知って損は無い、クルマオタクの略語知識シリーズ。ABC順で今回も「B」です。
BOS(びーおーえす)
ブレーキ・オーバーライド・システムの略。
仮にアクセルペダルを踏んだまま、何らかの原因で戻らなくなっても、ブレーキさえ踏めばそれが全てに優先されてブレーキがかかり、アクセルが戻るという仕組み。
もっとも、アクセルペダルが勝手に戻っていくわけではなく、アクセルペダルを踏むことでエンジンに出されていた指令がキャンセルされるという事を意味します。
電子制御スロットル車の場合は、昔のクルマと違ってアクセルとエンジンがワイヤーで繋がっているわけではありません。
アクセルを踏み込んだ量に応じてセンサーが電気信号に変え、「ドライバーがこれくらいアクセル踏んでるよ。」と知らせるのがその役割です。
だから、BOSが働くとアクセルからの電気信号が伝わらなくなるのでエンジン出力はアイドリングに向けて下がっていき、ブレーキが効くという仕掛け。
一昔前に米国でトヨタ車のアクセルペダルがマットに引っかかって戻らなくなり、暴走したという事件から注目されるようになり、今では大抵のクルマについています。
BOSCH(ぼっしゅ)
ドイツの自動車部品メーカー。
昔はエンジンの燃料噴射装置やスパークプラグなどが有名でしたが、今ではクルマで電気を使うあらゆる部分の部品を作っており、さらにセンサー類もボッシュが作ったり、あるいはボッシュの特許が使われている事が多いです。
最近注目されているのは、自動運転装置や自動ブレーキのためのセンサー類や、排ガス浄化装置のセンサー、あるいは制御装置など。
フォルクスワーゲンをはじめとしたクリーンディーゼルの排ガス測定不正でもボッシュの関与は早くから疑われていますが、2016年9月現在ではまだ証拠という証拠はありません。
シェアが大きいだけに、その手のスキャンダルが起きたら自動車業界がひっくり返ったような騒ぎになりますから、何事も無い事を祈ります。
BMW(びーえむだぶりゅー)
日本では高級車ブランドとして有名ですが、正式な社名はBMWではありません。
正しくは「バイエリッシュ・モトーレン・ヴェルケ株式会社」で、日本流に言うと「バイエルン発動機製造株式会社」です。
略してバイ発、などと呼ぶ人も中にはいまして、日本のダイハツも「大阪にある発動機製造株式会社」を略してダイハツと呼ばれていましたから、似たようなものでしょう。
バイ発もダイハツも古くからのエンジン屋で、バイ発の得意分野や航空機用エンジンでした。
そのためBMWのエンブレムは回転するプロペラをモチーフにしているんですね。
なお、「BMW]の呼び方で古い人はドイツ語風に「ベー・エム・ベー」、あるいはそれがなまって「ベンベ」と呼んでました。
ではそれが公式な呼び方なのかと言えば、アメリカ市場を意識していたBMW自らが「ビーエムダブリュー」と呼んでいますので、あらゆる意味で正解は英語風のビーエムダブリューなのです。
ちなみに現在は超高級車のロールス・ロイスと、イギリス製小型車の名門「ミニ」のブランドを持っており、2001年以降に生産されている、いわゆる「ニューミニ」は、「BMWミニ」と呼ばれる事もあります。
B110(びーいちいちまる)
2代目日産サニーの型式。
初代がB10型で2代目がこのB110、ダットサンブランドでクルマを世界中で売りさばいていた頃は、「ダットサンB110」とも呼ばれていました。
初代B10から最後のB15まで一貫して「B」が型式名の頭につくサニーの中でも、特に名を馳せたのがこのB110型で、中でもサニークーペGX-5は1970年代からレースで大活躍したのです。
搭載されていた1.2リッターのA12エンジンは、スポーツエンジンでも無い実用型のOHVエンジンだったにも関わらず、チューニングすると1万回転以上回るという恐ろしいエンジン。
それに対抗できるのはトヨタがワークスカーのKP47スターレットに搭載した1.3リッターDOHCレーシングエンジン137Eだけでした。
KP47スターレットがサーキットから消えてからもB110サニーは大人気で、異例とも言えるホモロゲーション(レースに出場するための車両認定)延長が数度にわたり行われ、1982年まで10年以上レースで活躍しています。
次回はもう少しBを続けて、あるいはCに入るかも?