数ある輸入車の中でも圧倒的な存在感と人気を誇るアルピナ。
そのアルピナから発売されるD3 Sはディーゼルエンジンという、スポーツマインド溢れるアルピナに似つかわしいとは思えないものでした。
ところがその実力はガソリンエンジン車にも去るとも劣らないものなのです。
今回はそんなアルピナD3 Sについて解説します。
アルピナとは
アルピナはBMW車のチューニングパーツやドレスアップパーツの生産販売を行うとともに、BMWをベースとした独自モデルの生産販売を行う自動車メーカーでありブランドです。
また、自社でチューニングした車両でレース活動を行い、ドイツ内外のツーリングカーレースで多くの勝利とタイトルを獲得しています。
1978年から始まった自動車メーカーとしてのアルピナは、BMWが生産したホワイトボディに、アルピナの自社工場にて独自のパーツを組み付けています。
ボディや足まわりのチューニングだけではなく、インテリアやエンジンを熟練工によるクラフトマンシップあふれる手作業を特長としています。
また、ボディサイドの「アルピナ・デコセット」と呼ばれるストライプや、細いスポークのホイールはアルピナのアイコンとなっています。
桁外れの出⼒のディーゼルエンジン
ただでさえスムーズに回るBMW車以上にまわるエンジンと、完璧なコーナリング性能をもっているアルピナ。
その中でディーゼルエンジンのアルピナD3とはどのような車なのでしょうか?
D3 SはBMW 3シリーズをベースとしたアルピナオリジナルの車であり、アルピナのラインナップの中で最もコンパクトなモデルとなります。
ボディは3シリーズと同じですが、「ALPINAのロゴの入ったエアロパーツやボディサイドのデコライン、そして専用の19インチホイールが外観の特徴となります。そしてパワーユニットがBMW 3シリーズと別物であることが最大のポイントです。
アルピナ D3 Sに搭載されるこの直列6気筒のビ・ターボ(ツインターボ)エンジンは、レッドゾーンまでスムーズに吹き上がるディーゼルとしては異質のエンジンとなっています。
そしてアルピナは、48Vスターター‧ジェネレーターを組み合わせたマイルド‧ハイブリッド‧テクノロジーを採⽤することによりし、⾼性能出⼒でありながら、⻑距離もストレスなく走行できるドライブトレインへと仕上げています。
卓越したハンドリングと俊敏性
アルピナD3 Sに採用されるアルピナ‧スポーツ‧サスペンションのサスペンションとシャシーの設計は、超⾼速マシンのアルピナ B3 から受け継いだもので、この⾼性能ディーゼル‧モデルの D3 Sの驚異的なポテンシャルを⽀える要といえます。
アイバッハ社製のスプリングは、バンプ・ストッパーと特別にチューニングされたスタビライザーにより、アルピナらしいセットアップを実現しています。
また、コンフォート・プラス、コンフォート、スポーツの3つのモードを選択できる可変式ダンパー・コントロールにより、快適な乗り心地から、俊敏性や横方向へのダイナミクスなど、広範囲にな走りを可能にしました。
さらに、バリアブル・スポーツ・ステアリング・システムは、高速域における高い安全性と直進安定性、そして応答性をもたらしています。
くわえて、4WD システムでは BMW xDrive システムをベースに、そのスポーティなキャラクターに合わせて後輪重視の設定としています。
ベースの3シリーズとの違い
ベースモデルの3シリーズとの違いをまとめてみました。
エンジン
エンジンはBMWのN57エンジンを流用し、シーケンシャルツインターボ(ギャレット製)。
2基の外部サブ・クーラーを連携させた高性能なクーリング・システム。
足回り
アイバッハ製サスペンションと専用のプログラムのBMW製ショックアブソーバー。
19インチ アルピナ・ダイナミック軽合金ホイール(5×4スポーク・デザイン)と、オプションのロック付きのセンター・ホイール・カバーを備えた 20インチ アルピナ・クラシック鍛造ホイール(20スポーク・デザイン)の2種類のホイール& タイヤ・セットがあります。
トランスミッション
ZF製8HP70 8速スイッチトロニックミッションでトルクコンバーターはアルピナ製。
ブレーキ
ブレンボ製の対向4ポットキャリパー ローター径370×30/対向2ポットキャリパー ローター径345×24
マフラー
2組のツイン・テール・パイプを備えたアルピナ・スポーツ・エキゾースト・システム。
エアロパーツ
180km/h時60%リフトを押さえ0リフトを維持する、専用フロント&リアスポイラー。
インテリア
モデル固有の製造番号が記載された専用のプロダクション・プレートを装着。ドア・シル・プレートやシート・バック・レスト、フロア・マットのメタル・エンブレムなど、アルピナのがスタイリッシュな雰囲気を醸します。
また、ラヴァリナ・レザーを用いて手作業で仕上げられたアルピナ・スポーツ・ステアリング・ホイールには、ヒーターも備えています。
アルピナD3 Sの価格とスペック
アルピナD3 Sには4ドアセダンのLIMOUSINEと、大容量のラゲッジを備えるTOURINGの2種があります。
LIMOUSINE | TOURING | |
---|---|---|
車両本体価格(消費税込み) | 10,780,000円 | 11,170,000円 |
全長/全幅/全高(mm) | 4,720/1,825/1,445 | 4,7201,825/1,470 |
ホイールベース(mm) | 2,850 | 2,850 |
荷室容量 | 480 | 500-1510 |
エンジン型式・排気量 | 直列6気筒ビターボ・2992cc | |
最高出力 kW〔PS〕/rpm | 261〔355〕/4000~4200 | |
最大トルクNm〔kgm〕/rpm | 730〔74.4〕/1750 – 2750 | |
トランスミッション | 8速スポーツ | |
巡航最高速度(km/h) | 273 | 270 |
車両重量 kg | 1,890 | 1,940 |
WLTCモード燃費(km/L) | 13.0 | |
加速0-100 km/h(秒) | 4.6 | 4.8 |
まとめ
アルピナモデルといえばBMWユーザーにとっても特別な思いのあるブランドです。
しかしながら価格も高く、高性能がゆえに燃費も悪いのでどうしても手が出ないとあきらめがちでした。
しかし、アルピナD3 Sならアルピナモデルの中で最もリーズナブルで、しかも燃費が安く維持費の安いディーゼルエンジンですからグッと身近に感じられるモデルなのです。