結局ライドシェアは日本で普及できるの?最大の問題点「白タク」とは

みなさんは「白タク」という言葉をご存知でしょうか?国から認可を受けていないために白いナンバープレートをつけたタクシーのことで、現在の日本では違法であり禁止されています。長い間取り締まられてきた白タクですが、減るどころか近年益々増加しています。

果たして、白タクは禁止すべきことなのでしょうか?モビリティ革命(MaaS)が進む現代は、白タクを見直すタイミングなのではないでしょうか?白タクとそれにまつわる法律・制度がMaaSの要素である「ライドシェア」の普及を妨げているとすら考えます。海外で普及している「Uber」や「Crew」が日本で普及しない原因はここにあると言っても過言ではありません。

白タクの何が問題で、今後どうしていくべきかについて考えてみます。

白タクが違法の理由

白タクとは

白タクとは、白色のナンバーをつけた個人タクシーのことです。正規のタクシーと同じように送迎サービスを提供し、お金を受け取っています。正規のタクシーは国からの認可を受けて緑色のナンバーをつけているため、それと比較して「白タク」と呼ばれるようになりました。タクシーなど運送事業を行う場合には国からの認可が必要ですが、白タクはその認可を受けていないため違法行為です。ホテルなどの送迎サービスで宿泊客から運賃をもらうことができない理由はここにあります。

白タクを禁止する法律・罰則

道路運送法第四条には「一般旅客自動車運送事業を経営しようとする者は、国土交通大臣の許可を受けなければならない。」とあり、第九十六条にはこの規定に反した者は「三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」とあります。

また第七十八条において「自家用自動車は、災害のため緊急を要するとき、市町村や特定非営利活動法人その他国土交通省令で定める者が公共の福祉を確保するためやむを得ない場合を除き、有償で運送してはならない」と定められています。そして第九十七条でこれに違反した者は「一年以下の懲役若しくは百五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」とあります。

なお、罰則の対象となるのは運転手のみです。乗客は白タクだと認識していようがいまいが罰則はありません。

また必要な運転免許の種類ですが、通常の一種免許だけではタクシー運転手にはなれません。事業として客を乗せてお金をもらうには二種免許が必要です。

白タクの抜け道と事例

最近ではアプリによって運転手を選んで白タクを呼ぶという仕組みが主流となりました。料金もアプリ上で支払われてしまうので、白タクを支払いのタイミングで検挙して取り締まることが難しくなっています。仮に白タクだと思われる車を見つけたとしても「友達を送迎しただけだ」と言われればそれまでです。警察が検挙に至ることはありません。白タクの取り締まりは困難を極めています。

近年は外国人観光客向けの白タクが増えています。国際空港で待ち合わせ、来日した外国人を乗せるのです。外国人たちは事前に配車アプリで白タクを予約し、インターネット上で既に支払いを終えています。

白タクの問題点のひとつが「ぼったくり」です。非合法であるため、自分たちで決めた金額でサービスを行ってきました。ですが現在は各ドライバーの評価が配車アプリ上で見られるため、合法のタクシーよりは高い料金ではありますが、それでも充分なサービスが受けられるようです。

ライドシェアは違法ではないのか

では一方で、現存するライドシェアサービスは違法ではないのでしょうか。

2018年3月に国土交通省から出された通達によって、サービスの利用者が運転手へ渡すものが「任意の謝礼」や「金銭的な価値や流通性が低い物」である場合、ガソリン代や駐車料金など「運送に必要な費用」である場合には相乗りは違法ではないとされました。

ライドシェアサービス「CREW」でも任意の謝礼と実費(ガソリン代+高速道路料金)をドライバーに支払います。CREWのWebサイトでは任意の謝礼について「料金」・「運賃」などと誤解を招く表現をしたり、タクシーの代わりとしてサービスを利用することを禁止しています。

白タクを解禁するメリット・デメリット

白タクの法律を改正し解禁した場合、私たちにとってどのようなメリットとデメリットがあるでしょうか。

メリット

白タク解禁の最大のメリットは、過疎が進んでいたり、高齢者が多い地域での移動が楽になるということでしょう。車が必要不可欠なこれらの地域で一般の運転手が乗るタクシーが増えることは大変移動を楽にします。観光で訪れた人たちにとっても便利になるでしょう。

また、個人タクシーが増えることで業界全体の料金が安くなるというのもメリットです。

デメリット

運転技術が未熟でも配車サービスを行えるので、危険性が増すというデメリットがあります。正規のタクシー運転手は二種免許を取得し、サービス提供者として充分な教育を受けています。一方、白タクの運転手は必ずしも運転技術が高いとは言えません。ですので、交通事故の増加など安全性が疑われています。万が一事故が起きた際にも保証や保険が受けられるかどうかも微妙なところです。

また、運送料金がやすくなるというメリットを挙げましたがその反面、サービスのレベルが一定ではなくなるでしょう。

ライドシェア普及に向けて

Uberの失敗と白タクの一部解禁

白タクの禁止がライドシェアの普及を妨げているのは間違いありません。2015年2月、Uberは日本でライドシェアの運用実験を行いましたが、国土交通省から「白タク行為に当たる」との指導を受け1ヵ月で中止しました。これに対し安倍首相は「過疎地などでの観光客の交通手段に自家用車の活用を拡大する」と白タクの一部解禁について検討しているようです。

自家用車での有償運送は市町村・非営利団体によって行われてはいました。ただし乗客は地域住民に限り、支払いは実費の範囲内のみであり、運転手は二種免許が必要です。ですが、2016年に国家戦略特区法が一部改正されたことで乗客が訪日外国人にまで拡大されました。

一方、国土交通省はこれについて「ライドシェアの拡大は意図していない」と述べ、あくまで過疎地の移動を便利にするものだと示しています。

日本でライドシェアを普及させるために

白タクの解禁によるデメリットが懸念されるところではあると思います。安全性の確保について、確かに一般のドライバーは一種免許しか持っていません。ですが、ライドシェア普及のために一定の基準を設けた人のみがサービスを行える仕組みを作れば問題ありません。

また、タクシー業界の利益を圧迫するとして非難する声があります。しかし、これは単に自分達の既得権益を保持しようとしているだけに思えます。むしろ、「Japan Taxi」などタクシー配車アプリがあるように、より快適に移動するためのサービス基盤では一歩リードしていると言ってもよいでしょう。「タクシー業界 vs 白タク」ではなくMaaSという広い枠組みの中で両者がどう戦うかのほうが重要だと考えます。それこそ過疎地域では人手が足りていませんから一般ドライバーによるライドシェアをもっと普及させるべきです。逆に交通量が多く危険性も高まる大都市では従来のタクシーが多いと安心です。

日本は観光立国を掲げていますが、インバウンドを発展させるためにはUberやLyftを日常的に利用する外国人の顧客心理を捉える必要があります。そのためにも民間企業が自由にライドシェアサービスを行える環境をつくらなければなりません。現在のサービスの対価は基本的に実費のみですが、今後は新しい収入の仕組みをつくることも重要です。「謝礼」は現代にマッチした良い方法だと思いますが、どれくらいのサービスを受ければどれくらい払うといった基準が曖昧です。とはいえ基準をカッチリ決めてしまうと、それはタクシーと何が違うのかという話にもなってきます。こうした細かいルールまで見据えた法整備(白タク解禁)がライドシェアの普及には重要になってくると考えます。

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