走行中に飛び石がフロントガラスにぶつかる事によって傷がついてしまったり、ひび割れてしまった時、もちろん小さな傷の場合はそのままでも問題がない事もありますが、深い傷や大きなひび割れの場合。また、ガラスの端の方にできた傷(サッシに近い傷)などの場合、走行中の振動や雨・風・温度変化などで傷が広がりヒビが入ったり、割れてしまったりしてまいます。
そのことが原因の視界不良で事故の原因にも繋がります。そして傷が付いたままのフロントガラスでは、車検時に検査員さんの判断により目立つような傷の場合は大抵、不合格となります。道路運送車両保安基準をもとにフロントガラスの視野をキチンと確保できることが重要になります。もし、傷やひび割れがある場合はしっかりと修理、交換を行い安全に運転できる状態を確保しましょう。
今回はそのようなフロントガラスに傷やひびが入ってしまった際の、修理や交換について詳しくお話ししていきます。
フロントガラスの傷が『修理』で直る場合と『交換』が必要な場合の違い
ヒビや傷の大きさ、深さによっては修理で直す事も可能です。傷の大きさの目安は500円玉サイズくらいなら専用の液剤を傷の中に入れて直ると言われていますが、それ以上傷が大きい場合は全面交換になります、その場合はガラス屋さんでお見積もりを取ると安心です。
もし全面交換となった場合はとても高価な物なので純正以外に、中古品や社外品の選択もあります。ランクを落としても、JIS規格適合品であれば問題はないと思います。
また、車両保険に加入している場合は飛び石によが保険の中で、対応してくれる場合もあります、ただ保険を使うと次年度の等級が変わり保険料に影響してくるので保険屋さんに相談する事をお勧めします。
実際の作業について
実際の作業の様子です。今回ご入庫のお車はトヨタ オーパです。飛び石の衝撃が強かったためか、大きなひびが入ってしまっていました。その為、ガラスごと交換となりました。
フロントガラスは専用のモールで隙間を失くし支え、接着剤でくっ付けられています。まずはこれらを剥がしてフロントガラスを外すのですが、この剥離の作業が大変です。モールは引っ張り出して外れますが、残ったモールや接着剤をボディから剥がすのに専用の工具で力を入れて切り離していきます。あまり力任せに行うとフロントガラスが割れてしまう事もあるので慎重に作業していきます。この残った接着剤をなるべくきれいに取り除くという作業を疎かにすると、ガラスを設置する時に隙間やズレが生じるので、ここの作業もなかなか大変です。
接着剤を綺麗に取り除いた後、新しいフロントガラスに、専用の接着剤をたっぷり塗っていよいよ設置していきます。
この接着剤を塗る作業はとても手際よく完璧な直線で塗っていかなければいけないので、職人のみがなし得る技です。例えるなら、大きなケーキのクリームを綺麗に絞り出すような感じです。
フロントガラスの全周に塗り、その後サッシにモールを貼り付けてガラスを設置します。設置した後は乾かないうちに少しでも早く、浮きやズレを調整します。そして、モールをしっかりと押し込ませて設置完了です。ピカピカのガラスは視界がとても良くまぶしいくらいですね。
最初に剥がした車検ステッカーやアンテナを張りなおして、ガラスを磨いたら作業終了です。
交換時の作業時間は、だいたい1時間半くらいになります。なかなか見る事の出来ない作業なのでとても面白いと思います。取り付けてくれるお店によっては見学させてくれるところもあるので、ガラスを外した部分をお掃除させてもらったりするそうです。もし機会があれば作業の様子を見せてもらうのもいいかもしれません。
まとめ
今回は飛び石による傷やひび割れの修理についてお話ししてきました。私自身も飛び石を受けた経験がありますが、高速道路走行中などに突然くる飛び石、怖いですよね。避ける事はもちろんできません。
もし運が悪く飛び石の被害にあってしまったら、小さい傷だからといって大丈夫だと思ってそのままにしてはいけません。そのまま走っていると、傷やひびが広がって危険になる可能性もあります。
すみやかに修理工場・専門業者・ディーラーや保険会社に相談する事をお勧めします。