日産セドリックを知っていますか?日本の自動車産業の歴史の中でサルーンカーとして製造販売され、現在は、日産フーガに継承されています。 1960年から2004年まで、一時代を築いた日産セドリックの主要スペックと開発理由、現在の中古車価格までまとめした。
日産 セドリックの特徴
日産 セドリックの特徴①
セドリックは1960年から日産自動車により生産されていた車で、2004年で生産終了とな44年続いた高級車の歴史に幕を閉じました。
3代目モデルとなる230型から、プリンス販売から発売されていたグロリアと同一デザイン化され、兄弟車として国産高級車のポジションを確立しました。
かつて、「4ドアハードトップ」「4ドアセダン」「ステーションワゴン」「2ドアハードトップ」「ライトバン」というタイプを生産しており、2ドアモデルは3代目230型と4代目330型のみで生産されていました。
日産 セドリックの特徴②
セドリックは発売当初厚みのあるボディで骨組みと外販を一体としたモノコックボディを日本初の採用とし、リアデザインはテールフィンと言われるまるで飛行機のウイングのような形状を持ち、縦配列丸型デュアルヘッドランプがボディラインに沿って突き出したデザインで、自動車開発で先行していた欧米の大型車のデザインに大きく影響を受けていました。
時代の移り変わりとともに、スポーティーさと高級感を兼ね備えた車として生まれ変わりました。
日産 セドリックの特徴③
後に兄弟車となるグロリアは発売当初プリンス自動車から発売されており、2社合併を機にモデル統合が行われ、兄弟車「セド・グロ」として生まれ変わりました。
グロリアと異なる点は、初代モデルが1900ccのみで発売されていたのに比べ、1500cc ・1900cc・2000ccが直列4気筒で、ディーゼルエンジン2000ccの他、2800ccの当時では珍しい大型エンジンを搭載したモデルが直列6気筒エンジンとして生産されており、グロリアよりエンジンもボディも大型として発売されていました。
1970年代から自動車が一般に広がると日産のフラッグシップ車両として認知されるようになりました。
日産 セドリックの歴代モデル
日産 セドリックの歴代モデル①
初代30型が1960年にデビューすると5年後には2代目130型へとフルモデルチェンジしました。
2代目からは走行性能の向上が図られ、フラットボディとなり、空気抵抗を考えたデザインに変化してゆきました。
3代目230型からはセダンとは異なる新しい概念であるハードトップを発売し、4ドアでありながらスポーティーな感覚を持たせ、若いオーナーをターゲットとした販売戦略でオーナー層を広げました。
日産 セドリックの歴代モデル②
セドリックが大きく変化したモデルが5代目モデル430型と8代目モデルY32型です。
430型はそれまで丸みがあったボディラインを角のあるデザインに変更し、ハードトップは丸型デュアルヘッドランプから大型の角形2灯で格子状の大きめのラジエータグリルなど、迫力のあるデザインとして生まれ変わりました。
8代目モデルY32型は先代モデルY31型から続く、スポーティーグレード「グランツーリスモ」で、4代目330型以来12ぶりのハードトップモデルでのデュアルヘッドランプを復活させ、当時人気のドイツ車を彷彿とさせるシルエットに変貌し、若者のオーナーに人気がありました。
中古車価格について
日産 セドリックの歴代モデル①
44年間で10型のモデルチェンジをした中、5代目430型から8代目Y32型の販売期間が高度経済成長期からバブル経済の間で、この間に走行性能やスペックの向上が図られ、価格も高額化しました。
ローンの成長と共に市場性は高まり、中古車を求める人も多く見られました。
人気の高まりとともに中古車相場は上昇し、とくに状況グレードの価格は上昇していました。
上級グレードの新車価格が高いため、中古車を求める若者が多く、若者を引き付けるためにエアロパーツをカスタムして販売する中古車店も増え、「ヤンキー車」と言われる時代もありました。
日産 セドリックの歴代モデル②
歴代モデルの中でバブル経済絶頂の1991年に生産された8代目Y32型はライバル社の高級乗用車に大きく差をつける販売台数でもっとも市場に流通した高級車として有名です。
現在ではモデルチェンジから22年経過しているため、中古市場で少なくなっていますが、最高グレードのグランツーリスモアルティマで、走行距離が少なく、程度の良いものでは車両価格が50万円~100万円以上で販売していることがあります。
人気が高い車両はサンルーフ搭載車、エアロパーツ装着車、BBSホイール装着車などで、当時は一部の高級車のみにしか搭載されることが無かったマルチナビシステムオプションで搭載されている希少な車に高い価値が付いており、現在人気が高い黒や白のボディよりもパールホワイトやガンメタリック車の人気が高かったため、現在でも程度の良い車の中古車価格は高いです。
Y32モデルがおすすめ!
セドリック史上最高の出来と言われた、8代目モデルY32型ですが、先代モデルから通常グレードのブロアム系とスポーツグレードのグランツーリスモ系に分類され、Y32型でも2つのタイプとして販売されましたが、フロントデザイン等に大きな変化を持たせ、高級感を引き立たせたブロアム系に対してスポーティさと迫力のグランツ系として人気を2分しました。
この車の燃費や維持費について考えてみました。
おすすめモデルの燃費
ブロアム系がガソリンエンジン2000cc、3000ccで、ディーゼルエンジンは2800ccをのみを生産しており、グランツ系はガソリンエンジンのみで2000cc、3000ccです。
ガソリン車はV型6気筒エンジンを搭載しており、力のある走りを実現する反面、燃費の悪化が見られ、とくにSOHCモデルやターボ搭載車の燃費が悪く、街乗り走行6.8km/L~7.8km/L程度であったと言われ、とくに加速時や坂道での極端な燃費の悪さが目立ちます。
おすすめモデルの維持費
■年単位でかかる費用
・自動車税:3000ccで年間51000円
・車検代:修理程度によって異なりますが、15万円~20万円
■毎月かかる費用
・ガソリン代
(1年1万km&カタログ燃費×軽油110円、レギュラー120円、ハイオク130円、):ハイオク仕様で満タン10000円程度、レギュラーで9000円程度、軽油で8000円程度
ガソリン車の場合1年で10万円~12万円 ディーゼル車で7万円~8万円
・駐車場代:1万円として年間12万円の負担
任意保険代(年齢30歳、免許証ブルー、30歳以上限定、本人限定、車両保険無し、新規で申込、年間走行距離11000km以下):5万円~8万円
Y32型モデルについていてほしいオプション
オススメオプション①
セドリックグランツ系についていてほしいオプションはBBSホイールです。
同時期にドイツ製で人気のあった輸入車のイメージを大きく入れたグランツーリスモは、グランツ系のみにBBSホイールが設定され、グランツ-リスモSVには標準装備されていましたが、その他のグレードではオプションとして販売されていました。
BBSホイールの設定でスポーティーなイメージが増します。
当時のオプション価格は25万円程度で設定が可能でした。
オススメオプション②
どの時代も若者に人気のオプションとしてサンルーフがあります。
セドリックにもサンルーフのオプションは設定可能でした。
サンルーフは新車購入時にオプションにて発注しますが、中古車市場で買取価格が高くなります。
とくにグランツ系での搭載が多く、BBSホイールやリアスポイラーの装着と共に設置することで中古車市場での人気が高まりました。
新車時の設置価格は20万円程度でした。
まとめ
1960年のデビューから2004年の生産終了まで、日産自動車のトップに君臨してきた高級乗用車セドリックは時代の流れと共に最高のスペックを搭載し、性能を向上させてきましたが、バブル経済の崩壊と共に人気がコンパクトカーやミニバンに奪われ、44年の歴史にピリオドを打ちましたが、現在でもファンの心の中に語り継がれる人気があり、中古車市場に希少価値を求める根強いファンを持っています。