ステップワゴンが誕生した1996年は日本経済、そして自動車業界も大きく発展・変化していった年だといえます。
当時の車に求めるニーズは、経済の発展ともに家族で楽しめて便利に使えるものへ変化していったのです。
車の利便性を求める子育て世代と、車の乗降が楽にできることを希望する高齢者の3世代の需要から生まれたのがステップワゴンです。
今回は進化するステップワゴンの歴史とホンダの福祉車両についてお伝えします。
ホンダ ステップワゴンの歴史
現在では休日に「家族でお出かけ」することは普通のことです。しかし当時は、家族よりも会社を優先して会社のために働くことが日本人のステイタスだとする時代でした。
「働き蜂」の日本人はもっと休暇をとろう。そんな声が少しずつ聞こえてくる時代でもありました。そして家族で楽しめる車「ステップワゴン」をホンダは作り始めます。
初代ステップワゴン(1996年〜2001年)
家族みんなで出かけてアウトドアライフを楽しめるようにという目的で、初代ステップワゴンは作られました。
大人8人まで乗れる大きな空間は、低価格でファミリー層にとても人気の高い車になりました。
ファミリー層に人気のステップワゴンは、車体構造では鋼材の使用量を軽減して車体を軽くします。
そして、車体の強度を考えて右側にスライドドアを設定しない構造でした。それにより車体の軽量は実現しましたが、左側のみのスライドドアは利便性に少々足りない構造でした。
2代目ステップワゴン(2001年〜2005年)
「子供と一緒に楽しみたい」がコンセプトで初代ステップワゴンの概念は継続します。車内空間を最大限に広げるために4つのポイントが特徴です。
1) 2列目、3列目をフラットにしてフルフラットモードにできる。
2) 2列目を折りたたみテーブルスタイルにできる。
3) 1列目を3列目と向き合わせて、まるでリビングのような空間を作れる。
4) 3列目を倒してラゲッチスペースを作りたくさんの荷物を置くことができる。
ファミリー層に使用しやすいよう室内インテリアに工夫を凝らしました。
また、ホンダはこの頃既に排ガス削減に対しての研究開発に努力していて、2001年世界で初めて自動車用ペロブスカイト三元触媒システムを開発して全車両で「優-低排出ガス車(☆☆)」を取得します。
※ペロブスカイトとはチタン酸カルシウム(CaTio3)の鉱物名、触媒システムは金属製の使用量を削減して排ガス規制に対するものです。
2003年にステップワゴンは、ベースとなるKタイプより大きめの3ナンバー「スパーダ」(全幅が1.7メートル以上)を生産します。グレードは「S」「24T」の2タイプです。
さらにホンダは、車体の利便性や安定感を感じさせる車に研究開発していきます。
ただしこのタイプもまた、スライドドアは助手席側にのみしかつけられていませんでした。
3代目ステップワゴン(2005年〜2009年)
2代目までは、助手席側だけだったスライドドアを両側スライドドアに変更して使いやすさをアップさせます。
箱型コンセプトを大きく変えて、車体を低くしてワンステップで乗車できるようにしております。
また低重心を意識して設計したことにより、コーナリングの安定感と高速道路での安定した走行を得ることができました。
4代目ステップワゴン(2009年〜2015年)
ファミリー層により思いを寄せ、開発したのは室内空間をさらに改良することでした。
3列目のシートを床下に格納して大きな空間を得ることができ、活用できるスペースが広がりました。
ステップワゴンは低燃費を重視しエンジン・トランスミッション・エアコンを強調制御できる「ECONモード」を採用します。
※ECONモードとは、アクセルペダルの動きに対応してエネルギー消費を抑えることです。
そして大きな室内空間を活用してホンダは、2009年から福祉車両を製造します。
福祉車両は、ノーマルクラスではGタイプを、スパーダクラスはSタイプの2タイプ製造します。
5代目ステップワゴン(2015年〜)
ステップワゴンは祖父母、親、子どもの3世代が便利に利用できる車が基本です。
ホンダの安全運転システム「Honda SENSING」を全タイプにメーカーオプション設定して安全な走行を目指しています。
4代目で福祉車両として設定していたのをそのまま5代目も継続します。
スッテプワゴンで初の搭載となる「SPORT HYBRID i-MMD」ハイブリッド車、現在の「e:HEV」を2017年に新設します。平成30年排ガス基準75%低減レベル(☆☆☆☆☆)の認定も受けます。
安全を重視し爽快な走行を提供し続けてくれます。
スッテプワゴンは2022年春に新型「AIR」「SPADA」が登場します。ファミリー層に寄り添いこれからも進化し続けていきます。
「体に不自由を抱えている方々でも自由な移動ができる車」と考えて福祉車両の開発に努めているのもホンダの特徴です。
ホンダの福祉車両は
上記でも述べたように、ホンダは福祉車両も開発していて、ステップワゴン・N-BOX・フリードなどの車種に運転補助装置を取り入れ販売しています。
車いすのままで乗降できる
アルミスロープで利用者の方を移動します。これによって介護する人の負担を減らすことができます。
助手席側と2列目シートにも
リフトアップシートで右左両サイドから乗降できます。車いすの方、つえを使用している方にもシートを利用しやすくなりました。
助手席回転シート
ステップワゴンには装備されませんが、助手席がレバー操作で回転して乗降を楽にしてくれます。
運転補助装置
運転補助装置はドイツで開発され、ホンダが1981年に開発者のフランツ氏より指導を受けてホンダが技術開発し提供しているシステムです。
ホンダ フィットに、足や手の不自由を抱えている方に下記の運転補助装置を設置できます。
・足の不自由な方も
補助装置を利用してアクセルやブレーキ操作が可能になります。
Honda・テックマチックシステムは手でアクセルやブレーキを操作できる手動運転補助装置があります。
・手が不自由な方も
Honda・テックマチックシステムは足でアクセルやブレーキが操作できる運転補助装置です。
両上腕が不自由な方のために、左足で前後回転させて運転を可能にしました。
ホンダはいち早く補助装置を導入して、体に不自由を抱えている方々に利用していただけるよう努力しています。
まとめ
ホンダのステップワゴンは、日本経済の発展ともに多くの方に車での移動手段を追求し開発してきました。
家族が楽しめる車、快適に利用できる車設計を考え開発しています。
そして、福祉車両は利用者と介護する方のために工夫を凝らしています。
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