皆さんは、欧州やアメリカ旅行に行くときに何で移動していますか?電車やバスといった公共交通機関は、価格が安い上に安心して移動できるため、ほとんどの人が利用するでしょう。しかし、現地の歴史や文化をより知りたいと思うならば、車での移動がおすすめです。車を使って移動すると、欧州の古城やアメリカの牧草地帯といった外国らしい雰囲気を感じられる上に、距離によっては公共交通機関よりも安く移動できます。
今回は、アメリカや欧州で運転するときに覚えておきたい日本とは違う、道路交通法を7つ紹介します。
アメリカ・欧州で運転するには
アメリカや欧州で運転するうえで、押さえておかなければいけないのが、免許の問題です。日本で免許を取得していても、日本の運転免許のみでは、海外で運転することはできません。それは、日本と海外では道路状況や規則が異なるからです。例えば、日本のように右側通行を採用している欧米諸国はイギリスだけで、他の欧米諸国では左側通行を採用しています。そのため、日本人が欧州・ヨーロッパで運転する場合は国際免許を取得する必要があります。ただし、一部の国では国際免許がなくても運転できるので、事前に自分が行く国について調べる必要があります。
国際免許証とは
国際免許とは、海外で車を運転したいときに取得が必要です。ただし、国際免許証は外国での運転を許可するものなので、日本の免許証・パスポートと一緒に携帯しなければなりません。国際免許は、単体での証明書ではなく日本の免許証に付帯することで効果を発揮することを覚えておきましょう。また、国際免許が使用できる国も定められています。国際免許はジュネーブ条約に基づく国際法で定められてい流ため、その加盟国内では効果を発揮します。しかし、中国のような非加盟国では対象外となるため、国際免許を持っていても運転できません。
ドイツやスイスは日本の免許で運転できる
先ほど、アメリカや欧州で運転するためには国際免許を取得する必要があるとお伝えしました。しかし、欧米諸国の中には国際免許を取得しなくても、利便性の追求のため日本の免許証のみで運転できる国や地域が存在します。ヨーロッパの中では、ドイツとスイス、アメリカ国内では、ハワイやグアム、カリフォルニア州で日本の免許証のみでの運転が認められています。ただし、国によっては年齢制限や大使館が発行する翻訳証明書の携帯が必要な場合もあります。特に、日本の免許証だけでは海外の警察官は理解することができないため、翻訳証明書を発行することをお勧めします。
日本と違う!欧米の道路交通法7つ
①円形交差点
日本と欧米の道路事情で大きく違う点は、円形交差点の存在です。円形交差点とは、3本以上の道路が接続された交差点で、その行き来は円形のロータリーを使用します。円形交差点では、ロータリーを出る車が外側車線を走行し、ロータリー内にとどまる車は内側車線を走行するという交通ルールになっています。
欧米の円形交差点の中でも、フランスの凱旋門の円形交差点は車の往来が激しく運転が難しい場所としても有名です。日本にはほとんど導入されていない道路形態ですが、実は東京都にも1つだけ存在します。場所は、多摩市桜ケ丘1丁目です。残念ながら、欧米のように車の往来は激しくないため、あまり知られていません。
②制限速度が存在しないアウトバーン
日本と違う欧米の道路事情としてアウトバーンの存在が挙げられます。アウトバーンとは、ドイツにある制限速度が存在しない直線道路のことです。ここでは、制限速度がないため多くの人が200km/h以上の速度を出しています。200km/h以上の速度は日本の高速道路の制限速度のおよそ2倍です。例えるならば、ジェットコースターのような速度に達しますが、アウトバーンでの事故率は日本の高速道路よりも圧倒的に低いです。それは、ドイツ人が道路交通法に遵守するからです。
日本では、追越車線と走行車線の区別が曖昧で、追越車線をゆっくりと走っている車も見受けられます。しかし、ドイツでは追越車線は文字通り追い越しをする車しか走らず、追い越しが終わると走行車線に戻ります。また、市街地を除く一般道路での制限速度も100km/hと遵守しやすい速度となっているため、ほとんどの人が法定速度を守ることを意識しています。
③歩行者や自転車は絶対優先
欧米では車の運転が荒い人も多いですが、歩行者や自転車にはそれ以上の注意が必要です。日本では、歩行者や自転車は信号を守るためあまり気にせず運転できますが、欧米では信号無視や横断歩道ではないところを渡る人が多いため注意が必要です。歩行者の中にはその法律上の立場から、周りをみていない人も多いため危険です。
また、欧米ではこのような理由から横断歩道を渡る人に対して、車は停止し道を譲る義務があります。そのため、横断歩道を渡ろうとしている人がいる場合は必ず停止することを心がけましょう。
④ワイン一杯なら飲酒運転にならない?
日本の飲酒運転の基準は、アルコール濃度0.15mg/l以上のため、少しでもお酒を飲むと飲酒運転で検挙される可能性があります。一方で、欧米の特に寒さが厳しい地域ではアルコールは体を温めるための方法でもあるため、飲酒運転に対する基準が日本よりも低い地域もあります。例えば、フランスではアルコール濃度0.25mg/l以上から飲酒運転で検挙される対象となります。
しかし、どこの国でも飲酒運転はご法度であり、国際的に基準が厳しくなっているのが現状です。寒さゆえに、日本人の2.51倍以上アルコールを摂取するロシアでも、禁酒法を推進しているため、どこの国に訪れてもお酒を飲んだ後の運転は避けるようにしましょう。
⑤警察にとめられたら、車から降りない
欧米、特にアメリカでは警察の力は日本の警察よりも強いため、サイレンを鳴らされたら逃げようなどと考えてはいけません。そして、適切な対応をしなければ、海外ドラマのように銃を向けられてしまうかもしれません。その適切な方法とは、まず警察に捕まったら誘導に従い、車を寄せます。そして、車からは消しいて降りてはいけません。警察が近寄ってくるまでは、おとなしく車の中で待ち、その後、警察の指示に従いましょう。その際に、免許証とパスポートをすぐに提示し身分の証明をしましょう。
⑥踏切での一時停止は不要
アメリカやドイツでは、日本のように踏切の前で一時停止する義務はありません。また、減速して進む必要もないため、通常の速度で通過し、遮断機が降りている場合のみ停止します。日本のように、一時停止や減速しての通行してしまうと、後ろから追突されたり煽られたりする危険性があるので注意してください。
⑦右折なら赤信号でもできる
これはアメリカに限った交通ルールですが、赤信号であっても対向車がきていない場合は右折のみ可能です。ただし、赤信号で右折をする際には必ず一時停止しなければならないという義務もあります。日本人には馴染みの薄いルールのため、知らずに赤信号だからと右折レーンで停止してしまうと後ろから煽られる危険性があります。ただし、「NO TURN ON RED」と書かれた標識がある交差点やスクールタイムが適用される交差点では、赤信号での右折ができないため注意してください。
海外でドライブしよう
今回は、日本とは違う欧米の道路事情について紹介しました。車を使って海外を旅することは、新たな発見ができるうえにとても楽しいものです。特に、欧米の道路事情は日本と異なる部分も多いため、アウトバーンなどでは車の性能を最大限活かすこともできます。しかし、歩行者への優先など日本よりも厳しいルールも存在します。ぜひ、みなさんも今回紹介した7つのことを踏まえて海外では公共交通機関を使わず自分で運転してみてはいかがですか?