場合のデメリットは『長くて日本では取り回しが難しい』になります)が、基本的に一応3人乗れる後席、特に真ん中に座ると非常に居心地が悪いです。その分、SUVやワゴン車なら物理的に広いので、快適と言えるかと思います。
つまりセダンは、高いデザイン性と走行性能を求めた結果、『居住スペースを犠牲にし、実用性には優れていない』ものが多い、とも言えます。
おすすめセダン
そんな実用性には欠けるが高い走行性能とデザイン性を備えるセダンですが、おすすめ車種にはこのようなものがあります。
①あまり人は乗せないし、自分で楽しい運転を優先したい方
そんなあなたには、BMW 3シリーズがおすすめです。伝統的なFR(フロントエンジンリヤドライブ)駆動のスポーツセダンで、多少の居住性の狭さはありますが、運転していて車との一体感を感じられる非常に楽しいクルマです。先進の運転支援技術も備えています。新型試乗記もございますので是非ご参考までに。さらには新型になって今まで苦手分野とされてきた後席の狭さ、インテリアの質感、大きく改善されているので是非一度実物を見てみることをおすすめいたします。
②人も乗せるため、実用性も重視したい方
そんなあなたには、トヨタのカムリがおすすめです。FF(フロントエンジンフロントドライブ)駆動による高い居住性の確保で、後席の広さと快適さ、そしてトランクルームの容量は9.5インチゴルフバッグが4本詰める524Lを確保しました。私も運転しましたが、楽しさは少ないですが実用性の面も考えると使い勝手は非常に良いのかなと思いました。
ちなみに日産 ティアナ=506L、スバル レガシーB4=525L、ホンダ インサイト=519Lです(同サイズ比較)。
セダンはどちらかというと伝統的なスタイルと走りを大切にしている車です。そして最近は走りを少し犠牲にして実用性も高いモデルも登場してきていて、面白いセグメントだと思います。
そんなセダンからも、個人間の中古車売買サービス『Ancar』には多数出品されています。ぜひこの機会に探してみてはいかがでしょうか。