車選びにおいて、どの車のするかを決定づける要素ではないものの、快適という面で非常に大きく影響するのが車の静粛性。
車の音が静かな方が会話も弾みますし、ストレスも少なくなります。
今現在、ハイブリッドや電気自動車が人気となっているのは、もちろん燃費などが良いということもありますが、静粛性に優れているということも理由でしょう。
そこで今回は、車の静粛性という点に重きを置いて静粛性の高い車ランキングを作成してみたいと思います。
静粛性を決める4要素
エンジン音
エンジン音は、車が発する一番大きな音と言っても良いでしょう。
そのくらい大きな音です。
エンジンというのは、ガソリンを爆発させてパワーを得るという性質上どうしても音は大きくなってしまいます。
特にディーゼルエンジンなどは顕著です。
車の静粛性を高めるためには、このエンジン音をなるべく抑えるということが欠かせないものとなってきます。
ハイブリッドや電気自動車などはこの面で非常に優れていますね。
ロードノイズ
次にロードノイズ。
ロードノイズはタイヤと道路が摩擦することによって起こる音で、ゴーという音がなります。
やはり車の音というと、先ほどのエンジン音のイメージが先行してこちらのロードノイズにはあまりうるさいというイメージはないかもしれません。
実はこのロードノイズは車の乗り心地にかなり影響していて、車に乗車中はエンジン音よりも大きい場合があります。
特にエンジン音については室内まで音が届かないように遮音材などで音を抑えている場合が多いのですが、ロードノイズはそこまでの対策は練られていないので、室内まで聞こえてしまいます。
ハイブリッドや電気自動車などに乗っても、外から聞いていたほど静かではないのは、このロードノイズがあるからです。
ボディの軋み
今までの二つの要素と比べるとこの音はそこまで大きな音を出しているわけではなく、うるさいというほどの音でもないのですが、大体の車のボディは鉄板などをつなぎ合わせて作っているのでどうしても軋みの音は発生してしまいます。
他の音の方が大きければ気にはならないのですが、ロードノイズやエンジン音が静かな車になればなるほど気になってしまいます。
風切り音
最後に風切り音。
これは車に限らずどんな移動するものにも言えることですし、人間にも言えることですが風が強いと空気の渦が多くでき、周波数が高くなってしまうのでピューという風切り音が鳴ってしまいます。
これは車のボディの形状に大きく左右され、基本的に空位抵抗が少ないほど風切り音は少なくなるので、SUVやミニバンよりもセダンの方が静かな車内になっています。
静粛性の高い車ランキング
5位 トヨタ クラウン
日本を代表する高級車の一つであるクラウン。
「いつかはクラウン」というキャッチフレーズが国民に浸透するほど誰もが知る高級車であり、その期待を裏切らないパフォーマンスを備えています。
やはりそれだけ支持されるには支持されるだけの理由があり、静粛性においても国産車では最高クラスの出来栄えです。
クラウンで特筆すべきなのが、サスペンション。
サスペンションはタイヤと車体を繋げるものなので、ロードノイズを取り除くための一番大きな役割を担っています。
クラウンではそのサスペンションに「いなしサスペンション」という形式を採用しています。
このサスペンションではサスペンションを構成するアッパーアームを開断面形状としており、車体への振動を他のサスペンションに比べて大きく減らすことができます。
その結果、ハイブリッドのグレードも相まって非常に静かな乗り心地となっています。
4位 レクサス LS500h
日本の最高級ブランドでもあるレクサスの中でも一番高級な車となるレクサスLS500h。
ハイブリッドとなっているのでエンジン音はもちろん静かなのですが、特に力が入れられているのが、窓やドアの遮音性。
LS500hでは風切り音が全くしないと言って良いほどしません。
それは、ドアと窓ガラスの間に風の流れを自然にする整流フリップを設置し、窓ガラスとドアとの間の段差をできる限りなくしている上、ドアやガラスに使う素材も遮音性の高い素材を使用しているので、スムーズに風が流れていくようになっているからです。
また、エンジン音に関しては加速時も一気に回転数を上げるのではなく、緩やかに上げていくようになっているので、加減速で唸るようなこともありません。
3位 マイバッハ Sクラス
ベンツのマイバッハはベンツの中でも最高級のグレードです。
ベンツの中でも特に最高級のグレードというだけあって価格もとんでもなく高いですが、その性能や静粛性は折り紙付きです。
マイバッハの特徴である、前後に非常に長いロングノーズの形状と空気抵抗を少なくする為の流線型のボディ。
風切り音が少なくなるように設計された車体は非常に静かで、その上に多くのお金をかけて、遮音材や特殊シーリング技術を後席を囲うように配置しています。
その結果、後席は四方八方からの雑音を全て遮断するので、メルセデスベンツ日本の社長が「量産車として世界最高の静粛性を実現した」と豪語するのもうなづけるほどの静かさとなっています。
マイバッハほど高い車を買う人は、運転手が付いていて当たり前と考えられているので後席中心の造りになっているのでしょう。
2位 トヨタ センチュリー
日本の中でも最も高級な車と言っても過言ではないトヨタのセンチュリー。
代々天皇や皇族の方が乗っていることでも有名な正真正銘のVIPカーです。
その乗り心地は走りだしたことに気づかないほど滑らかで、ハイブリッドとなっているのでエンジンの振動や音は全くしなくなっています。
センチュリーはロードノイズの軽減にも多くの労力がかけられていて、サスペンションの部品一つ一つに細かいチューニングが施されています。
他にも走行中に車高が一定に保たれるようになっているので、車高が変わることによって発生する風切り音が抑えられていますし、乗り心地も非常に安定しています。
風切り音に関してはさらに手間が加えられていて、職人の方が吸音材や遮断材を一つ一つ手作業で貼り付けられている上、車内にノイズキャンセリングの技術が使われており外からの音が全くしない造りとなっています。
1位 ロールスロイス ファントム
センチュリーが日本で最も高級な車ならば、ロールスロイスのファントムは世界で最も高級な車といっても過言ではないでしょう。
世界中のVIPたち御用達の車で作っている側もVIP達ばかりという、まさにセレブの為の車となっています。
ファントムの逸話として「ボンネットの上にコインを立ててエンジンをかけても倒れない」というものがあるほど、エンジンの静粛性は抜群に優れています。
ファントムが静粛性において、他の車とは一線を画している点がファントムはロードノイズやエンジン音はもちろんなのですが、ボディの軋みによる音まで鳴らないように作られているというところ。
その為にボディは基本的に一枚に板で作られており、作業もそのほぼ全てが手作業で行われているという徹底ぶりです。
静粛性の高い車の一位にふさわしい車と言えるでしょう。