近い将来渋滞はなくなる。量子コンピューターが描く車の未来

日々進化してゆく科学の最先端分野として量子力学という学問があります。量子力学という学問は1920年頃に確立されたとても新しい学問で現在集中的に研究が進められています。この量子力学という学問は原子や分子などとても小さな世界を研究する学問です。その量子力学が成果を示したものとして量子コンピューターというものがあるのですが、みなさん知っていますでしょうか。多くの新聞やニュースなどでちらほら見かけたことがあったり、名前くらいは知ってるという人は多いかもしれません。この量子コンピューターが今、車の未来を大きく変えようとしています。量子コンピューターが本格的に社会に導入されることによって今まで帰省ラッシュやUターンラッシュなど様々な場面で人々を悩ませていた渋滞がなくなるというのです。そこで、今回はそんな最先端を行く技術、量子コンピューターが導入されることによって起こる車社会の変化についてお話していきたいと思います。

いま最も勢いのある分野量子コンピューター

量子コンピューターが車の未来に与える影響について語る前にそもそも量子学とはなんなのか、量子コンピューターの何がどうすごいかをここで紹介していきます。

量子力学って?

中学や高校で物理の授業を習っていたという人は多いと思います。物体をビルの上から投げたらどこに着地するのかを計算したり物体の持っているエネルギー量を求めたり。量子力学が生まれる前はこれらの運動の法則は地球上ならどこでも成り立つと考えられていました。しかし、これらいわゆる古典物理学が成り立たない場所が出てきたのです。それが分子や原子などのミクロの世界。このようなとても小さな世界では学校で習ったような物理法則がほとんど成り立ちません。そこで、どう言った法則なら成り立つのかを研究しているのが量子力学といえます。

そんな量子力学の大きな特徴として確立解釈という理論が挙げられます。物質は我々が観測していない間は事象が重なり合った状態で存在しているという理論のことです。これは一体どういうことか、わかりやすいように身近にあるもので例えると外からは見えない二つの箱のどちらか一方にビー玉を入れたとします。自分はまだどちらにビー玉が入っているのか知りません。すると普通に考えればこの時点ですでにどちらか一方にはビー玉が確実に入っているはずです。しかし、量子力学的に考えると自分が箱を開け中を観測するまでどちらの箱の中もビー玉がある状態とない状態が重なりあって存在していると考えられるのです。そして箱を開け中を観測するとその瞬間どちらか一方にビー玉があることが確定します。何だか突拍子もない理論ですが実際にこれはミクロの世界では認められています。「シュレディンガーの猫」もこれと同じ理論ですね。

量子コンピューターと普通のコンピューターの違い

今お話した突拍子もない理論を使っているのが量子コンピューターです。普通のコンピューターでは基本的に0と1という二進数を使うことによって全ての司令をこなしています。何かメッセージを送るにも全て二進数に直して信号を送るのです。そこでこの量子コンピューターを使うと二進数の0と1をどちらか一方を表すのではなく0と1を二つとも重なりあった状態で信号を送ることができるので、今までのコンピューターに比べはるかに多くの情報量を一気に処理することができようになります。その速度の差はある特定の問題に対し現代のコンピューターが一週間かかる計算を一分ほどにすることができると言われています。

量子コンピューターは車社会にどう生かされる?

そんな量子コンピューターですが、もし実際に世に出回ったとして現代の車社会にどう影響を与えるのでしょうか。また、その処理能力はどのように生かされるでしょう。

渋滞が起こらないように一つ一つの車を管理

今までよりも莫大な量の情報を扱えるようになった量子コンピューターに期待されることは渋滞の解消です。今現在東南アジアの多くの国では、増える車とバイクの台数に対するインフラの整備が追いつかず毎日のようにとんでもない大渋滞が起こっています。東南アジアと聞いてみなさんはどんな風景を思い浮かべますか?たくさんの車とバイクが道路でひしめきあっている光景を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。従来のコンピューターでは空いている道に車を誘導することが精一杯で、結果的に空いていた道も後々渋滞が起こってしまう事態を招いていました。しかし、そこが量子コンピューターに取って代わると空いている道に誘導した後の影響も考えて誘導することができるため根本的な渋滞の解消につながります。

自動運転の技術を大きく発展させるひとつに

渋滞と同様に膨大な量を制御しなければならないのが自動運転。完全な自動運転を達成させるために欠かせないのが自動運転で使うマップです。少しでもこのマップにズレがあるとすぐに事故につながってしまうため、完全な自動運転にはものすごく詳細な3Dマップが必要になります。そんな膨大な量のマップを処理するのに生かされるのが量子コンピューターです。量子コンピューターが正式に世に出れば自動運転の技術は飛躍的に進歩するでしょう。

実際に開発されている現状

実際に現在量子コンピューターによる渋滞軽減のプログラムが具体的にどこまで開発されているのかをここでは見ていきたいと思います。

VWが北京での運用実験を開始

https://www.dwavesys.com/sites/default/files/styles/large/public/field/image/VWgraph_0.png?itok=LrDJuo-O

量子コンピューターの運用において自動車業界をリードしているのがドイツの自動車メーカーVWです。VWはすでに交通渋滞が激しい北京において量子コンピューターと既存の計算機を使って各車の最適なルートを割り出す実験をし、実際に渋滞が軽減されたという趣旨の論文も発表しています。その論文によると、北京の交通状態を上の画像の左の図から右のように改善することができたとのことです。更にVWは量子コンピューターを自動運転に適用するための走行実験なども行なってる上、量子コンピューターの分野においてグーグルと提携をして電気自動車の新たなバッテリーの開発にも導入しているなど自動車メーカーの中では量子コンピューターという分野において頭一つ抜きんでた存在といえます。

完全に実用化されるのはいつ頃に?

車社会を大きく変える可能性がある量子コンピューターですがその完全な実現はいつ頃になるのでしょうか。

早くて2030年、遅くて2050年以降…?

量子コンピューターが実際に商用利用できるようなレベルになるにはまだまだ時間がかかります。今現在の量子コンピューターではエラーの数がとてつもなく多く、決して現実的に利用できるようなレベルにはありません。また、極低温でないと動作しないため外部環境も少し乱れるとエラーが起こってしまいます。よって、今の開発のペースで行くと量子コンピューターが完全に実現されるのは早くても2030年以降、遅くて2050年頃までかかるとの予想です。そしてそれが車社会に適用するとなるとそこから更に5.6年はかかるでしょう。まだまだ今の私たちのとっては未来の技術なわけですが確実にその技術は日々進歩しています。いつの日か渋滞のない社会が実現される日が待ち遠しいです。

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