【暖房は燃費に影響する?】肌寒くなってきた今知っておきたい賢い車の暖房の使い方

10月の中旬に入り、夏場の例外的な猛暑とは打って変わって、秋の肌寒さを感じるようになって来ました。
天気予報では、東京でも10月末には最低気温が10度を下回ると予想されています。
ですので、車の暖房のつけ始めが、今月になることも十分にあり得ますよね。
そこで気になるのが、暖房をガンガンに効かせると、車の燃費は悪くなるのか、ということです。
今回は暖房が燃費にどれほど影響を与えるか述べた後、車の暖房の効きが悪い時の対処法などをご紹介したいと思います。

暖房を点けると燃費にどれほど影響する?

結論から申し上げると、車の種類、具体的にはエンジンを搭載している車と電気自動車との間で大きく燃費に与える影響は異なります。

暖房が燃費に与える影響を考える前に、一度車の暖房の仕組みについて見てみましょう。

車の暖房の仕組み

車の暖房は、エンジンから発生した熱を利用しています。
エンジンは簡単に言えば小爆発の連続で動いているので、もちろん大きな熱エネルギーが発生します。
実は、その熱を何もしないで放っておくと、真冬でも熱中症に倒れるほどの室温になります。
走行風とエンジン内部を循環する冷却水で、エンジンのオーバーヒートを防いでいます。
このエンジン内を循環している冷却水に送風機で風を当てることで、車内に暖房の温風を送り込んでいます。

ここから分かるように、車の暖房は送風機を回すモーターに送られる電力を除いて、ほぼエンジン運動時に発生する熱エネルギーのみを用いて温風を送り出しているので、暖房の仕様で燃費に与える影響はほぼゼロであると言えます。

しかし、ここで注意しなければいけないのは、先ほど述べたことはエンジンを搭載している車に当てはまることであって、電気自動車ではまた話が違って来ます。

電気自動車の場合

電気自動車は、大変大きな熱エネルギーを得るエンジンとは違い、モーターで走っているためエンジンほど大きな熱は発生しません。
そのため、電気自動車では温風を送り出すために、別途、熱エネルギーを発生させなければいけません
この熱を作り出す過程で、化石燃料を用いる燃料式ヒーターが使われている場合は燃費にそれほど悪影響はありません。
しかし、電気を使用して熱を発生させるPTCヒーター、ヒートポンプエアコンを使用した場合、燃費は著しく悪化します
ある記事によると、冬場の暖房使用で消費電力が150%になるとまで言われています。

車の暖房を賢く使おう

先述した通り、エンジンで駆動する車では暖房を点けようが点けまいが燃費に与える影響はごく僅かですが、電気自動車の場合は暖房の使用により航続距離が大きく変わります。
また、電気自動車でも熱を発生させるのに化石燃料を用いるか、電気を用いるかによって燃費に与える影響は異なりました。

ここでは、航続距離に大きく影響を与える電気自動車での暖房使用時に、上手に節電する方法を紹介したいと思います。

シートヒーターやステアリングヒーターを使う

シートヒーターやステアリングヒーターは、暖房と比べて電気の使用効率が良いため、より少ない電力で暖をとることが出来ます。
また、体の末端部分である手は熱が逃げやすくなっていますが、ステアリングヒーターでここを温めることで体全体の冷えを抑えることが出来ます。
そのほかにも、暖房と比べ、シートヒーターやステアリングヒーターは暖かくなるのが早いといった利点があります。

足元送風にする

皆さんは、体を効率よく温めるには、どこを温めるべきだと思いますか?
実は、寒さは足元からくると言われています。

上半身下半身にしっかりと防寒着を身にまとっているが裸足の人と、パンツしか履いていないが、足元をしっかりと温めていた人を極寒の地に置いた場合、最初に根を上げるのは防寒着を身にまとった前者であるという話を昔聞いたことがあります。
それほど、足元を温めることは寒さ対策をする上で大切なのです。

ですので、普段足元にまで暖房が行き届かないように設定している人は、足元送風が行われように設定することをお勧めします。
普段より1、2度低い温度設定でしっかりと暖が取れるかもしれません。

充電完了のタイミングを出発時と合わせる

気温が下がってくると、バッテリーが冷え切り、電力消費効率が悪くなってしまいます。
バッテリーは使用されずに放置された状態である車の出発時に最も冷たくなります。

このバッテリーの冷えによる電力消費効率悪化を防ぐために、充電完了と出かけるタイミングを合わせると良いでしょう。
充電完了時にバッテリーは最も温まっている状態なので、出発時に充電がちょうど終了するようにすることで、出発時のバッテリー冷え込みによる電力浪費を防止できます。

出発時には暖房を内気循環に切り替える

暖房には外気から熱を取ってくる外気循環と、車内から熱を取る内気循環があります。
当然、車内の温度より、車外の温度の方が低いので、内気循環を使用した暖房の方が暖かくなるまでの時間が短く、その分電力消費も少なくなります。

内気循環で1つ注意しなければいけないことが、内気循環を使い続けると車内の空気外に出て行かず、空気の入れ替えが行われません。
そのため、一度内気循環で車内が暖かくなれば、そこからは外気循環に切り替えると良いと思います。
しかし、トンネルなど空気が綺麗でない場所で外気循環を用いると、排気ガスなどが車内に入ってきてしまうので、状況に応じて内気と外気を切り替えることが必要であると思います。

車の暖房が効きにくいときは

 

先程は、主に電気自動車の所有者向けに、暖房の節電方法を紹介してきました。

ここでは、エンジン搭載車、電気自動車それぞれで、暖房が効きにくいときに予想される原因を紹介したいと思います。

エンジン搭載車の暖房が効きにくい場合

エンジン搭載車で暖房が効きにくい原因として、一番よく挙げられるのがサーモスタットの故障です。
サーモスタットとは、エンジンの温度を一定に保つための装置です。
これが故障すると、エンジン内に常に冷却水が循環するようになり、エンジンの温度が必要以上に低くなってしまいます。

先述の通り、エンジンで走る車は、エンジンの熱を利用して温風を送り出しているので、エンジンが必要以上に冷たくなってしまうと、暖房も効きづらくなります。

電気自動車の暖房が効きにくい場合

電気自動車の場合に考えられる原因は、温度センサーの故障です。
温度センサーが正常に動いていなければ、車内の温度を正確に計測できず、暖房がうまく働かなくなります。

また、PTCヒーターとヒートポンプエアコンでは、後者の方が車内が暖かくなるまで時間がかかります。
ですので、お使いのヒーターによっては、故障ではなくとも暖房が効き始めるまでに時間がかかることがあります。

故障かな?と感じたら

車の暖房が効きにくい原因は、この他にも色々あり、ご自身で原因を見つけるのが困難な場合が多いです。

そのような場合は、一度最寄りの整備工場で車を見てもらいましょう。

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