【新東名高速道路の延伸】その3(最終回):写真でたどる愛知県区間!

本線は混雑気味でしたが、新東名の新区間を走ってきました。写真付きで真新しい道路をご紹介します!


中京・東海地区で長年待ち望まれていた、新東名高速道路の愛知県区間が開通して、1週間が経ちました。
開業の6日後にあたる金曜日の夕方に下り線(名古屋方面)を通しで走行する機会があったので、助手席から筆者が撮影した写真とともに新規開通区間をご紹介したいと思います。

既存の浜松いなさJCTから、ヴァーチャルドライヴ開始!

これまで(2012年4月14日〜2016年2月12日)は、新東名で静岡県区間を飛ばしてきたあと、浜松いなさJCTで支線の「いなさ連絡路」へ自動的に入っていました。60km/h制限のきついカーヴが連続する、ループ状のジャンクションで有名な箇所です。
しかしこれからはそのまま直進して、新しくオープンした本線上を走って行くことができます。

もとあった白線が消されているのが、はっきり見て取れます。従来の車線は、左へカーヴしていました。

新東名の本線上を、そのまままっすぐ進みます!旧東名や三猿南信道へは、左側へ流出を。

ちなみに開業当日は、工事の都合でこの浜松いなさJCT付近も1車線へと減らされていたようで、渋滞が長引く原因ともなったようです。

ここからまっすぐ岡崎・豊田・名古屋方面へと進むことができ、やはり乗り換えのなさという点では、「道路がつながった」ことが有難く感じられます。

特に、いなさ連絡路へ向かう浜松いなさJCTは、2重のループで路肩もなかったため、前がみにくくストレスの要因ともなっていました。 「新東名は良いけれど、あのジャンクションが・・・」というドライヴァーは多かったはずです。

「愛知県」「新城市」の各カントリーサインに「新東名」の小さい標識、そして規制速度表示が同時に見られます。

浜松いなさJCTを過ぎると、間もなく下り坂の途中で愛知県に入ります。おなじみ、金のシャチホコのカントリーサインです。

ここで、新東名の本線でも、静岡県内区間では見られなかったモノが現れました。
速度超過を防止するため、車線を狭く見せる効果のある路面塗装です。
この塗装がある場合は80km/hや60km/hの規制になることも多いですが、幸いここは制限速度が100km/hのままになっています。

そして、車線や道路全体の幅も、急に狭く感じられるようになりました。
静岡県内区間が「暫定片側2車線」整備であるのに対し、こちらはもとから片側2車線で造られているためです。

距離の割に、トンネルの多い愛知県内区間

愛知県に入って最初のトンネル。

旧東名がより海側を通るのに対し、基本的に新東名は山側を走っています。それで、必然的にトンネルの数も多くなるわけですが、それは愛知県内でも同様です。

新規開業区間では、17本のトンネルがあり、そのうちの11本が新城ICから岡崎東ICの間に集中しています。
9本の連続トンネルがある区間では、「2/9本」などと入口手前の標識に分かりやすく表示されています。

旧東名は東海地方の小・中規模都市を結んでいるため、地域に用事のある人には便利です。
新東名は人里離れた山奥に、橋やトンネルを多用して造られているので、特に通過する地域に用のない人にとって首都圏・静岡・名古屋をダイレクトに結んでくれて、重宝します。

新東名は海から離れているため、地震や津波などの災害時にも被害を受けにくいとされます。
その分、山に近いので天候の影響を受けやすい道路でもあります。
「東名では雨がポチポチだけど、新東名では土砂降り」・・・これもけっこうよくあることで、愛知県内区間でもそうだと言えるようです。
ただ、トンネルが多いことが幸いし、夜間や雨天でも「走りやすい」と思える箇所が増えているとも言えます。
つまりは、旧東名と新東名、やはり一長一短です。

新城ICの数百メートル手前。上に野球場のボールが飛んでこないよう、ガードされているのが目印です。

上の写真を撮った位置から近いところに、新城ICがあります。
近くに少年野球などで使用されるグラウンドがあるほか、新東名開通に伴って工業団地も造られました。
ICを降りると、目の前にできた新しい「道の駅もっくる新城」に立ち寄れるほか、すぐそばをJR飯田線の線路も走っています。
しかし残念ながら側面壁(遮音壁)があるため、新東名からは景色がまったく見えません。

全体に閉塞感を伴う道路構造

コストダウンの結果だとはすでに書きましたが、数センチ単位でも車線幅が変わると、ドライヴァーにとっては「なんとなくストレス」に感じられる可能性があります。

そのほか、愛知県内では側面壁が数多く採用されているうえ、そのほとんどが透明ではない、文字通りの「壁」となっています。
静岡県内区間では、富士山などがよく見えるよう、「窓」とも呼べそうな側面壁が多いのですが、ここでも差が見られます。
しかもその「壁」が車線ギリギリまで、そびえ立っているといった印象さえ受けるものでした。
これは開通の3ヶ月ほど前になって取り付けられたもので、騒音対策のためなら致し方ないものの、民家などがまったく存在しない区域にも採用されている様子です。

さらに興味深い構造としては、トンネルによってもそのサイズが異なることが挙げられます。

広い方のトンネルでは、乗用車1台分ほどもないとは言え、「路肩」と呼べるスペースが左端に設けられています。
しかし狭い方では、それすらありません。左側の車線のわきに、いきなりトンネルの非常用歩行路があるという具合です。
その場合、大型トラックの屋根が天井スレスレに見えるのですが、これなら旧東名の40年前のトンネルと変わらないでしょう。
ただ、照明が格段に明るくなっていることが、「40年で唯一進歩した点」と思えることかも知れません。

全部のトンネルが狭い方の規格に統一されなかっただけでも、よしとしなければならないかも知れません。

きれいに緑化されたトンネル入口付近の斜面。しかし内部の広さは・・・。

路肩にまったく余裕のない、狭い方のトンネル規格。トラックの屋根の位置も参考にして下さい。もちろん、旧東名よりは車線も若干広く見えますが。

反対側の車線が見渡せれば、開放感も違うはずですが・・・

岡崎東ICまで、あと2kmちょっと。ゆったり感が出たな、と思ったら・・・。

岡崎東ICの近くまで来ると下り坂モードに入り、アクセルを踏み込まなくてもスピードに乗ることができます。

このあたりは上の写真のように、開放感を感じられる場所でもあります。
車線幅も微妙に違うようにも感じられますが、まだ細かい点は不明です。
それでもはっきりしているのは、上下線の間にのり面がなく、側面壁も作られてないため、反対側の車線まで見渡せることです。
これだけで視覚的なストレスはグッと軽減します。

山梨県から長野県に至る区間の中央自動車道でも、盆地から山を眺めるという楽みを感じながら走れます。あれも視界をさえぎる構造物がないことによるもので、カーヴが多い割には見通しがききます。その意味を、もっと大切に捉えた方が良いと感じられます。

反対車線まで望遠したところ。視界は、やはり狭いより広い方が良いものです。

岡崎東ICまで来れば、もう岡崎SA・豊田東JCTが、すぐそこに!

岡崎SAを出てすぐ、大きな標識が目に入ります。豊田東JCT・豊田JCT付近の案内図です。

トンネルをどんどん抜けて、岡崎東ICを通過すると、100km/hで走ったとして約12分で岡崎SAに到達します。
今回はそのまま通過しましたが、表示によればSA内は「満車」となっていました。

岡崎SAを過ぎると、ついに片側3車線に広がります!
そして間もなく、豊田東JCTの大きな案内図が頭上に現れます。

岐阜方面へアクセスする際も、ここで東海環状道にすぐに乗り換えができるため、利便性が大きく向上しています。
名古屋や関西方面へ行くのであれば、そのまま直進しましょう。一番右の車線も減ることはないので、安心です。

まもなく、矢作橋を渡ります。左から東海環状道が合流してきます。

新東名本線を振り返って。右は、中央道や土岐(岐阜県)方面から合流してくる車両。

これで既存の区間につながりました。豊田JCTは間もなくです。

豊田東JCTでは、左から、東海環状道が合流してくる形になっています。

デザインが特徴的な大きな橋で矢作川を渡ると、間もなく旧東名や伊勢湾岸道につながる豊田JCTです。
大規模なジャンクション付近だということで、この橋はもとから片側4車線で設計されていたため、とても立派に見えます。
名古屋という大都市に来たことを、実感できるでしょう。

ヴァーチャルドライヴ、お疲れ様でした。これで浜松と豊田がつながりました!
それでは実際に行かれる際も、安全運転で真新しい路面・路線を満喫してください。

規格の面では、残念な点も多く見られる新東名の新区間ですが、それは日本の道路政策の縮図と言えるかも知れません。
それでも、「旧東名・新東名」というダブルネットワークが構築されたことは、歓迎しないわけにはいきません。
大動脈としての活躍を祈念しつつ、尽力された工事関係者の方々にも、この場をお借りして敬意を表したいと思います。

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