ドリフト走行は頭文字Dなどの人気漫画で題材にされた走行方法で、現在ではD1グランプリやフォーミュラDが行われるほど人気のあります。ドリフトは80年代から90年代にかけて人気があり日本の経済が活発な時期でした。日本車でもドリフトに適したFRスポーツカーが数多く販売され、多くの若者が車を購入してドライブに出かけている時代でした。デートカーと呼ばれる車もFRスポーツカーであったり、ドリフトする環境の整っていた時代でした。しかし現在ではドリフト走行する人はめっきり減ってしまいました。なぜドリフト走行の人気がなくなってしまったのでしょうか。
ドリフト走行が人気だった理由
ドリフト走行はなぜ人々を虜にし峠へ駆り出したのでしょうか。ドリフトは漫画やアニメになり、実際の競技で人気のある走行方法です。何か人々を虜にする理由があるのかもしれません。
モータースポーツ界のフィギュアスケート
ドリフトはモータースポーツ界のフィギュアスケートと言っても過言ではありません。なぜならドリフトは速さを競うものではなく、走る美しさを競うのが今のドリフトです。今までに多くの人がドリフトの魅力に魅せられてきました。ドリフトはサーキットのグリップ走行よりもテクニックを要求される走行方法で難易度の高いのが特徴です。エンジン音を轟かせながら車体を滑らせ磨いたテクニックで車を操る楽しさがドリフト全盛期の若者を虜にしました。
頭文字Dやワイルドスピードで再び注目される
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③部作目もぜひチェックしてみて下さいね!#頭文字D pic.twitter.com/2Y7QgOLMJD— 『頭文字D』公式 (@initialD_PR) 2016年4月10日
人気漫画の頭文字Dでは主人公の藤原拓海を中心に峠でドリフト走行を楽しむ走り屋の若者の姿が描かれています。アニメ化や映画化までされた頭文字Dは社会現象を巻き起こし主人公の乗っているAE86の中古車価格は高騰する原因となり、のちにトヨタ・86が販売されるきっかけとなりました。ワイルドスピードX3では東京が舞台の映画でドリフトを中心にストーリーが展開されます。外国人のイメージするとんでもニッポンで評価を落としてしまっているワイルドスピードX3ですが東京で行われるカーチェイスは一級品です。映像作品のみならずD1など競技も世界的に注目を集めておりドリフトは人気の走行方法です。
ドリフトが廃れた原因は一体?
ハリウッド映画でもドリフトが題材になる程世界的に注目されていますが発祥の地である日本においてドリフトの人気は下火です。なぜドリフトの人気はなくなってしまったのでしょうか。
新車市場におけるFR車の減少
世界的に見ても新車市場におけるFR車のラインナップは減少傾向にあります。現在販売されているスポーツカーは86やNDロードスターなどがあります。軽自動車規格であればS660が販売されています。しかし、ドリフト全盛期であった80年代から90年代の間に販売されていたFR車の数と比べるとかなり少ない割合です。中古市場に目を向ければ全盛期に活躍していた車が見つかるかもしれません。中古市場でドリフトができる車を見つけられるのも時間の問題であり、事故で廃車になるなどさまざまな理由で車の数が減少していくことが考えられます。ドリフトに適した車を選ぶのに困らない時代がドリフト文化を支えていたのかもしれません。
車の高額化
ドリフト全盛期の80年代から90年代に販売されていた自動車の値段は今の常識では考えられないほど高額です。当時販売されていたスポーツカーは現在販売されている軽自動車よりも安く買えます。考えられる理由としては大衆車向けの量産されたシャーシにスポーツ向けのエンジンを乗せた車が多かったこと、衝突安全性能などの基準が今と比べて低く自動車自体のの設計が簡易的であったことがあげられると思います。現在販売されている自動車と比べると薄いボディや隙間の空いたエンジンルームなど価格相応の作りであることは否めません。しかし、スポーツ走行する際に重要な車重が衝突安全性能を追求している車よりも軽量でした。また、現在の複雑な自動車よりも簡易的な作りであったのでメンテナンスや改造が簡単にでき、エンジンルームのスペースを活用したチューンナップを可能であり高いポテンシャルを持ち合わせた車が多かったのも事実です。
峠の規制強化
ドリフトを行うとタイヤが滑る際に発生するスキール音が度々問題となり、周辺地域に住んでいる住人の方に迷惑をかけてしまうという問題が発生します。また、峠の狭い道でのドリフトは少しの失敗でも事故につながりかねないのでとても危険な行為です。またドリフトに失敗してスピンしガードレールや民家に追突してしまうなどの事故があとを絶ちません。このようなことから警察による見回りや路面に凹凸をつけて物理的にドリフトができないようにするスピードセーブ工法や路面に溝を掘りドリフトしにくくするグルーピング工法で峠でのドリフト走行を制限しています。場所によっては本格的に夜間の走行を規制する峠も現れており、現在ドリフトを楽しめる峠はほとんどありません。峠や公道でのドリフト走行は危険性も高く、法律の範囲を超えた走行方法なので推奨しません。
今でもドリフトできる場所
気軽にドリフト走行できるサーキットもありますが必要な装備も多くあります。まずスポーツ走行に耐えられる車も必要ですし、安全を考慮したレーシングスーツやヘルメットの購入も検討する必要もあります。また通常のシートベルトでは危険なので4点式以上のシートベルトにする必要があり、前準備だけでも費用がかかります。スポーツ走行する際は安全第一で行い、走行をより楽しく行いましょう。
日光サーキット
日光サーキットでは全日本プロドリフト選手権通称D1グランプリが開催されていた場所として有名なサーキットです。また日光サーキットでスポーツ走行する場合はライセンスの取得が必要なので初めて行く際は初期費用などがかかります。コースは小さく短いですが大会で使用されることもあり、非常にテクニックを必要とするコースです。日光サーキットでドリフトを練習すればテクニックを磨けるかもしれません。
筑波サーキット
筑波サーキットではジムカーナ場としてドリフトのできる場が提供されています。ジムカーナコースでは普段乗っている車で参加できるので気軽に参加でき、ドライビングテクニックを磨くのに適している場所です。しかし筑波サーキットでは個人単位でスポーツ走行枠を設けておらず、気軽に練習したい方には向いていません。ジムカーナコースで走行するには定期的に行われているさまざまな団体の走行会に参加する必要があります。コミュニティに参加することで新たな出会いがあったりノウハウの共有ができる優位性があります。
富士スピードウェイ
富士スピードウェイではドリフトキングこと土屋圭一氏が監修して作られたドリフトコースがあります。細長くコースは高速コーナーとタイトなコーナーが織り混ざっているのでさまざまなパターンのドリフトを練習することができます。またドライビングスクールや練習会などが定期的に行われているので初心者でドリフトの色はを知りたい方にオススメのサーキットです。また、大会も開催されるので腕に自信のあるドライバーの方や自分の腕を確かめたい人も実力を試すことができます。