【免許自主返納】親に返納してほしいなら知っておくべきこと

最近よく目にする悲しいニュースはなんでしょうか。筆者が一番悲しかったのは、高齢運転者が操作を誤って家族を轢いてしまったニュースです。「家の駐車場にバックで入る際に1歳の孫を轢いてしまった」「スーパー帰りの妻を轢いてしまった」など、本当に悲しくなるニュースです。あの時、車の運転を諦めていたら…。そう思っても、もう取り返しはつきません。このようなことになる前に、せめて自分の親には早いうちから免許を自主返納してほしい。そう思うばかりです。今回は、どのようにして親に免許の自主返納をしてもらうのか紹介していきましょう。

最近の流行り?免許返納の動き

2017年において、75歳以上の運転免許返納件数は約25万件。2007年の9300件と比べるとかなり増えたように思えます。しかし、返納率はわずか4.7%です。95%以上はまだ免許を保有しているということですから、まだまだですね。それでも、免許返納件数は格段に増えています。運転好きで知られる天皇陛下も免許を更新しなかったということで話題になりましたよね。これから、どんどん高齢化社会になっていきます。2065年には、日本人の2.6人に1人が65歳以上、4人に1人以上が75歳以上になると言われていますから、今のうちに免許の返納制度をしっかり理解しておくことが大切です。まずは自分の親に、そしていつかは自分も、返納しなければいけない時がやってくるでしょう。

なぜ返納するのか、それは長生きしてもらうため

2016年では75歳以上の免許保有者は513万人と年々増加しています。そして、75歳以上の運転者による死亡事故が全体に占める割合は13.5%です。近年は自動ブレーキなどの安全装備が進歩して、交通事故は年々減っていますが、75歳以上の運転者による事故の件数は減らないのです。いくら安全装備が進歩しようと、自動運転でもない限り高齢運転者による事故は減らないのです。そこで、自分が安全に運転ができなくなったと感じ、自主的に免許を返納したいという声から1998年に免許返納制度が施行されました。もちろん、免許を返納しなくても運転をしなければいいのですが、免許を持っているとつい運転してしまいます。自ら免許を返納し、もう車を運転しないという決意を形にすることが大切なのです。

決断の時はいったいいつ?

勇気のいる免許自主返納、決断の時はいつでしょう。一番わかりやすいのは75歳以上の免許の更新の際に認知機能検査をするので参考にするといいと思います。その際に、「記憶力・判断力が低くなっています」と診断され、その後医者に認知症と診断されると免許の取り消しになります。そんな制度があるのなら自主返納なんてしなくていいじゃないかと思うかもしれませんが、本当に安全に運転できるのかというのは運転してわかるものです。運転するときのプロセスである「認知・判断・操作」これらの1つでも不安に感じたら運転を諦めるべきです。具体的には「速度が速い」「安全確認が足りない」「操作が間に合わない」「ルールを忘れてしまっている」「ぼーっとする」「信号や標識が見づらい」「反射神経の衰え」これらが高齢運転者の事故を起こす要因です。この機会に親の助手席に座って確認したり、アンケートのように聞いてみるといいでしょう。

どうやって返納してもらう?

もうこれは返納した方がいい。そう思っても、いざ親に運転を諦めてと言うのには勇気が必要です。老いを他の人に指摘されるのは嫌ですもんね。たとえ家族でも少し残酷なものです。実際に親に返納してもらうにはどうしたらいいのでしょうか。車好きの親や車に思い出のある親、買い物に欠かせなかったり地方で移動手段がなかったりと、もう運転が危険なのはわかっていてもなかなか返納できない人もいるでしょう。難しいものです。

まずは説得するところから

まずは親を説得することからです。しかし、「生涯現役」という言葉が免許自主返納を邪魔してしまうようです。また、「自分はまだそんな歳じゃない」「何十年もずっと運転してきたから大丈夫」「老いを認めたくない」このようなことを言われるかもしれません。それでも、とにかく親の安全を一番に考えていることを説明しましょう。事故を起こしてほしくないという気持ちを真剣に話してみてください。車が好きな親であれば、定期的にドライブに連れて行ってあげてはどうでしょう。親孝行の機会になりますし、親の体調を定期的に確認することもできます。もう1つ、解決しなくてはいけないのが移動手段がなくなることです。バスのシルバーパスを発行してあげたり、通信販売やネットショッピングの使い方を教えてあげてどうにか解決してあげてください。

手続きは警察署か免許センターへ

では、手続きはどこですればいいのか。それは警察署や免許センター、試験場などです。手続きの行える場所には運転免許取消申請書が置いてありますので、必要な項目を記入して申請してください。申請書を提出して免許を返納するだけなので手続きはとても簡単です。なんだかあっけないですよね。

代理人による手続きもできる

もし、親の外出が厳しかったり体調が優れない場合などは代理人が手続きをすることができます。ただ、代理人が手続きをする場合はさらに「委任状」「確認書」「代理人の身分証明書」の3つを用意する必要があります。代理人は3親等内の親族か介護施設の管理者に限られます。知らない人に勝手に返納されてしまっては困りますもんね。3親等内ですので、わざわざ里帰りしなくても親の近くに住んでいる親戚に頼んで手続きをしてもらうことができます。

免許返納で受けられるお得な特典

どんなに説得しても納得してくれなかった。そんな方はこちらをご覧ください。免許返納をすると得することもあるのです。運転できなくなるというデメリットはありますが、それ以上にメリットがあることを説明してみてください。もちろん、一番のメリットは事故を起こさなくなるということですが、案外このようなお得に感じるメリットの方が受け入れられるかもしれませんね。

運転経歴証明書で身分証明ができる

免許証を返納してしまうと写真付きの身分証明書がなくなってしまう。そんな悩みを解決するために「運転経歴証明書」というものを発行してもらえます。名前の通り、免許の返納日からさかのぼって5年間の運転経歴を証明するものです。この証明書は銀行の口座開設など公的な証明書として利用できるのです。ぜひ、返納と同時に発行してもらいましょう。免許の返納と同じ日に申請するのであれば、運転経歴証明書交付申請書と申請用写真、手数料1100円だけ用意すれば大丈夫です。運転経歴証明書ってなんだかかっこいいですよね。引退したドライバーの功績を讃えるメダルやトロフィーのような尊敬できる証明書だと思っています。

イオンの宅配無料やレストランの割引など

なんと、運転経歴証明書を持っていると地域によってはタクシーの料金が10%割引になったり、バスの運賃が半額になるなどの特典が受けられます。マイカーによる移動手段がなくなっても、バスやタクシーを利用して積極的に外出してほしいという取り組みですね。他にも、東京であればイオン、高島屋、三越伊勢丹の宅配料が安くなったり、指定のレストランの料金が安くなる特典があります。また、JTBサン&サンの国内旅行商品が3%割引になる特典もあります。ドライバーは引退しても、元気に遊んで欲しいですよね。これらの特典は地域などによって異なるので、お住いの都道府県のHPを確認してみてください。

家族の安心

なによりも、この特典が一番嬉しいです。潔くドライバーを引退してもらって家族を安心させてあげてください。自主的に免許を返納することはとてもかっこいいことです。自分で老いを認めて、せっかく持っている免許を手放すというのはなかなかできることではありませんからね。もし、親が自主返納すると決心してくれたら、ちゃんと「かっこいいね」と褒めてあげて、ドライバーの引退祝いで何か送ってあげましょう。愛車のフィギュアやアルバムを送るものいいかもしれませんね。