人生に数回しかできない買い物の一つである車。しかし車を購入する際にどのメーカーの車を選べばいいかわからない。初めて車を購入する方や車についてあまり知識のない方は、特にわかりにくいように感じている人が多いのではないでしょうか。各自動車メーカーの生産している製品はさまざまな特徴があります。歴史も深く、メーカーの歩んできた道を知ることでどのような車を世に送り出してきたのかがわかります。その各社持ち合わせている特徴を吟味し、自分のライフスタイルに合った車を選び、購入することで初めていい買い物ができるのではないかと考えています。今回は数多くの自動車メーカーの中からトヨタについて紹介していきたいと思います。
トヨタとは?
トヨタ自動車の発端は豊田自動織機製作所内に開設された自動車部門です。織機製作で培われた鋳造、機械加工の技術を生かし1935年11月にG1型トラックを発表し、後の1937年8月28日にトヨタ自動車工業が設立されました。
トヨタ生産方式
トヨタが独自で活用しているトヨタ生産方式は、安全で人の付加価値を無くすことで生産性を向上させる自動化と無駄をなくし生産性を向上させるジャストインタイムを取り入れています。これらを取り入れることで工場で商品を生産する際に発生する無駄を徹底的に排除し合理的に商品を生産することができます。現在では世界中にトヨタ式生産方式を取り入れている企業が数多く存在します。
倒産の危機
現在では大企業へと成長し倒産とは程遠いように思えるトヨタですが、過去に倒産の危機に見舞われたことがありました。1950年に日本経済の自立と安定のために実施されたドッジラインという財政金融引き締め施策によるデフレと、割賦販売方式の影響を受けて倒産の危機に陥りました。しかし、倒産の危機に見舞われた直後に朝鮮戦争が勃発し軍用トラックの需要が高まっために倒産の危機を回避することができました。
トヨタが生み出した名車
トヨタが誕生してから長い年月が経ちましたがその中で数々の名車と呼ばれる車が誕生してきました。そんな数々の名車の中から一部抜き出して紹介していきたいと思います。
2000GT
トヨタ2000GTはトヨタ自動車の自動車開発のノウハウとヤマハ発動機のエンジンに関するノウハウを合わせて共同開発されたスポーツカータイプの乗用車です。新車価格は238万円で現在の価値にすると2000万円近い高級車であり、生産台数は337台と少なく現在では希少価値の高い幻の車と言われており、数億円で取引されたこともありました。そんなトヨタ2000GTですが実はハイブリットカーとして蘇りました。3Dスキャンにより完璧に読み取られたデザインのレプリカの中にトヨタの販売するアクアのハイブリッドシステムを搭載したものです。アクアのエンジンを積んだトヨタ2000GTってどうなのと思われますが、オリジナルのものと比べるとリーズナブルな価格で選択肢が増えたことが喜ばしい限りです。
トヨタ2000GTはモータースポーツ界でも活躍していましたがスクリーンの中でも活躍していました。代表的な作品としては「007は二度死ぬ」です。007ではボンドカーが注目されますがトヨタ2000GTはヒロインが運転しているためにボンドカーの中には含まれません。しかし、現在では珍しいトヨタ2000GTのスポーティな走行シーンが盛りだくさんなので一見する価値があります。
ハチロク
AE86はカローラレビンとスプリンタートレノの6代目の形式名称からハチロクと呼ばれるようになりました。AE86はドライバーを育ててくれる車と言われており、年々減少しつつあるFR車で車重も軽く安いのが特徴でした。現在では中古価格も高騰してしまいましたが、昔のハチロクの価格は安く、新車でも若者が比較的購入しやすい価格のものが多い時代でした。
現在販売されている86はこのAE86のDNAを受け継ぎ新たな車として生まれ変わりました。発売当初AE86と比べて同じ名前をつけるのはどうなのかと言う声もありましたが、発売から数年経った今現在は人気の車種となっています。今の時代では珍しいFRスポーツカーで四人乗れるスペースが確保されており日常での使用が想定された作りとなっています。AE86と比べると新車の販売価格が高く若者は手を出しにくい部類の車です。しかし販売開始から数年経ったこともあり中古車価格が下がったことにより若者が手に入れられる価格まで迫ってきている印象です。現在の人気の具合から見るとこの先しばらくは86ブランドが続いていくのではないかと思います。
スープラ
70スープラの名で呼ばれているA70は日本で発売されたスープラの1代目です。このスープラのキャッチコピーはトヨタ3000GTであり、トヨタのフラッグシップモデルでした。その名に恥じないスペックを持ち合わせていた70スープラは国産トップクラスの車重を誇っていました。後期型からフロントバンパーにエアダクトを配置したことが当時革新的でした。
80スープラは日本国内では2代目のスープラです。80スープラのキャッチコピーはTHE SPORTS OF TOYOTAです。リトラクタブルヘッドライトは廃止され、エンジンは2JZ系に変更となりました。当初では初となる6速MTを採用していました。残念ながら2002年の自動車排出ガス規制に対応できずその歴史に幕を閉じました。この80スープラは映画初代ワイルドスピードの主人公が乗っていたことから人気となり現在でもその人気は衰えません。
トヨタは本当に魅力とは?
トヨタは日本を代表する自動車メーカーですが、なぜここまで世界的に人気のある自動車メーカーに成長してきたのでしょうか。その巨大自動車メーカーの人気の秘密に迫っていきます。
車種ラインナップの多さ
トヨタの車種ラインナップは幅広く、軽自動車から高級セダン系まで揃えています。顧客のニーズに合わせて数多くの車種が揃えてありますが近年注目を集めているのは何と言ってもスポーツ部門の車種です。公道を走行する際に必要な性能はそこまで要求されないので、今時ハイスペックなスポーツカーはオーバースペックではありますが再び人気が復活しつつあります。中でもトヨタとスバルが共同開発した86は現在でも人気の車種で街中で多く見かけることも多いと思います。
信頼性の高さ
トヨタの信頼性の高さは世界的に高く評価されています。トヨタの生産する自動車の耐久性はとても高く、他の自動車メーカーから販売されている自動車と比較してもその耐久性は秀でています。数十万キロほど走行したトヨタ製の自動車は海外でも人気があり、取引されています。耐久性能だけではなくハイブリッドカーの普及に貢献した功績も評価されています。1997年に販売が開始されたプリウスは爆発的にヒットし現在では街中で見かけないことはありません。ハイブリッドカーに関する技術は非常に優れており、高い燃費性能や運動性能を兼ね備えています。