二転三転するロータリー復活の噂…今度こそは本当か!?
マツダが何で有名かと言えば、少なくともエンジンに関しては、ロータリーエンジンと言って間違いではないでしょう。 しかしながら、(多少は燃費も悪いながら)非常にユニークな存在である、そのロータリーエンジンを搭載したクルマと言うと「RX-8」が最後のモデルとなっているのも事実です。 こちらは2012年に生産を終了しています。
ロータリーエンジンの復活についてはその後も噂が絶えず、しかもロータリーコンセプトとして「RXビジョン」なる魅力的なモデルを公開しているにもかかわらず、マツダの幹部は新規の本格的なロータリー計画については否定的な発言を繰り返してきました。 しかしこの春になって、実際はその逆であることが証明されました。 『オートブログ』が綿密な調査を行ったところ、マツダがアメリカの特許局に対して、複数の新たなパテントを登録していることが判明したのです。
環境対策もバッチリ、特許申請中の新型ロータリー機構に注目
そのパテントの1つ目は、BMW「i3」と同じような仕組みの、レンジエクステンダー型EVとなっています。 つまり機構としては、前輪を駆動する電気モーターと、発電機にエネルギーを供給するためのガソリンエンジンを搭載したものです。 車体中央部には、リチウムイオン電池が搭載されています。
しかし、2つ目のパテントこそが興味深いもので、こちらはロータリーエンジン用に専用設計された、エンジンのスタート・ストップシステムというもの(アイドリングストップ機構)です。 通常のピストンエンジンと同じく、このシステムはロータリーエンジンについても、不要時にエンジンを切る仕組みになっています。 特に目新しいのは、「インテークポートが閉じる場所に限って」ローターを止める設計となっており、それによってポートから燃料や排ガスが外部へ漏れていかないように工夫されているという点でしょう。
ロータリーエンジンの弱点を克服!
技術面で覚えておきたいのは、ロータリーエンジンはバルブを持たないため、この機構は非常に重要なものだということです。 このほかにも、「スパークプラグで着火させるのは、燃料カットしたあとに限り、これによってわずかに残った燃料を排出してしまうのを防ぐ」というコンセプトが申請内容に説明されており、注目に値します。 これらの新技術で、おそらくは(ロータリーの苦手分野だった)燃費や排ガス性能も向上することになるでしょう。
もう1つ、さらに面白いのは、このロータリー用スタート・ストップシステムは、前述のレンジエクステンダー用の特許とも組み合わされていることです。 これらすべてのテクノロジーを組み合わせた場合、マツダは(理論上は)スタート・ストップシステム付きのロータリーエンジン+電気モーター+リチウムイオン電池という、「3種の神器」を持った次世代カーを造ることもできる、ということになります。
パテントの申請は動かぬ証拠。今後の展開に期待!
またロータリーエンジンは小型であるため、車両重量も他車に比べて抑えることができるのも利点です。 まだもちろん、公式にはマツダはロータリーエンジン車の復活は認めていません。 しかし、何の目的もなしにこれだけパテントの出願が行われることは有り得ないうえ、メーカーとしてそれだけの開発費をかけることもありません。 こうした新技術がどのような形で日の目を見るのか、その行く末を見守っていく必要はありますが、マツダやロータリーエンジンのファンにとって、事態は明るい方向へ向かっているのは間違いなさそうです!
Here’s Proof Mazda Is Still Working On A New Rotary Engine