煽り運転が問題となっている今日この頃ですが、運転マナーって人それぞれ違うなぁ、と感じます。
この運転マナーの違い、とりわけ他の都道府県を運転したときに強く感じませんか?
運転マナーと都道府県には強い結びつきがあるようです。あなたの都道府県は、運転マナーが良い?悪い?どちらだと思いますか?
運転マナーの悪い都道府県はどこ?
運転マナーについての全国アンケート
JAFは居住する都道府県での交通マナーについて、全国の自動車ユーザー約65,000人にアンケートを行っています(JAF 「交通マナー」に関するアンケート調査結果・2016)。
このアンケートは、「自分たちの運転マナーが悪いことを自覚しているかどうか」を示します。
質問は10問、結果は以下の通りです(ワースト1、2、3位の順)。皆さんの都道府県は入っていますか?

- あなたのお住まいの都道府県の全般的な交通マナーについて、どう思いますか?
[香川、徳島、茨城]
※「悪い」「とても悪い」と回答した人の割合 - 信号機のない横断歩道で歩行者が渡ろうとしているのに一時停止しない車が多い。
[香川、愛知、埼玉] - 方向指示器(ウインカー)を出さずに車線変更や右左折する車が多い。
[岡山、香川、徳島] - 前方の信号機が「青」に変わる前に発進する車が多い。
[香川、大阪、茨城・福井(同率)] - 運転中に携帯電話(スマホ含む)を使用しているドライバーが多い。
[三重、大阪、福井・岡山] - 不要なクラクションを鳴らす車が多い。
[大阪、京都、福岡] - 無理な割り込みをする車が多い。
[徳島、大阪、福岡] - 信号機のない交差点で、歩行者が横断歩道を渡ろうとしている場合には、車は一時停止しなければなりません。そのことをあなたは知っていますか?
[福井、新潟、埼玉・岐阜]
※「知らない」「知っているが、たまにしか行動に移していない」と回答した人の割合 - あなたは普段運転中に、後方から他のドライバーに煽られることはありますか?
[茨城、福島、栃木] - あなたは思いやりを持ち、交通マナーを意識して運転していますか?
[福井、新潟、高知]
この結果から、「西日本、とりわけ香川や徳島、大阪といった瀬戸内海に面した地域が多い」のがわかります。
ちなみに東京の運転マナーは・・・?
参考までに、東京都の運転マナーを見てみましょう。

東京都は、①「全般的な交通マナーについて『悪い』『とても悪い』」と答えた人の割合が20.7%で、6番目に少ない結果でした。
さらに、2018年、東京都の交通事故死者数は143人でワースト7位でした。
(まず最下位ではないことに驚きですが)人口が多いと事故の件数も高くなるので、今度は10万人当たりの死者数を見てみます。
すると、なんと全国で最も交通事故死者数は少なく、10万人当たり1.04人でした。
東京は交通量が多いがゆえに、いつも慢性的に道路が混雑しています。だからこそマナー良く運転することが一番スムーズだとわかっているんですね。
また、東京では“必要な人だけ”が運転免許、車を持っているので運転が極端に下手な人が少ないとも考えられます。
「東京の人は冷たい」なんて言われることもありますが、意外にも運転マナーが良い都道府県なんですね。

大阪の運転マナー「赤は気をつけて進め」
しばしば運転マナーは“県民性”に影響されると言われます。
「交通マナーについて、悪いと思う」と答えた人が最も多い香川県には「利己的、合理的、自立志向が強い」といった県民性があります。
県民性だけで判断するものではないですが、「自分本位の運転をしている」と考えれば運転マナーの悪さも説明がつきます。
ここでは、しばしば運転マナーが悪いと言われる大阪府、愛知県と岡山県について詳しく調査します。

大阪府の運転マナーについて、以下のような事例がありました。
- 「青は進め、黄色は進め、赤は気をつけて進め」
- 些細なことでクラクションを鳴らす
- 見切り発進…信号待ちでは正面ではなく、左右(反対車線)の信号を見て発信する
- 二重・三重で路上駐車をする
- 車線に合流するときには、ある一定のリズムに合わせて半ば無理やりノーズを車列に突っ込む。すると自然に車線に合流できる
真偽はさておき、なんとなく大阪の人は気が強くてせっかちなイメージがある人も多いかもしれません。
大阪府民はどんな性格?
では実際のところはどうなんでしょうか。大阪府民の府民性を調べると、以下のようでした。
- 性格・言葉がハッキリしている。気が強い。「言うのはタダ、ダメもと」精神
- 情に厚く真面目。思いやりがある
- 自分に正直。規則に縛られるのを嫌う
- せっかち。長期的な視野に欠ける
- 無駄を嫌う
大阪は古くから商売の町として発展してきたので、大阪府民は商人気質なんですね。
ハッキリと物を言えて、より良い独自のルールを決めてきたわけです。
こうした性格は運転マナーにも出ていると言えそうですね。
また、「大阪はマナーが悪いのではなく、迷惑に寛容なだけ」というおもしろい意見もありました。
お互いに「情に厚く思いやりがある」ことを理解しているからこそ、半ば強引な運転が成り立っていることも考えられます。
大阪の交通事故の実態と大阪万博に向けた対策

大阪府の2018年の交通事故死者数は年間147人(ワースト6位)、10万人当たりでは1.67人(全国で2番目に少ない)と、どちらも東京に次ぐ結果となりました。
私たちが想像するよりは、運転マナーによって大きい事故は引き起こされていない印象です。
これには交通安全のための取り組みが功を奏しているようです。
例えば現在では、「御堂筋の6車線のうち側道2車線を全て歩道にする」という計画が進行中です。
御堂筋は大阪市のメインストリート。
交通量が多いことで有名で、かつては二重・三重駐車も多く見かけました。
しかし現在は規制が進められ、そうした違法駐車はほとんど見られなくなった模様です。
この計画は歩行者が増えてきたことを受けたことによるもの。2025年の大阪万博に向けて整備されていくとのことです。
愛知の運転マナー「名古屋走り」
愛知県の運転マナー(特に名古屋では「名古屋走り」として知られる)については、以下の事例がありました。

- 信号無視
- 「黄色まだまだ、赤勝負」と形容される“信号残り”。交通信号の切り替わり前後に交差点へ進入する
- 右折信号が点灯しているときに直進・左折する
- 黄色信号で止まった前の車両を後続車が追い越す
- 速度超過
- 車線またぎ…左右に車線変更を繰り返しながら走行する
- 早曲がり…青信号に変わったら即座に急発進し、直進する対向車より早く交差点を抜けて右折する
- 右折中の追い越し…前の車両が右折待ちしているときに、後続右折車が追い越す
運転マナーが悪いというより法律違反ですが、こうした問題はいまだに起きています。
愛知県民はどんな性格?
- 郷土愛が強い。地元に残るのを好んだり、よそ者には排他的な面もある
- 保守的。堅実・倹約
- 忍耐強い。一方、頑固でプライドが高い
一見すると、これらの県民性は運転マナーに影響を及ぼしていないように思います。
強いて言えば、プライドの高さから自分本位な運転をしてしまう、というところでしょうか。
また、悪い運転マナーを急に直すということに対して保守的なのかもしれませんね。
愛知の交通事故の実態
愛知といえばトヨタ、というくらい自動車産業が盛んな県。そんな愛知で交通事故が多いのは皮肉にも思えます…。
ですが自動車企業の城下町であるからこそ、車を所有するのが当たり前な車社会でもあるのです。
やはり車が多い分、事故数も増えてしまうのです。

2018年、愛知県の交通事故死者数は189人でワースト1位でした。
これは15年連続で最下位という記録です。
一方、10万人当たりでは2.51人で全国8位でした。
事故発生率としてはそれほど高くないことが伺えます。
愛知で交通事故が多いひとつの理由
愛知では運転マナーと県民性に強い結びつきがなさそうでした。
ではなぜ15年もの間、交通事故の記録が続くのでしょうか?
ひとつの仮説が浮かびました。それは・・・
「愛知は最先端の車社会だから」
おかしな話だと思うかもしれませんが、車が多いからこそどうしても事故は増えるわけです。
また交通量が増えるので、道や交差点が広くなっていたり、他県にはない道路の特徴があります。
例えば名古屋市の道路は車が多いうえ、道が広く車線の数が多いこともあって、左折レーン(一番左の車線)には多くの路上駐車がされています。
つまり、左折したい車が左折レーンを走ることができないということです。それにより、仕方なく車線またぎをしているという事実があります。
また交差点がとても広いので、右折待ちの前の車を追い越すスペースがあるわけです。
もちろん、道路が整備されているからといってマナーの悪い運転をしたり、法を犯すことは許されません。
そもそもなぜ先進的な車社会がつくられるのかを考えてみれば、より安全に運転するためです。
そのことをちゃんと意識して、マナーを守ることが事故の削減に直結します。
岡山の運転マナー
岡山県民の運転マナーで注目すべきは、やはりアンケートの「ウインカーを出さない」こと。
このマナーと岡山県の県民性は何らかの関係があるのでしょうか?

岡山県民の性格は?
岡山県の県民性はどのようなものでしょうか?
- 明るく、陽気
- 賢い。理知的で理論的
- 計算高く、打算的
- 真面目、努力家
- 世間体が大事。一方で、他人のことよりは自分のこと
岡山は古くから教育に力を入れてきたので、賢い人が多いです。
その反面、自分の都合よく物事を進める傾向があり、この性格が車の運転にも表れているのだと考えられます。
運転マナーを改善するための岡山独自の試み
運転マナーの悪さは岡山県としても重く受け止めているところで、岡山県知事の伊原木隆太氏は「運転というのは本当に県民性を映すところがあり、命に関わっているんだという意識をもっと浸透させなければ」と話しています。
そんな岡山ですから、マナーアップキャンペーンは定期的に行っています。
また、岡山独自の道路標示を設置して交通安全に努めています。
●合図マーク
交差点の手前約30メートルの地点に、合図(ウインカー)を出すよう促す標示。
ちなみに色は岡山ということでマスカットグリーンを採用している。
また、近年では「★合図」だけではなく、オリーブの形をしている合図マークもあるそう。
うどん県もあるけど「★合図」マークではなく「オリーブの形をした」マークも一緒にある。 pic.twitter.com/gEwikJkT3W
— マグロ@讃岐うどん (@magurocaptain) May 16, 2016
●愛ライン
横断歩道の停止線を従来の2メートルから5メートルまで後退させ、歩行者の安全を確保。

参照元:https://www.pref.okayama.jp/page/detail-72476.html
●トヨペット岡山
民間企業も岡山の運転マナーには危機感。
トヨペット岡山はユニークなCMをつくり、岡山の交通安全に貢献しました。
結果、岡山の運転マナーは・・・
こうした改善策の結果、岡山の交通事故死者数は29人も減少しました(2017年と2018年を比較)。
なんと岡山は、全国で最も死者数を減少させたのです。そして死者数の増減率でも29.9%減少で全国2位。
これは間違いなく、改善策が上手くいっており、運転マナーが向上していると言えるでしょう。
またこのことで、運転マナーは施策を取ることで改善させられることを証明しました。
全国から悪い運転マナー、そして交通事故による犠牲者をなくす指針になったのではないでしょうか。
最後に・・・
運転マナーと県民性の関連性について見てきました。
みなさんの住んでいる都道府県にもそれぞれに県民性があると思いますが、自分の運転マナーと結びついていそうですか?
初めて訪れる場所での運転はただでさえ心配です。
そのうえ、運転マナーに地域性があるというのはとても怖いこと。
どこかの都道府県に初めて行く際には、その場所の県民性を知ってから行くと運転の安心材料になるかもしれません。
そして何より覚えていただきたいのが、車の運転で大切なのは運転マナーの悪さを性格や県民性のせいにしないということです。
自分の性格をよく理解したうえで、運転にとって良い面、悪い面を吟味することです。
そして悪い面があるなら、それを絶対に出さないようにすることが大切です。
初めての人にも、長く暮らす人にも優しい運転をお願いします。