車を購入してから数年経つと、「オイル漏れ」が発生することがあります。 特にエンジンに過給機(ターボ)を搭載している車は、その構造上の問題でオイル漏れはつきものといっても過言ではありません。
整備士である筆者としては、漏れても大きく問題の無い部分と、問題がアリアリな場所が存在していると考えています。 例えば上で挙げたように、ターボ車のオイル漏れはそこまで問題の無い物であると考えています。 では、どんなオイル漏れが危険と言えるのでしょうか?
タイミングベルトを蝕むオイル漏れ
タイミングベルトとは、丈夫なゴムで構成された重要なエンジンのパーツです。 このゴムに高温のオイルが付着すると、ベルトが損傷し、酷い場合は断裂してしまう可能性があるのです。 その、「エンジンブロー」つまりエンジン損傷という最悪の結果になりかねないのです。 これは一例にすぎませんが、車には「エンジンオイル」の他に、「ブレーキフルード」 や「パワーステアリングオイル」、「ATF」等に代表されるような、数種類のオイルが使用されています。 これらのオイルが漏れてしまう事で、様々な不具合が併発されてしまう事になるのです。
なぜオイル漏れが発生するのか
全ての自動車に共通しているのですが、金属の部品は複数の素材を組み合わせ、くっつけたものが利用されています。 この金属の隙間を密封する為に、パッキン(ゴムのような物)が利用されているのですが、経年劣化により剥がれてしまうのです。 この僅かな隙間から、内部のオイルが徐々に漏れ出していくようになります。 新車時から数年経過すると徐々に漏れていくのですが、私の整備経験上での最速記録は、購入後半年で漏れが発生した車両でした。 保証修理で対応させて頂きましたが、中にはそういう車両もあるので早めに確認を行う方がいいのではないかと考えています。 日本において車の持ち主は、車の人間ドックに当たる「法定12か月点検」を受ける義務があるのですが、あまり知られておりません。 オイル漏れを確認すると言う意味でも、信頼できる整備工場に入庫して点検整備を受ける事が、大きなトラブルの予防につながるのではないでしょうか。