日本でもBMW、メルセデスベンツと共に三大高級自動車メーカーの一つに数えられるドイツのアウディ。メーカーにはここまで歩んできた様々な歴史がありアウディにも紆余曲折がありました。アウディをより深く知ることで、興味をもったり、車をさらに好きになることもあるでしょう。そこで今回は、アウディという企業についてその歴史や名車を詳しく紹介していきます。
アウディの歴史
アウディの設立
アウディの創設者はアウグスト・ホルヒという人物でもともとはベンツの自動車学校で技術を学んでいました。その後、ベンツから独立し1900年に自分の会社ホルヒを設立します。ホルヒは高級志向の自動車メーカーで、レースにも積極的に参戦していました。設立者であるアウグスト・ホルヒはその中で新車開発を担当していましたが、高級志向で良質な車を追い求めるあまり経営陣と衝突し、しまいには1909年に会社からの追放までされてしまいます。会社を追放された後、すぐに自分の会社を新たに設立したアウグスト・ホルヒですが、その会社の名前にもホルヒが入っていたため最初に設立したホルヒ社から名前を使うことを禁じられてしまいます。そこで、ラテン語でホルヒと同じ「聞く」という意味であったアウディを新たな会社につけました。
アウトウニオン結成
そんなアウディですが、設立後順風満帆とはいかず、ドイツは第一次世界大戦に負けた上世界恐慌も重なったので国内の経済が大不況に陥ります。その影響をアウディやホルヒなどの自動車メーカーはもろに受け、経営は大きく傾いていきます。そのような状況の中、ドイツの自動車メーカー4社(アウディ、ホルヒ、DKW、ヴァンダラー)はなんとか協力して凌ごうと結束し、アウディウニオンを結成します。これが現在まで続くアウディの起源となっています。現在のアウディの有名な四つの輪が重なったエンブレムはこの当時できたもので、四つの輪はそれぞれアウディ、ホルヒ、DKW、ヴァンダラーを表しています。
アウディが生み出した名車
Audi quattro
現在のアウディの中心技術と言っても過言ではないクワトロシステム。このクワトロシステムを一番最初に搭載したのがAudi quattroでした。クワトロシステムは四輪駆動のシステムで全てのタイヤに同じトルクを分けるのではなく、タイヤの滑り具合によってトルクを配分するという画期的なシステムです。このシステムが誕生したことにより、当時戦争のオフロードの場面でしか使われていなかった四駆がオンロードの街中でも活躍できるようになりました。また、この車はラリーでも大活躍し、アウディの名を瞬く間に世界中に知らしめました。
Audi TT
アウディはデザインが良いとは言われていますが、その大きなきっかけとなったのがアウディTT。1998年に発売され、円をデザインの至る所に散りばめたデザインは当時のカーデザイン界を大きく変革したと言われるほど新しく、独特なデザインでした。その造形は今も全く色あせておらず、今見ても美しいと感じるデザインになっています。また、クーペとしてはやや小さいサイズで、燃費も悪くないため実用面でも人気を博した車と言えます。
Audi R8
アウディR8もTT同様発表された当時はその独特なデザインで世界中の注目を浴びました。サイドブレードと呼ばれるエアディフレクターは機能とデザインを兼ね備えており、走行性能もクワトロシステムによって文句がないほど素晴らしかったので、R8は2008年の「ワールド・パフォーマンスカー」賞と「ワールド・カーデザイン・オブ・ザ・イヤー」賞を同時受賞しています。
アウディ車の魅力とは
バランスが優秀
アウディ車の魅力として、欠点が少ないことが挙げられます。燃費も悪くなく、走りも非常に優秀、価格も高すぎるわけでは決してないので、欠点の非常に少ない優等生タイプの車です。別の言い方をすれば文武両道な車とも言えます。優等生的な車が良いのか悪いのかというのは個人の意見になってきますが、日常生活で使う上では欠点が少ないことは非常に大切ですし、買っても決して損をしない車になってきます。
デザインの良さ
二つ目の魅力はデザインの良さ。先ほど紹介したAudi R8でも軽くお話しましたが、アウディのデザインは自動車業界でもかなり評価が高く、「ワールド・パフォーマンスカー」賞と「ワールド・カーデザイン・オブ・ザ・イヤー」賞を実は2年連続でアウディ車が同時受賞しています。また、そのデザインが長年経っても魅力が衰えないどころか、むしろ味が出てくるのもアウディデザインの魅力です。