僧衣着用による違反切符で話題|自動車運転の服装はどこまでOK?

2018年9月、福井県内で僧侶が僧衣着用で運転していたところ、警察官に運転に不適切な服装であることを理由に違反切符を切られ波紋を呼んでいます。
「僧衣は運転に支障をきたさない」と、全国の僧侶が縄跳びなどの一芸を動画配信し、『#僧衣でできるもん』が話題になっていますね。

靴については何となく規則があると聞いたことがあるとおもいますが、そもそも服装にも規則があったのでしょうか?また服装の規定はどこまでOKなのでしょうか?

道路交通法の規定は?

では、まずは運転に関する法律を定めた道路交通法の規定について見てみましょう。
道路交通法には以下の通り書かれています。

道路交通法
運転者の遵守事項
第七十一条 六

前各号に掲げるもののほか、道路又は交通の状況により、公安委員会が道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要と認めて定めた事項

簡単に言うと、一から五までに規定されている事項以外に、各都道府県の公安委員会が状況に合わせて規定したローカルルールも対象です、と言うことです。
一から五は「泥跳ね走行禁止」「歩行の妨げ禁止」「積載物安全確保」「車間距離確保」「運転中機器操作の禁止」などが明記されていますが、これらの規定に当てはまらない場合も公安委員会が定めた事項が対象になります。

今回の僧衣取り締まりについては、そもそも服装の規定が道路交通法に明記されていませんが、福井県公安委員会が定めた事項に該当し取り締まりの対象になったということです。

福島県公安委員会が定めた服装に関する規定について

それでは福島県公安委員会が定めた服装に関する規定について見てみましょう。

福井県道路交通法施行細則

第十六条 法第七十一条第六号の規定により車両等の運転者が守らなければならない事項は、次に掲げるものとする。
三 下駄、スリツパその他運転操作に支障を及ぼすおそれのある履物または衣服を着用して車両(足踏自転車を除く。)を運転しないこと。

操作に支障を及ぼすおそれのある衣服』と明記されているものの、そもそもどの様な服装がだめなのか定義されていません。現状は警察官の主観となっていることから、僧衣は支障を及ぼさないと『#僧衣でできるもん』騒動に発展したのです。

個人的には、なぜ規則の定義が曖昧なのか疑問に感じています。
例えば「○cm以上の紐が付いている衣服は禁止」「袖が○cm以上の場合は禁止。ただしたすき掛け等で規定内に収まるよう施した場合を除く。」など、ある程度定量的に規定すれば問題なかったでしょう。
現在の定義では、「ダウンコートはモコモコしてるけど良いの?」「ロングスカートは引っかかりそうだけど良いの?」など、いくらでも対象になりえてしまいます。

他の都道府県の服装に関する規定はどうなっている?

今回は福井県内のローカルルールに抵触したとして取り締まり対象になってしまいましたが、他県の服装に関する規定はどうなっているのでしょうか?全国の道路交通法施行細則をまとめましたので、住んでいる件をチェックしてみましょう。

全体を通してみると、地域ごとにある程度規則がまとまってはいるものの、各都道府県によってバラバラだということがわかります。
特徴的なのは岩手、群馬。規定が非常に丁寧です。
特に岩手県は『衣服』自体や、『運転の妨げとなる衣服』について細かく定義しています。

岩手県道路交通法施行細則

衣服の袖、裾等によって運転の障害となるような和服等を着用して運転すること を禁止するものである。 なお、和服であっても、ズボン又はもんぺ等を履き、かつ、たすき掛け等をして いる場合は該当しない。

今回波紋を呼んだ福井県の他にも、青森、宮城、秋田、福島、茨城、栃木、愛知、三重、滋賀が同じ様な曖昧な表記になっていますね。今後改定の必要が出てきそうですね。

都道府県 規定
北海道 規定なし
青森県 運転の妨げとなるような服装をし、又はげた類若しくは木製サンダルをはいて自動車又は原動機付自転車を運転しないこと。
岩手県 運転の妨げとなるような服装をし、又は下駄その他運転の妨げとなるような履物を 履いて自動車又は原動機付自転車を運転しないこと。

(1) 趣旨
運転の妨げとなる服装と履物を区別して規定した。 服装を広義の「身なり」と解釈すれば、その一部である履物も服装の範ちゅうに 入ることとなるが、ここでは両者を区別しているところから、服装とは、運転者が 身に付けている履物を除く衣類のことをいう。 なお、自動車及び原動機付自転車の運転者に遵守義務を課すものであることから、 その適用に当たっては、運転車両の種類等及び当該運転者の服装、履物について、 運転の妨げになるか否かを個別に判断しなければならない。

(2) 運転の妨げとなるような服装
衣服の袖、裾等によって運転の障害となるような和服等を着用して運転すること を禁止するものである。 なお、和服であっても、ズボン又はもんぺ等を履き、かつ、たすき掛け等をして いる場合は該当しない。

宮城県 運転操作の妨げとなるような服装をし、又は木製サンダル、下駄その他運転操作の 妨げとなるような履物を履いて、自動車又は原動機付自転車を運転しないこと。
秋田県 運転操作の妨げとなるような服装をし、又はげた類、木製サンダルその他運転操作の妨げとなるような履物を履いて、自動車又は原動機付自転車を運転しないこと。
山形県 見つからず
福島県 運転操作の妨げとなるような服装をし、又は下駄、木製サンダルその他運転に支障を及ぼすおそれのある履物を履いて、自動車又は原動機付自転車を運転しないこと。
茨城県 運転操作に支障を及ぼすおそれのある衣服又はげた,サンダル,スリッパその他の履物を着用して自動車又は原動機付自転車を運転しないこと。
栃木県 自動車又は原動機付自転車を運転するときは、木製サンダル、下駄等を用い、又は運転操作に支障を及ぼすおそれのある姿勢をし、若しくは服装をしないこと。
群馬県 「運転操作の妨げとなるような服装」とは、例えば和服姿で二輪車を運転する 場合等であり、また、履物については、運転を誤るおそれのあるげたや、足に固定 しないサンダル、スリツパ等を用いないように規定した。ただし、ハイヒールにつ いては基準となるものがなく、取締りになじまないので例示から外したが、著しく 運転を誤るおそれのある履物として、運転に用いないよう指導することとした。
埼玉県 規定なし
千葉県 規定なし
東京都 規定なし
神奈川県 規定なし
新潟県 規定なし
富山県 規定なし
石川県 規定なし
福井県 下駄、スリツパその他運転操作に支障を及ぼすおそれのある履物または衣服を着用して車両(足踏自転車を除く。)を運転しないこと。
山梨県 規定なし
長野県 規定なし
岐阜県 規定なし
静岡県 規定なし
愛知県 運転の妨げとなるような衣服又は履物を着用して車両等を運転しないこと。
三重県 運転の妨げとなるような衣服を着用し、又は下駄その他の運転操作に支障のあるはき物をはいて自動車又は原動機付自転車を運転しないこと。
滋賀県 下駄、ハイヒール、スパイクシユーズ等運転操作の妨げとなるような履物または衣服を着用して自動車および原動機付自転車(以下「自動車等」という。)を運転しないこと。
京都府 規定なし
大阪府 規定なし
兵庫県 規定なし
奈良県 規定なし
和歌山県 規定なし
鳥取県 規定なし
島根県 規定なし
岡山県 見つからず
広島県 見つからず
山口県 規定なし
徳島県 規定なし
香川県 規定なし
愛媛県 規定なし
高知県 規定なし
福岡県 見つからず
佐賀県 規定なし
長崎県 見つからず
熊本県 規定なし
大分県 規定なし
宮崎県 規定なし
鹿児島県 見つからず
沖縄県 規定なし

※2019年1月27日追記
事実確認ができなかったとして福井県警が僧衣による違反の取り下げを行いました。違反基準が曖昧なので当たり前の結果ですね。
今後法整備によって曖昧な基準の明確化などが行われることを願います。

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