「なんで遅刻できない日に限ってフロントガラスが凍るの?(泣)」
急がなければいけない朝の時間帯、車の凍結に時間をとられ、うんざりしている人も少なくないはずです。もしかすると、なんとなくお湯をかけて対処している人もいるかもしれません。
しかし、結論を先に言うと、凍結したフロントガラスに熱湯をかけてしまうことはNGです。
そこで今回は、忙しい朝に、時間をかけずに凍結を適切に対処したいと考えている人たちのために、フロントガラス凍結のメカニズムと対策について紹介していきます。
フロントガラス凍結のメカニズム
「寒いのに凍ってない!」「そんなに寒くないのに絶対に凍ってる!」
冬に車を運転する人は、どんな日にフロントガラスが凍結してしまうのか疑問に思ったことはありますよね。
そんな疑問を解決するために、フロントガラスが凍結するメカニズムからみていきましょう。
※「とりあえず対策を教えてほしい」という方は読み飛ばしてください。
フロントガラス凍結の正体は「霜(しも)」
フロントガラス凍結の正体をみていきましょう。
まずは、凍結の正体である霜と密接に関係している「水」についておさらいしていきます。
「水」は、固体・液体・気体に姿を変えることができる不思議な物質として知られています。
- 水を凍らせた(0℃を下回った)ときに「氷」になる
- 氷に熱を加えたときに「水」になる
- 水に熱を加えたときに「水蒸気」になる
このように、条件に応じて水は変化します。
では、「霜(しも)とはどのようなものなんでしょうか?」
「霜」とは、 0℃以下に冷却した物体に、空気中に含まれる水蒸気が触れることにより、昇華(固体化)してできる氷の結晶のことをいいます。
寒さで急激に冷やされたフロントガラスに水蒸気が触れることにより、その霜が付着し、凍結を起こします。つまり、霜がフロントガラス凍結の正体です。
放射冷却が原因!!
凍結の正体は「霜」であることが分かりました。
では、なぜ凍結するのでしょうか?その主な原因は放射冷却です。放射冷却とは、地表面や大気層が熱を放射して、冷たくなることをいいます。
わかりやすく説明すると、昼間は太陽の熱により、地面が暖められます。しかし、夜になると、太陽の光がなくなってしまい、暖められた地面は熱を放出し、温度が下がっていきます。そのため、地面の熱が宇宙へと放出されていき、地球の夜部分は気温が急激に下がります。この変化により、霜が付着し、凍結が起こっているのです。

どんな日にフロントガラスが凍結するの?
雲がなく快晴だった日の翌朝
雲がなく、よく晴れた日の翌朝は、フロントガラスが凍結する可能性が非常に高いです。
放射冷却は、地面などが熱を放射し、冷却されていくことです。もし、雲があった場合はどうなるでしょうか?雲は、地面から放出さて、宇宙へ逃げていく熱を遮ります。そのため、雲の多い日は急激な気温の変化が起こりずらく、雲の少ない日は急激な気温の変化が起こりやすくなります。
気温が5℃以下で、フロントガラスの表面が0℃以下
気温が5℃以下で、物体の表面が0℃以下というのが霜が降りる条件です。そのため、早朝の気温が5℃を下回る場合は、フロントガラスが凍結する可能性があるので注意が必要です。
湿度が高い日
水蒸気が物体と触れることによって霜が降ります。つまり、湿度の高い日(水蒸気の量の多い日)は霜ができやすく、フロントガラスが凍りやすいといえます。
フロントガラスにお湯をかけるのはNG
凍結したフロントガラスにお湯をかけてませんか?急がなければいけない朝の時間帯、「早くしたい」という気持ちからお湯をかける人は少なくないでしょう。しかし、お湯をかけることはオススメしません。
フロントガラスにヒビが入るかも、、、
冷えきったフロントガラスに熱湯をかけると、急激な温度変化からフロントガラスに「ヒビ」が入ってしまうかもしれません。熱湯をかけると、ガラスは膨張してしまい、負担がかかってしまうためです。
フロントガラスの凍結対策5選
①デフロスターをONにして、ぬるま湯をかける
注意点
- ・30~40℃程度のぬるま湯にしましょう。(※ポット・やかんで沸かせた熱々のお湯は厳禁。ヒビが入ってしまうおそれがあります。)
- ・1リットル程度のぬるま湯を準備しましょう。フロントガラスが再凍結してしまう可能性があるので、多めに準備しておきましょう。
- ・エアコンで先に温度を上げておくことにより、効率よく解凍させることができます。
- ・デフロスター(四角形に3本の矢印が入ったスイッチ)を使いましょう。デフロスターは除湿された風をフロントガラスに集中させることにより、凍結や曇りを除去してくれます。
②ワイパーを立てておく
ワイパーは立てておきましょう。凍ったワイパー動かすときに、ゴムがはがれてしまったり、モーターが壊れてしまう恐れがあります。絶対に凍らないとは言い切れませんが、フロントガラスと一緒に凍ってしまうのを防ぐために、ワイパーを立てておくことをお勧めします。水分が残っているとワイパーも凍ってしまうため、撥水材をつけたり、解凍材を準備しておくとより良いと思います。
③洗車
フロントガラスに汚れがある場合、ゴミなどの汚れがある場所に霜が降りてきやすくなります。定期的にフロントガラスを綺麗にしましょう。
④撥水材
フロントガラスの凍結は霜であり、水蒸気との接触によって生じます。フロントガラスに付着する水分を抑えるために、撥水材をつけてみてもいいかもしれません。
⑤フロントガラスに凍結防止シートなどのカバーをつける
凍結防止シートなどのカバーをつけることにより、霜がフロントガラスに降りてくることを防ぐことができます。そのため、凍結を防ぐことができる最も効果的な手段だといえます。ホームセンターや車のお店で手に入れることができます。
車庫や屋根の下に駐車できればより良いと思いますが、お金がかかりますし、現実的には難しいでしょう。そのため、カバーをつけることがベストな対策だといえます。