スポーツカーのエンジンを紐解く!「新時代環境エンジンF20C vs 旧世代エンジン3S-G」

1990年代スポーツカー黄金期を支えた80年代生まれのエンジン

日本車のスポーツエンジンは1990年代にそのパワー、あるいは排気量あたりの出力で絶頂期を迎え、まさに「スポーツカーの黄金時代」と言える黄金期を生み出しました。 その主力となっていたのは1980年代前半から続々と採用され、熟成を重ねていたエンジンたちでしたが、1990年代後半ともなると可変バルブタイミング機構などを追加装備され、最後の延命を図った最終発展型というべきモデルに移っています。 2000年代の厳しい排ガス規制を前に、少しでも緻密な制御で少しでも環境性能と効率を上げ、省燃費、低排出ガス、パワーを兼ね備えてギリギリまで現役でいようとしたエンジンたちです。 トヨタが1980年代にデビューさせた、18R-Gや3T-GT後継の2リッタースポーツエンジン、3S-GEもそのひとつでした。

最新スポーツセダンに熟成されきったエンジン

既にST202セリカ、SW20 MR2のNAスポーツグレード用エンジンとして両車の最終モデルでは可変バルブタイミング機構VVT-iを搭載、最高出力200馬力とリッター100馬力に到達していたトヨタ 3S-GE。 両車とも既にモデル末期で次期型、あるいは後継車は新世代エンジンへの移行が決まっていました。 しかし、1998年にデビューした新型スポーツセダン「アルテッツァ」のため、最後のひと働きを要求されることに。 本来は高級スポーツセダン「レクサス IS」初代モデルとして開発されましたが、レクサス店が展開していない日本ではトヨタブランドの「アルテッツァ」として、エントリースポーツセダンとしての役割も与えられた形です。 そこで、直6エンジン搭載車「IS」には無い4気筒スポーツモデルが設定され、3S-GEの最終発展型が搭載されました。 吸気側のみのVVT-iから吸気 / 排気とも可変バルブタイミング機構を設けたデュアルVVT-iに進化し、最高出力は歴代3S-GE最強の210馬力に向上。 独特の金属質なメカニカルノイズは健在で、文字通り金切り声を上げながら吹け上がる個性的な3S-GEサウンドを奏でました。 新世代エンジンが排気音をチューニングしつつエンジンそのものは滑らかで静かな傾向なのを考えると、「個性を放つ最後のトヨタスポーツエンジン」だったかもしれません。

新世代エンジンに生まれ変わったホンダ F20C

一方、アルテッツァの翌年、1999年にデビューした2シーターオープンスポーツ、ホンダ S2000に搭載されたF20Cは、高回転ハイパワーというホンダスポーツVTECの究極系でもありましたが、同時に厳しい排ガス規制にも対応する新世代エンジンでもありました。 1980年代末期に開発されたF型エンジンのビッグマイナーチェンジ版と言えるF20Cは、排ガス浄化能力を強化した新型の三元触媒、それに未燃焼炭化水素の燃焼能力を高めた新型の二次エアー導入装置を装着した低排出ガスエンジンだったのです。 しかも、同時に当時のF1エンジンに匹敵するピストンスピードを実現したショートストロークエンジンで、最高出力は8,300回転、最大トルクすらも7,300回転で発揮する超高回転型スポーツエンジンでした。 同じ直列4気筒DOHCスポーツエンジンでありながら、旧世代代表の3S-GEが210馬力に留まったのに対し、F20Cの最高出力は250馬力。 日産がパルサーVZ-R N1用に開発したSR16VE(200馬力)と同様、リッターあたり出力は実に125馬力に達し、高回転型NAスポーツエンジンの局地に達したのです。

新旧2つの世代が抱えたエンジンの問題と、その後

最終発展型3S-GEと新世代F20C、2つの2リッタースポーツエンジンには、それぞれがメリットと問題、というよりスポーツエンジンとしての限界を示していました。 3S-GEを搭載したアルテッツァは、日本での扱いはともかく本来は大排気量エンジン(3リッター直6の2JZ-GE)をトップモデルとした高級スポーツセダンであり、車重1.4tとサイズの割に重量級ボディを走らせるため、実用域も重視してピークパワーを狙っていません。 その結果やや中途半端ではありましたが、枯れた技術でも信頼性が求められるレーシングエンジンでは熟成されきった名機として、長く使われています。

F20Cを搭載したS2000は、その後の厳しい排ガス規制で80年代生まれのエンジンが息の根を止められる中でも、2009年まで長いモデルライフを誇りました。 ただし、「超高回転ハイパワー」というリアルスポーツに特化したコンセプトは、いわゆる走り屋文化の消え去った2000年代では普通に乗るためのエンジンとして受け入れられず、排気量を200ccアップしてより実用回転域での性能を重視したF22Cを搭載するようになります。 「環境にも優しいスポーツエンジン」を作ることに成功はしましたが、時代はスポーツカーに「限界性能だけでなく乗りやすさ」を重視するようになっていました。 結果、その後のスポーツエンジンはハイパワー嗜好も残ったものの、実用性能も重視した大排気量、あるいはターボエンジンへと移行していくことになり、F20Cは部分的には新世代だった、過渡期のエンジンに分類されたのです。

2000年代に入り、「スポーツエンジン」そのものの解釈が大きく変化していく中、F20Cのような「環境とパワーの両立」を狙った過渡期のエンジンが一時的に栄えます。 その一方で、1990年代のエンジンは2002年頃を境にほぼ姿を消し、アルテッツァ用3S-G(2005年廃止)と、ターボ仕様のカルディナ用3S-GTE(2007年同)を最後に消えて行きました。 次回は「パワーこそ正義の時代・1990年代スポーツエンジン総括」をご紹介します。

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