アバルト・マジックが産んだ偉大なるハコ!フィアット131アバルトラリー

「ストラトスで勝ってどうする?」

時は1970年代、1973年に始まったWRC(世界ラリー選手権)で1974年からフィアット・グループが連覇を重ね、絶頂の時にあった頃のお話です。 当時の同グループ主力マシンはランチア ストラトスでした。 スーパーカーブームの中でもウィンドウまで含めて低く流麗なマシンで、今見てもミニ四駆の新モデルかと思ってしまうほどカッコイイ車でした。 しかし、そこでフィアットの首脳陣は悩んでしまいます。 「別にフィアットはスーパーカーメーカーでも無いし、イメージリーダーとしてのストラトスの役割はいいけどあまりにもイメージが先行しすぎており、フィアットが売りたい大衆車とはかけ離れすぎるんじゃないか?」 今でもF1に参戦したはいいものの、そのイメージを市販車にフィードバックするのがうまくいかず、結局すぐに撤退してしまう自動車メーカーが多々あります。 それと同じ悩みに当時のフィアットも苦しんでおり、ラリーでの勝利が販売面に直結するように市販車ベースのラリーカーを作ることにしました。

ベースとなったフィアット131

そこでベース車として白羽の矢が立ったのは、2 / 4ドアセダンおよびステーションワゴンがラインナップされていた1.2~1.5リッタークラスの小型大衆車フィアット131です。 先代のフィアット124に設定されていたクーペやスパイダーといったスポーティなモデルは設定されない純然たる「ハコ」の大衆車でしたが、それゆえにラリーで活躍すれば新モデルを開発するより早くて安上がりと思われたのでしょう。 それ自体は日本から見ればイタリアンルックと思えるシャレたデザインかもしれませんが、イタリア車として見れば凡庸な3BOX乗用車でした。 セダンは普通にボンネットとトランクを持ち、サイドに一本引かれたラインが辛うじてチャーミングと言えるくらいで、「ダイハツから出た新型シャルマンです」と言われても信じてしまいそうです。 しかし、だからこそこの車でラリーに勝てば、確かにインパクトはありそうでした。

市販車ベースでこっぱやい車を作るアバルト・マジック!

ちょうどその頃、市販の小排気量車やそのエンジンをベースに素晴らしいスポーツカーを作ってきた、サソリマークが目印の魔術師 アバルトがフィアット傘下に入っていました。 流麗なデザインのボディから作る時もあれば、市販車フルチューンでも名を上げていたアバルトに、フィアットから市販車ベース最強ラリーマシン開発のオーダーが出されます。 既にフィアット アバルト124スパイダーでストラトスに次ぐ成績を残していたアバルトは、早速前後バンパーを外して一層の「ハコ」化を進めるとともに、ボンネットやトランクフードはFRP、ドアパネルはアルミで軽量化しました。 また太いタイヤを履けるよう拡幅された巨大なオーバーフェンダーもFRP製を使用し、さらに5リンクリジットだったリアサスペンション形式も、124の時と同様セミトレーリングアームの独立懸架に変更されています。 エンジンは上級のフィアット132用2リッター直4エンジンにDOHCヘッドを載せ、市販モデルでは140馬力、ラリー用コンペティツィオーネでは実に215馬力以上を発揮しました。 ここまで仕上げるともはや元の131とは別物でしたが、131をカッコ良くしたというより「もっとハコにして、しかも速い」というのが、まさにアバルトマジック。 グループ4ラリーカーとして必要な400台の生産にとどまらず、走り屋向け需要も含めて1,000台以上が委託先のベルトーネで作られました。

期待通りの大活躍!

こうして1977年シーズンからWRCに参戦した131アバルトラリーは、フォード エスコート1800RSとの激闘を制して見事デビュー年のチャンピオンを獲得。 1979年こそ宿敵エスコートに譲ったものの、1980年まで3度チャンピオンマシンの座につきました。 その後1981年から登場したアウディ クワトロによって4WDラリーマシンの時代が到来しますが、それ以前に凡庸な市販セダンのフルチューン車が活躍できた時代の最高傑作として、今でも131アバルトラリーはWRCの歴史に大きくその名をとどめています。 ハコ車好きにはたまらない1台ですね!

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