かつて人気を博した日本独自の軽自動車規格が崩れ始める

日本で生活していると軽自動車を見ない日がないくらい数多くの軽自動車が走っています。軽自動車の需要は一般家庭のみならず、企業にとっても重要な役割を持っています。軽自動車のメリットは維持費の安さや初期費用の安さなどさまざまあります。しかし、この軽自動車規格の自動車は日本のみで普及している規格です。なぜ軽自動車規格は生まれ世界では普及していないのでしょうか。また、近年この軽自動車規格の車が廃止される可能性が出てきました。なぜ長年愛されており、需要のある軽自動車規格の自動車が廃止されるのでしょうか。

日本だけの特殊規格軽自動車

日本でとても重要な役割を持っている軽自動車はさまざまな場面で活躍しています。しかし、日本の外へ目を向けてみると全く軽自動車規格の自動車を見かけることはありません。軽自動車が輸出されることはあってもその国に需要があるわけではなく、日本のように軽自動車規格の自動車が普及している国はありません。なぜこのような規格が普及しているのでしょうか。

軽自動車規格とはどんな規格?

日本で人気の軽自動車規格について詳しく紹介していきます。軽自動車規格は

  • 定員数4名
  • 全長3.40m以下
  • 全幅1.48m以下
  • 全高2m以下
  • 排気量660cc以下
  • 貨物積載量350kg以下

であり、この基準を満たしている車が軽自動車として認定されます。この軽自動車規格は時代により異なります。軽自動車のメリットは保険や税金などが免除されたり、高速道路が安くなるため普通自動車に乗っているよりも維持費がとても安く済みます。そのため普通車を維持するのが厳しい家庭でも軽自動車なら維持しやすい場合もあります。維持費以外にもメリットがあり、自動車のサイズがとても小さいため小回りが利き操作しやすいです。また最近の軽自動車は室内空間が広く取られており、窓が大きいため視野が広く運転しやすいのが特徴的です。

軽自動車規格はなぜ海外にないの?

さまざまなメリットを持った軽自動車ですが、なぜ日本以外にこの規格が存在しないのでしょうか。一つ目の理由としてあげられるのは軽自動車の恩恵を海外で受けられないことにあると思います。軽自動車は税金や保険料など普通自動車と比べて優遇されていますが日本国外では軽自動車に対して優遇措置はありません。もし日本で軽自動車の優遇措置がなくなったら軽自動車に近いコンパクトカーに乗り換える人も少なくはないのではと考えられます。そのため海外では軽自動車はただの小さい車であり何も特別ではありません。

衝突安全性能の面から見ても海外では販売できない理由があります。海外にて自動車に求める衝突安全性はとても高い水準であり、コストカットされ小型な軽自動車はその基準をクリアできず海外で販売できないということがあります。また海外の生活スタイルに合わないことも考えられます。海外では高速道路が主体であったりするので小排気量の自動車の需要は小さいです。また、環境性能を考えるとハイブリッドカーなどを選んだ方が生活様式的にも環境面でもいい結果を望むことができるというのも要因だと思います。

軽自動車の中でも優れた車

日本にしかない軽自動車の中でも筆者の趣味全開で名車だと思う自動車を紹介していきたいと思います。

ダイハツ・コペン

コペンはダイハツから販売されている軽自動車です。丸いヘッドライトで可愛い見た目のコペンですが、軽自動車ながら電動ルーフを兼ね備えた本格的なオープンカー体験をすることができます。また2代目コペンでは外装の交換が簡単にできるためカスタマイズ性が高く好きな見た目に変更できる点が評価されています。

スズキ・カプチーノ

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BA%E3%82%AD%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%97%E3%83%81%E3%83%BC%E3%83%8E

カプチーノはかつてスズキが販売していた軽自動車です。このカプチーノは軽自動車ながらフロントエンジンリアドライブ通称FRを採用した軽自動車スポーツカーです。超小型で重量の軽いカプチーノはチューニングのベースとして使用されることが多く、現在でも中古での取引は高値で行われています。FRを駆動輪とするカプチーノではドリフトができますが、軽自動車のためホイールベースが短くドリフトするためには高度なテクニックが必要です。

ホンダ・S660

https://www.honda.co.jp/S660/

ホンダが販売している軽自動車オープンカーです。かつて販売していたビート以来19年ぶりに復活したオープンスポーツカーです。ミッドシップレイアウトを採用しており運転席後方からエンジン音の聞こえる他のスポーツカーでは得られないような体験をすることができます。軽自動車ながら安全性を考慮した作りとなっており、一線入魂ボディを採用しており北米法規を基準に開発されています。そのため高い安全性能を実現しオープンボディにおける剛性の強化や軽量化が図られています。ミニNSXと呼ばれるほど完成度の高いS660はファンも多く海外からの指示も高いです。

軽自動車規格が滅ぶX Day

軽自動車が販売され始めてから月日が経ち、現在使用されている自動車の4割は軽自動車です。そんな軽自動車規格の車がなくなってしまう可能性が出てきました。なぜ人気のある軽自動車は無くなってしまうのでしょうか。その理由に迫っていきたいと思います。

個性の無い軽自動車ラインナップ

軽自動車規格の自動車はニーズが似ているので似たようなデザインの車が増えています。車をよく知らない人が見分けのつかないデザインになってしまった原因は複数あるのではと考えられます。一つ目は居住性のニーズです。軽自動車を選ぶ人は子供のいる家庭を持っていることが多く、荷物や空間の広さを求めている傾向があるのだと考えられます。そのため最近の軽自動車は四角い箱のような形をしたデザインのものが人気があります。

もう一つ考えられるのは軽自動車規格であることの縛りです。居住性を高めるために軽自動車規格のギリギリまで大きくした結果四角いデザインに落ち着いているのではと考えています。軽自動車の乗り心地は昔の物と比べてもかなり乗りやすく変化しており、走る楽しさを感じられる車も存在します。

軽自動車を持つメリットが消える?

軽自動車を所有するメリットとして維持費の安さが挙げられますが、その維持費の安さも今後なくなる可能性があります。軽自動車という企画は経済発展のために多くの人が車を利用する必要があるとして設けられた規則であり、現在では多くの人が車を所有しています。そんな中、環太平洋パートナーシップ協定にてアメリカが軽自動車税の増税を要求してきました。アメリカの自動車メーカーが日本へ参入する際に軽自動車規格の車がラインナップにないことは機会損失になります。また、新しく軽自動車規格の自動車を製造するためにも膨大なコストがかかるため参入が難しいのが現状です。そのため軽自動車の流通を少しでも抑えるため今回の増税が行われました。このようなことから、いつになるかわかりませんが将来的に自動車の企画は統一される動きになることが予想されます。

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