あのプリウスの燃費を越えたアメ車とは?
トヨタ「プリウス」の燃費が良いのは周知の通りですが、ここへ来てアメリカで条件付きながらプリウスの燃費を凌駕する乗用車が登場しました。 もちろん電気自動車(EV)も高効率性に関しては言うことなしですが、ここでの主役はなんとディーゼル車です。 シボレーがプリウスに対して投げた変化球とも受け取れるニュースですが、小型車「クルーズ」のディーゼル仕様の高速燃費が米国の環境保護局によって、正式に52MPG(約22.12km/L)であると審査されました。 ただしこれはオートマティック車ではなく、6速マニュアル車での値です。 このように、市街地燃費でもなくAT車燃費でもないということはありますが、たしかにプリウスの高速燃費(審査値)は打ち負かされたことになります。 ディーゼル車、それもアメリカ発のクルマだというのですから、たしかに驚きに値するものです。
各モードでの燃費はどのくらい?
クルーズの高速燃費が最良で50MPG(約21.27km/L)を越すであろうことは、昨年から予測されていました。 実は過去にも、ホンダが北米で販売していた「CRX」のHFという仕様(訳注:1980年代後半発売の、FFの小型スポーツカー)が50MPGの壁を突破した記録を打ち立てていましたが、それ以来の、非ハイブリッド車による50MPG超えとなります。 市街地をミックスした複合モード燃費では、クルーズ・ディーゼルも37mpg(約15.74km/L)にダウンし、市街地モードで計測すると30mpg(約12.76km/L)という値になります。 ちなみに、トランスミッションにMTではなく、6速ATを選んだ場合は、高速燃費が47mpg(約19.99km/L)・市街地は31mpg(13.19km/L)・複合モードでMT車と同じ37mpg(15.74km/L)となります。 シボレーのマーケティング担当スティーヴン・マジョロス氏は「我が社は動力源に関しても、ユーザーに幅広い選択肢を提供しているのです」と自信のほどを示しています。
長距離を走るユーザーに最適な「シボレー・クルーズ」
「燃費とドライビング性、燃料の種類などといった要件について、自ら最適な組み合わせと思うものを選びたいというお客様も存在するわけです。 公称(高速)燃費が52mpgのディーゼル版クルーズ・セダンであれば、そういった要求をすべて満たすことができます。」 一方のプリウスは複合モードが52mpgであり、まだこのクルーズより余裕の勝ち目があります。 それでも、市内だけのためならもっと高効率なEVという選択肢もあることを考えると、長距離を頻繁に移動するユーザー用には、クルーズはなかなか良いチョイスをとなりそうです。 それに長距離となると、まだ航続距離に限界があるEVは、クルーズ・ディーゼルの航続性能とは比較になりません。 こうして考えると、プリウスをはじめとするHV車も、けっこう肩身が狭くなりそうです。 2017年式クルーズ・ディーゼルのエンジンスペックは、1.6リットルターボの直列4気筒で、最高で137PSと325N・mを発生し、FFとなっています。 アメリカでのカタログ価格は2万4,670ドル(約284万円)で、先行発売されるセダンに続き、ハッチバックもラインナップされることになっています。 日本での発売がないのは残念ですが、海の向こうでプリウスの手強いライバルがまた1台デビューしたことも、知っておくと面白いかも知れません。
The Chevrolet Cruze Has A Diesel MPG That Would Embarrass A PriusAncar | Ancar(アンカー) – 中古車の個人売買