BMW iDrive オペレーティングシステム7.0(OS7)は何ができるのか?

2018年10月に、「BMW iDrive オペレーティングシステム7.0 (OS7)」が、モンディアル・パリ・モータショーで初めて公開されました。このOS7は、次期BMW3シリーズ(G20)を始め、X5、Z4、i8でも採用される予定であり、その機能の斬新さから現在世界中で注目を集めています。

今回は、これら新型BMWモデルが採用する予定のOS7で、以前と比べてどのような機能があり、その結果どれだけ便利になるのかをどこよりも詳しくお伝え致します。

アナログメーターを排除した、未来的なデジタルデザイン

OS7では、これまで主流であったアナログメーターを大胆にも排除し、シームレスなデジタルディスプレイを採用しており、この点がまず初めに目につく変化ではないかと思います。
このデジタルディスプレイは運転席の正面と、助手席との中間位置の合計2箇所に搭載されています。

また、ディスプレイのアニメーションには、2Dと2Dを織り交ぜたグラフィックが用いられており、以前と比べてよりドライバーが直感的な操作を行えるよう工夫されています。

デジタルディスプレイへ切り替わったことにより、アナログと比べ表現の幅が格段に広くなりました。そのため、デジタルディスプレイでは、以前は実現不可能であった様々な機能を搭載できるようになりました。これから、BMW OS7で可能となった機能をいくつか紹介しようと思います。

より見やすくなったマップ機能

上の画像を見て頂ければ、運転席側のディスプレイにマップが表示されているのを確認していただけるかと思います。OS7ではメーターがデジタル化されたことで、以前スピードメーターがあった位置にマップを表示させることができるようになりました。これにより、コントロールディスプレイ(運転席と助手席の中間地点にあるディスプレイ)にマップが表示される以前の形よりも、運転席正面のディスプレイに表示されるOS7の方が、格段に視認性が向上しています。また、コントロールディスプレイに縮小されたマップを表示させることで、コントロールディスプレイで大体の道筋を確認し、運転席ディスプレイの拡大されたマップでより細かい道筋などを見るといった使い分けも可能です。

また、状況に応じて、適切な情報を表示してくれる機能も利用できるようになりました。例えば、目的地近くまで来た時に、近くのパーキングエリアを探し出し、そこまでの経路を自動で案内する、といったことをしてくれます。

選択されたドライブモードに合わせたディスプレイ表示

BMW OS7では、3つのドライブモード(スポーツモード、コンフォートモード、ECO Proモード)それぞれに合わせて、自動でディスプレイの表示が変わります。

快適モード、スポーツモードの場合は、運転席ディスプレイ左側にスピードメーター、右側にエンジンスピードが表示され、ECO Proモードでは、左側にスピードメーター、右側に燃料メーターと平均速度が表示されます。このほかのコンテンツも、任意で追加することが可能です。例えば、車にかかるGを表示する、Gメーターといったものも追加できます。

また、選択しているドライブモードとシンクロして、各種ディスプレイ、車内の各種照明の色が変化するクールな機能も搭載されています。例えば、ECO Proモードからスポーツモードに切り替えると、車内のアクセントカラーが青色から赤色に変わります。

格段に向上した操作性

BMW公式ページで、OS7のコンセプトは、「今まで以上にドライバーのことを考えること」であるとの記述がありました。OS7では、このコンセプトに違わないドライバーがより快適に操作できるような機能が実装されています。

操作性の向上に大きく貢献したのが、操作手段の豊富さです。OS7では、操作手段として、ディスプレイタッチによる操作、ジェスチャーによる操作、声による操作の3つの操作法があります。

ディスプレイタッチによる操作

運転席と助手席の中間にあるコントロールディスプレイは、タッチ操作が可能です。コントロールディスプレイは、縦と横にバーがあり、より少ないタッチ数で目的の動作を呼び出すことができます。また、よく使われる機能は、ツールバーに集められ、より簡単に選択できるようになっております。今どこのページにいるか分からなくなっても、ディスプレイ上部にメインメニュー、前回の目的地、お知らせなどにすぐ飛べるボタンがいつでも表示されているため、戻るボタンを連打するといった煩雑な作業をしなくても大丈夫です。

ジェスチャーによる操作

OS7では、7種類のジェスチャーによる操作が可能です。

ジェスチャーによる操作は、今回初めて導入される訳ではなく、実はBMW 7 シリーズから利用することができました。ここで軽く、7シリーズで利用できる5つのジェスチャーを紹介したいと思います。

  • コントロールディスプレイの前で指をくるくると回転させることで、スピーカーの音量調整が可能
  • 電話がかかってきたときに、コントロールディスプレイに指を立てて近づけることで、通話が可能
  • 電話がかかってきたときに、手を左から右へ動かすことで、受信を拒否できる
  • 親指と人差し指を使って円を作ることで、マルチカメラビューの角度を切り替えることができる
  • 二本の指を画面上に近づけると、ドライバーが指定した機能を呼び出すことが可能

筆者はこれらの中で、最後の「ドライバーが指定した機能を呼び出すジェスチャー」はかなり便利ではないかと思いました。よく使われる機能なのに、ディスプレイを数回タッチしないと呼び出せない機能があると思います。そのような機能を、このジェスチャーを使うことで一瞬で呼び出すことができるのは非常に便利です。OS7では、これら5つに加え、新たに2つのジェスチャーが追加されます。このジェスチャーの追加で新たに、どのようなことができるようになるのか、非常に楽しみです。

このように非常に便利なジェスチャー操作ですが、以前まではドライバーのジェスチャーにうまく反応できず、思っている機能を呼びおこせないことが多かったそうです。しかし、今回はカメラの感度も良くなっていることが予想されるので、性能向上にも期待できます。

声による操作

OS7では、高度な自然言語処理機能を搭載しているため、より自然な形で、まるで人と会話をしているような感覚で操作することができるようになりました。例えば、「大阪の天気は?」と聞いた後に、「東京は?」と尋ねるだけで、文脈を正しく捉え、東京の天気を教えてくれます。その他、「疲れたよ」と話しかけるだけで、車が自動で音楽、空調、照明などを調整し、ドライバーの目が醒めるように車内の環境を整えてくれたりもします。

以前までは相手が機械であることを意識して、機械にも伝わるよう工夫して会話をしなければいけませんでしたが、自然言語処理機能の向上により、そのようなストレスを抱えることなく会話を楽しむことができるようになりました。

ドライバーと共に進化し続けるソフトウェア

今回のOS7で新たに追加された機能の中で、筆者が最も感動したものが、「車がドライバーと共に進化し続けられる」という点です。この「進化」には、2つの意味があります。1つ目が「車を運転すればするほど、車がドライバーのことを理解し、より快適に運転できるようになる」という点。もう1つが、「これからソフトウェアのアップデートがあった際、簡単にその新しい機能をダウンロードすることができる」という点です。

もっと運転したくなる!ドライバーの癖を車が学習

運転すればするほど、車がドライバーのよく行う挙動を理解し、自分にとって最適な車へと進化してくれます。

例えば、ドライバーがよく設定する室内温度を覚え、常にその室温を保とうとしてくれたり、よく行く目的地などを学習し、そこまでのルート案内を行ってくれたりします。また、OS7では常にドライバーの指示を待つのではなく、いつでもドライバーの役に立てるように寄り添い、カジュアルな会話までをも楽しむことができます。

もっと車が好きになる!車が友達のように親しい関係へ

BMWが実現しようとしていることの一つに、「ドライバーと車の距離感を縮める」というものがあります。この目標をOS7では見事体現できているように感じます。

ドライバーと車との距離を縮めるためにBMWがまず考えたのが、「車も人と同じように名前をつけられるようにする」ということです。正確にいうと車に名前をつけるのではなく、車に搭載されている、Intelligent Personal Assistant(AIアシスタント)にドライバーが任意の名前をつけることができます。例えば、AIアシスタントの名前を「トミー」に設定したとすると、「トミー!」と呼びかけることでAIアシスタントを呼び出すことができます。これだけで、車との距離感はぐっと縮まるような気がします。その他にドライバーを楽しませる機能として、例えば現在ラジオで流れている曲を知りたいと思った時、「トミー、今かかっている曲を教えて」と聞くだけで、AIアシスタントが曲名を音声解析機能から割り出し、さらにその音楽を取得することができるプラットフォーム(Apple Musicなど)を教えてくれます。

また、ドライバーとの距離を縮めるためのもう1つの方法として、車がアンロックされた時に、愛車と全く同一のモデルの3Dグラフィックが画面に表示されると共に、ドライバーの名前を呼んで挨拶してくれるという機能があります。また挨拶時に、BMW コネクテッド・ドライブ(スマホアプリ)からタスクリマインダー、カレンダー、目的地を画面に表示させることも可能です。

さらに、AIアシスタントはMicrosoft Office 365やSkypeを利用することができ、車の中でテレカンファレンスへの参加や、メールの読み上げなどを行うことができます。AIアシスタントが、親しい友達になるだけでなく、頼れるビジネスパートナーになること間違い無しですね。

ソフトウェアがリモートでアップデート可能

テクノロジーは日々進歩しており、今日の常識が明日の常識であると保証することは誰もできない時代になりました。特に、AI技術の進歩の速さには目を見張るものがあります。ハイスピードなテクノロジーの進歩に対応できるよう、BMW OS7は新しいソフトウェアが開発されるたびにそれらをインストールして、ソフトウェアを常に最新のものに保つことができます。

ソフトウェアをアップデートするには、まずBMWコネクテッド・ドライブからアップデートをダウンロードします。そのあと、車が駐車されている状況でスマートフォンと車が接続されると、インストール承認画面が表示されます。ドライバーがインストールを承認すると、インストールが開始され、だいたい20分ほどで完了します。セキュリティー関連の重要なアップデートは、自動で行われますが、その時もドライバーによる承認が必要になります。

このように、まるでスマートフォンをアップデートするように、簡単に車のソフトウェアのアップデートが行えます。

まとめ

BMW OS7のUXデザインの責任者である、ディストラー氏は、「私たちは、2004年からこの実現に向けて取り組んできた」と述べています。約14年間の試行錯誤の上に完成されたOS7は、まさに車業界の歴史を変える未来予想図になるのではないかと思います。

OS7をフルに搭載した新BMW X5、Z4、8シリーズは、2019年の3月より日本で販売開始される予定です。

今まで以上にドライバーを想い、そして今まで以上に車と親しくなれるBMW OS7に、今後も目が離せません。


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