代官山「モーニングクルーズ」主催者と対談!開催の秘話、隠された想いとは?

11月10日(日)代官山 T-SITEにてモーニングクルーズが開催された。この日のテーマは「1979年までのアバルト」。始まる前はかなり攻めたテーマかと思っていたが、開始時刻の午前7時にはテーマのアバルト車をはじめとした多くのクラシックカーが集まった。1979年に創業者カルロ・アバルトが亡くなるまでに生み出された小さくも過激な車が一列に並ぶ姿は圧巻だった。こちらについても沢山の写真を掲載した取材レポートを書いたので、ぜひともご一読ください。[第82回モーニングクルーズ | アバルトオーナーが語るアバルトの魅力とは 〜1979年までのアバルト〜

モーニングクルーズ主催者に想いを聞いた!

終了後、モーニングクルーズの主催者である清野龍太さんにインタビューを行った。清野さんは代官山 蔦屋書店クルマ・バイクコーナーで働く書店員、つまり本屋さんだ。本屋の仕事からはかけ離れたモーニングクルーズはどのようにして始まったのだろうか。

イベントお疲れさまでした!終えてみていかがですか?

テーマ車以外にも珍しい車が来ていたので自分個人として楽しかったです。ランチア・デルタS4、ラリー037やロシア・ワズのワンボックス…本では見たことがあるけど実際には見たことがなかったので。

アバルト以外の車もたくさん集まって、大盛況でしたね。

テーマの「1979年までのアバルト」はそんなに来ないという予想をしていました。開始した直後はやっぱりがらんどうで。「大丈夫かな?」とちょっと心配でしたがテーマ外の車が段々と集まってくれて良かったです。

本日のテーマですが、オーナーの後藤さんと相談して決めたと伺いました。お客さんと一緒になって考えているとは驚きました。

そうなんです。「お客さんに刺さるテーマって何だろう?」ということをお客さんと一緒に考えることも時々あるんです。

後藤さんの愛車「750ザガート」。“ダブルバブル”のルーフに魅かれて購入したそうだ。

テーマを決めるときに意識していることはありますか?

「自分たちが見たいかどうか」ですね。基本的に「思いつき」から始まります。クルマ・バイクコーナーのスタッフからの思いつき、お客さんからの思いつきですね。あるスタッフの「女性ドライバーの方にお集まりいただきたい」という思いつきが実現したこともあります。

売上げや集客といったことは意識されないんですか?

まずは来ていただきたいと思っています。というのもモーニングクルーズって最初はノンテーマだったんです。早朝は駐車場が空いている。それを見たお客さんが「だったら車好きで集まりたいね」と言ってくれたことがきっかけなんです。当時集まったのは20台くらいでしたね。だからテーマってそんなにカッチリ決めなくていいものだと思っています。

今でこそ毎月80台が集まる大きなイベントになっています。モーニングクルーズが広まった秘訣は何なのでしょう?

気軽さがウケたんだと思います。最初はノンテーマでしたし、駐車料金無料で誰でも参加できますからね。その気軽さがお客さん同士の口コミで広がったんだと思います。私たちもFacebookで告知したり数社から取材を受けましたが、それほど積極的に情報発信はしてきませんでした。

たしかに気軽さを感じました。特に司会進行があるわけでもなく、ただ車好きが集まったという雰囲気でした。気軽さ以外にモーニングクルーズでこだわっていることはありますか?

“区別をつけない”ということですね。車というのは「持って、乗って、見る」ということが楽しさ。好きな車、好みではない車はそれぞれにあります。ですが本物だろうとレプリカだろうと、値段が安くても高くても、その人にとってはかけがえのない愛車ですよね。自分の愛車があるということがいかに素晴らしいかということが伝われば嬉しいです。

本以外でもクルマ・バイクの楽しさを教えてくれるのが代官山 蔦屋書店のいいところだ。

今日のイベントでもテスラとハコスカが並んでいたのが面白かったです。開始当初から“区別なく”行ってきたモーニングクルーズは今回で82回目でしたが、今までで印象に残っている回はありますか?

「この回が印象に残った」というよりは、テーマを決めて、テーマに沿った車が集まって「すごい!」となって。そうしたらテーマ外の車が来て「えー!」と驚くこともあって。その時のお客さんの驚いた顔を見るのが好きですね。
でもやっぱりレアなテーマのときにズラズラ集結するのは楽しいですよね。ディーノでも、2000GTでも。一車種だけが並んでいる光景なんてここでしか見られないですから。

今後やりたいことは何かありますか?

大きい会場で、っていうのはやってみたいですね。私たち主催で、ノンテーマで集まる。500台でも1000台でも、ただ単に集まってほしいです。お客さんによっては「年代ごとに並べて」「メーカーごとに分けて」とおっしゃる方もいらっしゃいます。ですがそうではなく、来た順に駐車させるんです。ブースやお店も開きません。そんな風景が見たいです。うちのスタッフ9人しかいないから…運営どうすんのって話ですけど(笑)

そしてモーニングクルーズは今後もずっとやっていきたいですね。今まで歩んできた軌跡もありますし。毎月開催してきて、この11月でちょうど7年になりました。開始から6,000台以上の車が集まりました。人が足りなかろうと何だろうと続けてきたことには意味があったと思います。今では「モーニングクルーズ」という言葉も知れ渡っているようですし、毎月第2日曜日というのも浸透してきたおかげで今日のような限定的なテーマでもたくさんの人が来てくれます。何だってそうですが、続けることが大切だと思います。

最後に、モーニングクルーズに興味を持っている人たちにメッセージをお願いします!

まずはフラッと来ていただいて、車は乗るだけのものじゃないってことを感じてほしいです。近年のモーターショーなどでは車は「乗るための道具」として紹介されることが多いですが、「アート」でもあると思っています。持つことに価値があって、それを大事に育てていくというのも一つの楽しみ方。性能や価格に違いがあっても車への気持ちに違いはないということが、モーニングクルーズへの参加で伝わればいいなと思います。

ありがとうございました!

モーニングクルーズは初参加、車初心者でも楽しめる!

筆者にとって車オフ会の参加は今回が初めてだった。モーニングクルーズを終えた率直な感想は「楽しい」、このひと言に尽きる。正直に言うと、筆者はそれほど車に詳しくない(同伴した社員は詳しいので取材は滞りなく行われた)。少なくともオーナーの皆さんの車についての知識・経験のほうが多いのは明らかだ。開始直前まで参加への不安があったのも確かだ。

それでも今は「来月も参加したい」と思っている。普段街で見かけることのないクラシックカーが続々と会場に入ってくる景色には心踊らされた。「車のことはまだまだ勉強中なんです」と伝えると、あるオーナーさんはアバルトの歴史を事細かに教えてくれた。またあるオーナーさんは「ここにいるほとんどの人たちと友達だから」と言って別のオーナーさんを紹介してくれた。第1回のモーニングクルーズからずっと参加してきた人もいれば、初参加だという人もいた。参加は2回目だが主催者の清野さんと古くからの友人で、今回のテーマ「1979年までのアバルト」を決めた人にも出会った。愛車についての話だけではなく、「奥さんに尻に敷かれている」なんていう笑い話で盛り上がることもあった。

代官山 蔦屋書店・モーニングクルーズはそうした出会いの場なのだと思う。車と出会い、人と出会う。車に詳しくなくても、出会った人から話を聞くことで車に興味を持つ。もっと知りたいと思ったなら、すぐそこに車に関する本がある。ちょっと寄ってみよう。

そうしてまた、新たな車と出会う。次のモーニングクルーズでの出会いが待ち遠しくなってくる。

清野 龍太(せいの・りゅうた)さん

代官山 蔦屋書店 クルマ・バイクコンシェルジュ

中学生の時に見たランチア・デルタ・インテグラーレに魅せられてクルマ好きとなる。クルマとバイクの専門書店であるリンドバーグに入社しバイクも好きの対象となり、代官山 蔦屋書店のクルマ・バイクコンシェルジュとなってからはモーニングクルーズを始めとして幅広くクルマとバイクのあるライフスタイルを提案し続けている。1978年生まれ。

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