1899年にイタリアのトリノで誕生し、120年以上の歴史を持つFIAT(フィアット)から初のEV(電気自動車)が2020年にイタリア本国で誕生しました。
FIATから初のEVは、1936年の誕生から世界中のファンから愛されている「500(チンクエチェント)」です。
「500」とはどんな車なのか?歴史を紐解きながら「FIAT 500」の魅力を紹介していきます。
FIAT 500とは
FIAT 500は、フィアットから1936年に発表された小型乗用車です。
このFIAT 500は、イタリア語で「500」を意味する「チンクエチェント」と呼ばれています。
チンクエチェントは世界中の多くのファンから愛され、その長い歴史の中で、複数の映画にも登場してきました。
FIAT 500の歴史
FIAT 500の歴史を振り返りながら、簡単に紹介していきます。
チンクチェントの歴史を知ることで、よりFIAT 500の魅力が見えてくる部分もあるのではないでしょうか?
初代「500」
左:500C 右:500A
初代500は、1936年に2人乗りの小型車として発表されました。
初代500は、「トポリーノ」の愛称で呼ばれていましたが、「トポリーノ」は「ハツカネズミ」を意味します。
愛嬌のある外観と、小柄なボディで機敏に走り回るさまから名付けられました。
トポリーノの初期モデルは「500A」。1948年にマイナーチェンジされて「500B」になり、’49年にはヘッドライトをフェンダーに埋め込み化された「500C」にマイナーチェンジがされ、’55年まで生産されました。
1953年に製作されたオードリー・ヘップバーン主演の映画『ローマの休日』にトポリーノが登場するシーンがあります。
2代目 「NUOVA 500」
2代目となる500は、初代500(トポリーノ)と区別するために「NUOVA 500」と称されています。
また、初代500の直接後継モデルは、1955年に発表された600(セイチェント)となるのですが、1957年に600をさらに一回り小さくした4人乗りの新型車を2代目500「NUOVA 500」として発表され、1977年まで生産されました。
「NUOVA 500」は、イタリアの国民車と呼ばれるほどの人気を博し、ヨーロッパ全土にも輸出されていました。
現在でも世界中に熱心なファンが存在するほどの人気車種となりました。
日本では、「ルパン三世の愛車」として認知されています。
3代目 「500」
2代目である「NUOVA 500」の発売から50周年を迎えた2007年、3代目となる新型の「500」が発表されました。
現在は、この3代目「500」のマイナーチェンジがおこなわれたり、限定車が発売されたりと進化し続けています。
そして、2020年にFIAT初のEVとして「500e」が発売されました。
FIAT 500eの特徴
500eの一番の特徴は上記でも触れましたが、EVであることです。
そして「500e」のボディタイプは、セダン・カブリオレ・助手席側の観音開きドアが特徴的な3+1の3種類が用意されています。
こちらは、好みで意見が分かれる部分ではあると思いますが、フロントの「FIAT」のロゴが無くなり「500」と表示されました。
また、3つの走行モード「ノーマル」「レンジ」「シェルパ」が備わっており、使用用途に合わせた走りに対応できるようになっています。
「ノーマル」:通常の内燃機関エンジンのような走行が可能。
「レンジ」:アクセルだけで走行し、完全な停車時のみにブレーキを踏むワンペダルモードを採用。
「シェルパ」:可能な限りの長い航続距離を確保するために、コンピューターが制御した走行が可能。
500eは、半自立運転も可能となっています。
そのため、レベル2の自動運転システム、音声認識システム、車線逸脱警告システム、眠気警告システム、標識を認識するスピードアシスタント、駐車を容易にするための360度カメラシステムなど、様々なアシストシステムが搭載されています。
また、バッテリーは42kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、最大航続距離320km(WLTP測定値)の能力を持ち、85kWの急速充電器に対応した能力を標準装備しています。
FIAT 500eのスペック
新型FIAT 500eの主要諸元を記載します。
乗車定員:4名
全長×全幅×全高:3632mm×1638mm×1527mm
ホイールベース:2322mm
最高出力:118ps/20.3kgm
0-100km/h加速:9秒
最高時速:150km/h
駆動方式:FF
駆動用バッテリー:リチウム・イオン電池
バッテリー容量:42kWh
航続距離:320km(WLTP)
充電時間:7.4kW充電器で約6時間(フル充電)/85kW急速充電器で35分(80%まで)
FIAT 500eの日本発売はいつ?
2020年3月から本国イタリアで販売が開始されている「500e」ですが、日本での発売はいつになるのでしょうか?
2021年度中に販売予定という情報もありましたが、結果、販売されることはありませんでした。
現在のところ、公式の正式な発表が未だありませんが、2022年内の導入が予定されています。
2030年までにフィアットはEVのみのブランドを目指すことが正式に発表されたこともあり、先駆けである「500e」の日本市場への投入はもうすぐなのではないかと予想されます。
今後の情報が楽しみにしたいところです。
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まとめ
「最新型フィアット(FIAT)500 EVモデル 日本発売間近!?」ということで紹介してきましたが、いかがでしょうか?
歴史あるメーカーの、歴史ある車が、また新しいステージへと舞台を移そうとしています。
日本での発売日はまだ決定していませんが、日本の道路事情にもマッチした車という事で、メーカーも万全を期した状態での日本への導入を検討されているのではないかと想像できます。
この記事を読んで「FIAT 500」に少しでも興味を持っていただけたのであれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ライター:Ancar編集部 呉東和虎