こんにちは。今回はレクサスの人気コンパクトSUVであるNXとRXの2車種を比較していきたいと思います。レクサスはSUVの他にもセダンやクーペなど様々な車格の車を製造していますが、実際にレクサスのセールスを支えているのでは、RX、NX、UXなどのSUVモデルです。他のメーカーでもSUVの人気は依然として高いですが、レクサスにおいてはその特徴が大きく反映されているといえます。
レクサスNXとは?
レクサスNXは、レクサスの中のSUVの中間サイズに属する人気SUVです。
レクサスの中では最近発売されたUXの次に小さなサイズのSUVとなっており、トヨタのハリアーやマツダのCX-5などと同等のサイズになります。2014年に発売されて以降今でも人気のある車種であり、レクサスのベストセラーの1つとなっています。
レクサスということもあり、ハイブリッドとクラウンなどにも採用されている2Lターボの2種類のエンジンをラインナップしています。
2017年に実施されたマイナーチェンジで、ナビの大型化やデザインの変更などが行われますます商品力が高まりました。
UXが誕生するまでは、レクサスのSUVの中で最小モデルだったということもあり、車のキャラクターはスポーティーな仕上がりとなっています。NXのあとに発売されたRXと比較してもこのキャラクターは変わりません。これは各車両を構成するプラットフォームと大きな関係を持っています。NXに関してはハリアーや先代のプリウスなどと同様の「MCプラットフォーム」というプラットフォームを採用しています。そのため、ラグジュアリーというよりも、車をコンパクトと感じるクイックな運転感覚を得られるのが特徴です。また、ここからもハリアーとNXの共通部分の多さもわかります。
最近発売されたUXに関しては、新規に開発された現行CH-Rやプリウスと同様の「GA-C プラットフォーム」を採用されているため、スポーティーさがもっと高くなっています。スポーティー感を求めるのであれば、RXだけではなくUXとの比較をしてみるべきだと思います。
そんなスポーティーさが売りであったNXなのですが、マイナーチェンジを経て乗り心地にも磨きがかかりました。ショックアブソーバーなどの乗り心地に関わる部分が改良されたこともあり、これまで過度にスポーティー感を演出して乗り心地が悪くなっていた部分が改良されました。やはり4人で乗車することも多いこのサイズのSUVになるとこのような改良は同乗者にとって大きなメリットをもたらします。
エクステリア
流れるような流線のデザインを各所の散りばめており、近未来感のあるデザインをしています。その為各所の形が複雑になってしまうのですが、プレス精度の良さなどをみると、やはりレクサス=トヨタではなく立派な高級車としてのプライドを持って開発されていると感じます。レクサス車すべての特徴になりますが、塗装がきれいに行われており、高級感を感じるポイントの1つです。
また、SUVの中ではCX-5やハリアーと同等サイズなので、突飛して大きいというわけではないですが、ホイール周りの造形が筋肉質のように盛り上がっており、実際のサイズ以上に大きく感じるような迫力があるデザインになっています。
インテリア
こちらもエクステリアのデザインと同様近未来感のあるデザインをしています。海外の高級車ブランドがダッシュボードを水平にして、その下の部分にナビなどを収める水平デザインを採用しているのに対してレクサスは違ったデザインのアプローチをしていると感じます。
兄弟車のハリアーでは、エアコン周りのスイッチもタッチパネルにするなどのアプローチが取られていますが、レクサスではあえてスイッチを残しています。個人的には、走行中の操作のしやすさなどを考えると、スイッチを残したレクサスのほうが良いと感じます。しかし、スイッチの数自体が多く、どこを操作したらいいかひと目でわからないダッシュボードの作りになっていると感じました。他の高級車メーカーを見習って割り切ったスッキリしたデザインにするほうが高級感も増すのではないかと感じました。
後部座席は、前後のスペースに不満はないものの、クーペのような少しルーフが下がっているデザインになっているため、ハリアーと比較しても頭上スペースが狭く感じる部分もありました。しかし、そもそも車の高さもあるので不満も感じるほどではありません。この部分は人気のメーカーオプションである「ムーンルーフ」などと組み合わせると、開放感が得られると感じました。
セーフティー
自動ブレーキなどのセーフティー装備は他のレクサス車と同じように高性能なものが搭載されています。
自動ブレーキはもちろんディパーチャーアラートやレーダークルーズなども標準で搭載されています。オートマチックハイビームはFスポーツグレードのみオプションとなっています。最廉価モデルであるIパッケージでも、標準搭載されているのにもかかわらず、なぜFスポーツにだけ標準搭載されていないのかは少し不思議ですが、オプションなども組み合わせれば国産車の中でもトップクラスのセーフティー装備を備えた車にすることができます。
レクサスRXとは?
レクサスRXはレクサスのSUVの中で、LXの次に大きい大型の人気SUVです。
CX-8などと似たサイズになっており、CX-8同様、三列目のシートを備えたグレードも存在します。2015年に発売されてからというもののNXと同様人気のSUVとして多くの台数が販売されています。実際にグローバルマーケットではレクサスの売上の3割はRXで占められています。
NXの部分で書いたことと重複しますが、NXと比較すると、乗り心地に重きをおいておりNXよりもゆったりとした運転を楽しむことができます。サイズが大きいことと乗り心地も相まって長時間のクルージングなどにも不満のないクルマとなっています。またエンジンのパワーも大排気量エンジンとパワフルなモーターを組み合わせているハイブリッドモデルではパワー不足は感じません。しかし、ハイブリッドの仕組みとしては現行のLSなどで採用されているマルチステージハイブリッドのようなダイレクトな走行感はないです。乗り出し価格が700万円以上になるRXなので、このような新しい技術が投入されると増々商品力が上がるなと感じました。
エクステリア
RXのデザインもNXと同じように流線形のデザインをしています。このあたりのデザインはレクサスのSUV全てに採用されており、この形をブランドの象徴としていくのでしょうか。
NXと比べて物理的なサイズが大きいためやはり、SUVとしての風格を感じるのはRXになります。全幅も1895mmとLSとほぼ同じサイズとなっています。そのため、迫力を感じたりインテリアがゆったりしたりとメリットもあるのですが、都心の中では扱いに困るサイズ感のため駐車場の確保などが難しくなっていくというデメリットもあります。郊外の大きな国道や高速道路を走る際には走りの安定感などのメリットにもなるので自分の使う環境に合わせてどちらの車種が向いているのか確認する必要があります。
インテリア
NXのインテリアのダッシュボードが縦型に作られているのであれば、RXは全幅の広さを活かしたゆったりした横型のデザインになっています。ナビも13インチとNXより大型なものが搭載されておりテレビの視聴をしながらナビ画面を表示しても、どちらも使えるサイズ感となっています。また、レクサス特有のアナログ時計も大きなものが搭載されており、その余裕はやはりNXとのサイズの違いから来ているものと感じさせます。人の好みによりますが、高級感という面で言えばやはりRXに軍配が上がるデザインとなっています。
後部座席の広さにおいては、意外にもNXとあまり広さが変わらないような感じがしました。もともとNXのサイズで十分な足元の広さが確保されており、不満のないものなのでこのあたりは不満に感じません。もっと足元のスペースを拡大するよりもラゲッジスペースの大きさや三列シートを搭載したことがメリットになると感じます。
三列シートは正直いえば実用に耐えるものではありません。推測にはなりますが、発売のときには三列シートモデルがなかったこともあり、あまり車体の設計を変えずに三列シートモデルを作ったためか、そのようなシートになってしまったと考えられます。発売当初から三列シートモデルが発売されているCX-8に関しては、良い出来になっているためこの部分は少し残念でした。しかし、三列シートになっても運転に対しての変化はあまりなく、パワーがあるからこそできる余裕だなと感じました。このあたりの作り込みはすごいなと感じました。
セーフティー
セーフティーに関しては、NXと同じシステムが搭載されています。価格の差は大きいですが、命に関わるセーフティー関連の装備をNXにもフル装備で搭載しているレクサスの姿勢はユーザーとしては嬉しいものとなっています。
レクサスNXとRXのスペック比較
NX300h Fスポーツ | RX450h Fスポーツ | |
車体サイズ | 4640×1845×1645mm | 4890×1895×1710mm |
排気量 | 2493cc | 3456cc |
最高出力 | 152ps(112kW)/5700rpm | 262ps(193kW)/6000rpm |
最大トルク | 21.0kg・m(206N・m)/4400~4800rpm | 34.2kg・m(335N・m)/4600rpm |
JC08モード燃費 | 19.8km | 18.8km |
車体サイズを数字で見るとやはり大きな差があると感じました。RXのほうがエンジンも1L大きいため、やはり運転に余裕があるのはRXだと感じました。その割に、RXの燃費がそこまで悪くないのは驚きです。
レクサスNXとRXの価格比較
モデル | 価格 | モデル | |
NX300 | 4,411,000円 (4,084,259円) | RX450hL | 7,690,000円 (7,120,370円) |
NX300(I package) | 4,591,000円 (4,250,926円) | RX450h | 6,047,000円 (5,599,074円) |
NX300(F sports) | 5,071,000円 (4,695,370円) | RX450h(Fスポーツ) | 7,176,000円 (6,644,444円) |
NX300(version L) | 5,071,000円 (4,695,370円) | RX450h(version L) | 7,036,000円 (6,514,815円) |
NX300h | 5,051,000円 (4,676,852円) | RX300 | 4,972,000円 (4,603,704円) |
NX300h(I package) | 5,231,000円 (4,843,519円) | RX300(Fスポーツ) | 5,801,000円 (5,371,296円) |
NX300h(F sports) | 5,711,000円 (5,287,963円) | RX300(version L) | 5,961,000円 (5,519,444円) |
NX300h(version L) | 5,711,000円 (5,287,963円) |
まとめ
今回はRXとNXを比較しました。同じレクサス車ということもあり共通する部分が多かったですが、やはりラグジュアリー感はRXに軍配が上がりました。
しかしNXにも運転のダイレクト感がありどちらの車にもそれぞれの良さがありどちらを選んでも幸せになれる車であると実感しました。
サイズ、予算を考えてどちらが良いのか、一度試乗をしてみることをおすすめします。