ホンダの現行ハイブリッドと似た、VWのGTEシリーズ
ハッチバックのゴルフGTE、4ドアセダンのパサートGTE、ステーションワゴンのパサート・ヴァリアントGTEと、2017年4月現在3つのGTEモデルを販売しているVW(フォルクスワーゲン)。 デュアルクラッチミッションの6速DSGに駆動 / 発電兼用のモーターを内蔵し、モーター用のクラッチも追加したトリプルクラッチミッションと言うべきPHEVドライブユニットを搭載しています。 この構成はホンダがフィットなどに採用しているi-DCDと似ていますが、VWではPHV(プラグインハイブリッド)化されているのが大きな違いです。 バッテリーの電気とモーターだけで走る「Eモード」で最長50km走行可能、最高速度も130km/hに達する十分な実用性を持っています。 その他エンジンとモーターをフルに使いスポーティに走る「GTEモード」、燃費重視の「HVモード」、モーターを駆動に使わず充電に専念させる「バッテリーチャージモード」を持っており、シチュエーションに応じた使い分けはスイッチひとつで設定可能。 と、ここまでは非常に魅力的なのですが、日本車のPHVではもはや不可欠と言える100Vコンセントが無く、災害時などに電源として使う用途には全く向かないのが残念です。 いずれマーケットからの要望として追加されるのを待つしか無いでしょう。
基本的にVWのGTEと同じ、アウディのe-tron
以前はA6 / A8 / Q5にハイブリッドを設定していたアウディですが、現状はハッチバックのA3スポーツバック e-tronのみというラインナップ。 そもそもゴルフVIIの兄弟車、やや高級版という位置づけのA3ですから、モーターをミッションに内蔵したPHEVメカ、エンジンもモーターもゴルフGTEと全く同じです。 外部への給電機能が無い点まで含めてGTEと同じでアウディ独自の点はなく、純粋にゴルフGTEより少し上質な車に乗りたいと思えばA3スポーツバック e-tronを買う、それだけの話でしょう。 パサートGTEやパサート・ヴァリアントGTEに相当するモデルは、A4で今後登場するのではないでしょうか。
VW、アウディと同様のシステムをパナメーラとカイエンに搭載したポルシェ
VWグループでスポーツ部門を受け持つポルシェもまた、大掛かりに見えるものの基本的にVWのGTEやアウディのe-tronと同じPHEVシステムを搭載しています。 さすがに911やボクスター、ケイマンといったピュアスポーツには採用されず、919スパイダーのようなスーパーカーには、スーパースポーツ向けに走りのパフォーマンスを重視したハイブリッドシシテムが搭載されました。 必然的に、エコ志向のハイブリッドを搭載したのはSUVのカイエンとスポーツサルーンのパナメーラで、VWとアウディには無いPHEV仕様SUVモデルもあることから、いずれ小型SUVのマカンにも同様のモデルが追加されるのでは無いでしょうか。 2010年にカイエンSハイブリッドが追加された時はごく普通のハイブリッド車でしたが、2014年にカイエン S Eハイブリッドとパナメーラ 4 Eハイブリッドでは「Eハイブリッド」と名付けられたことからわかるようにシステムを一新しました。 すなわち、エンジンやモーターをクラッチで自在に駆動と発電に切り替えられるプラグインハイブリッド化で、デュアルクラッチミッションではなくトルコン式のオーソドックスな8速AT(ティプトロニックS)にモーターが組み合わせられます。 また、モーターも異なりますがGTEやe-tronのより出力は低く、車体が重いこともあってかモーターのみで走行可能なのは最大36km、最高速度も125km/hに留まり、一応EV走行もできるものの、主役は依然エンジンと考えた方が良いでしょう。 PHEVとして外部からの充電が可能なことや、EVモードとHVモード、パワーモードとエネルギーチャージモードがあるのもGTEやe-tronと同じで、VWグループでは特殊なモデルを除けば全て同じハイブリッドシステムということのようです。 いずれも実用性を考慮すると、外部への給電能力追加が待たれますね。
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