日本でも浸透できるか?絶版車パーツサプライヤー「555GOLD」

かつての名車も部品不足には勝てない

日本の自動車メーカーが、生産・販売したクルマの補修用部品をストックしておく目安はおおむね生産終了から15年ほどです。
PL法(製造物責任法)で決められたメーカーの責任期間は10年とされていますが、実際には15年程度までは部品が出る機会が多いように思われます。
中には生産終了と同時に欠品が出始めたり、特別仕様車や限定車など特別なモデルの場合は、ベースモデルが生産続行しているにも関わらず、部品メーカーの倒産など諸々の理由で部品供給が停止する事は珍しくありません。
それが走行に支障が無い範囲の部品であれば良いのですが、そうした部品が欠品すれば、どんな名車でも維持は困難になります。
最近は「そのクルマのための特別な部品」を使う事が少なくなっており、他車流用が効く事も多く、メーカーによってはよく見るとボディ形状の違いだけで実質2~3車種を何倍にも増やして作っているようなケースがあり、その場合は生産終了後も長く部品供給を受けられるメリットも。
しかし、昔の名車ほどそうしたケースが少なく、部品取り車を入手して「共食い整備」を行わざるを得ず、余計に残存台数を減らす原因にもなっています。
その中でもよほどの名車となると、まだ部品があるうちにメーカーから買い占めてしまった結果、アフターマーケットで価格が高騰したという問題もあったのです。

部分的ながら、旧車用部品を供給する「555ゴールド」

しかし、海外では生産終了したクルマでも需要があればメーカーが長らく部品を供給するケースは多く、自動車メーカーがやらなければ部品メーカーが、といった形で供給するケースもあります。
これまで日本国内ではそうした例が無かったので、過去の名車が発掘されたとしても修復は非常に困難、あるいは多額の費用がかかっていましたが、ようやく2015年、「555ゴールドGOLD」というサービスが誕生しました。
これは自動車用部品卸大手のSPKと、ステアリングやサスペンションのパーツ製造を手がける三恵工業が共同で設立したもので、1970~80年代の国産車を中心に、ステアリング関係や足回り関係のパーツを供給するものです。
外装部品やゴム製品など、経年劣化が激しく保管も難しい部品が無いのは残念ですが、部分的にでもこのような明確に「旧車向け」のサービスが始まった事は歓迎すべきでしょう。
元々、マフラーなどはメーカー在庫が無くなっても同等品を生産するメーカーが存在したため、供給に困る例は少なかったのですが、足回りやステアリング関係も事故修理では大いに役立ちますから、今後の取り扱い部品の拡充に期待したいところです。

十分とは言い難いものの、今後に期待したい車種展開

現在取り扱っている車種で一番多いのはやはりトヨタで、1970年以降1992年までのカローラやセリカ、マークII、ソアラといった車種が並んでおり、クラウンやランドクルーザー、ハイエースは1960年代後半からラインナップ。
初代MR2(AW11)やAE86といった名車のタイロッドエンドやラックエンドなどが購入できるのは、走り系ユーザーにはありがたいでしょう。
他には日産ならブルーバードやセドリック / グロリア、スカイライン、サニーといった定番車種。
三菱はランサーだけですが、ランエボ登場以前の初代やランタボのパーツがあります。
マツダは兄弟車となって以降のコスモ / ルーチェや、サバンナ、サバンナRX-7がラインナップ。
ホンダは初代からグランドシビックまでのシビックや80年代までのアコード、2代目までのCR-X。
気になるのは、2015年3月のサービス開始以来、同年11月まで3回にわたって車種メーカーが追加されたものの、その後大きな動きが無い事。
あまりにもニッチ過ぎ、かつサービス開始のタイミングが遅すぎて、現存車種がリサイクル法などで大幅に減ってしまった等の原因で、結局事業として成り立たずに尻すぼみにならないかが心配されます。


こうしたサービスは過去の名車の寿命を延ばす一方で、新車需要に影響を与えるからと自動車メーカーは嫌いがちという印象があります。
しかし、日産はGT-Rを、ホンダはNSXを、そしてマツダもロードスターをメーカー自らレストアする計画を持つなど、リフレッシュメニューを作る動きが出ているのも事実。
過去にも目を向けて、博物館だけではなく公道を走るかつての名車の姿を見られれば、日本の自動車メーカーが海外に追いつくべしと情熱を傾けていた当時の文化を知るキッカケにもなりますから、メーカーも積極的にこうしたサービスに協力してもらえればと願うばかりです。

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コメント:
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