最近、多くの会社の自動車保険に関するCMを見かけませんか?今までは大手損害保険会社(東京海上日動、損保ジャパンなど)のCMをよく見かけたのですが、最近はソニー損保やアクサダイレクトなどのインターネット専売の保険CMをよく見かけるようになりました(通称:ネット保険)
実際に「CMの出稿金額が多い企業ランキング」の中では損害保険会社の上位三位はネット系の保険会社が占めています。それほどネット保険が世間でも知られた存在になりつつあるということですね。保険の契約満了時に、一度ネット保険の見積もりをとったことがある人も多いはず。
そこで今回は、ネット保険・大手損害保険会社それぞれのメリット、ネット保険と大手損害保険会社の価格比較、ネット保険に対するよくある誤解を紹介したいと思います。
ネット保険で契約するメリット
価格が安い
ネット保険最大の魅力は安さです。基本的にネット専売で人件費がかからないため、大手損害保険会社と比くらべて同レベルの保証を安く受けられます。
また、ゴールド免許や走行距離別などユーザーに合わせてプランを細分化できるので、自分に合った無駄のないプランで保険料を安く抑えられます。ネット完結型でも満足度が高い理由がここにあります。
どこでも、いつでも簡単見積り・加入できる
大手の保険会社の保険に加入しようとすると、基本的には代理店を介したり車の販売店を介さなければ加入できません。勤め先が大企業・公務員などの場合は会社経由で契約できますが、スマートフォンやPC経由ですぐに契約・更新できるネット保険の利便性には勝てません。
見積もりも複数社まとめて一括で出せるため、一番自分にあった条件の保険を選ぶことができます。
大手損害保険会社会社で契約するメリット
代理店があるので対面でやり取りできる
事故の際には保険会社と直接やり取りがほとんどなので、ネット保険と差はありませんが、契約周りの相談を対面で行えるのは強みです。保険に関する相談を気軽にできる相談相手がほしい、ひいきにしている保険会社の販売員がいたりする場合には、大手損害保険会社を使い続けることがベターかもしれません。
手続きを丸投げできる
代理店があることで、ある程度保険の手続きを販売員に丸投げできます。ネット保険は全て自分で行うため、時間がない、煩雑な手続きが苦手な人にとっては面倒。お金で解決したい人にはおすすめです。
他の取扱商品と一緒に相談できる
大手の保険会社では、自動車保険だけでなく火災保険など、他の保険も扱っている会社も多いため、一緒に加入・保険の一本化ができるメリットがあります。
団体割引がある
大企業を中心に、保険料から割引が入る団体割引があります。自分が属している会社に確認が必要にはなりますが、公務員なども含めて大口割引を実施しています。
なかには、数十%の団体割引が適用される場合もあるので、そのような制度を利用した場合、ネット保険の保険料よりも安くなる可能性が十分あります。安易に、ネット保険=安いと考えるのではなく、団体割引が使えるかどうかを確認しながら、最適な保険を選びましょう。
ネット保険と大手損害保険会社の価格を比較してみた
ここでは比較対象として、ネット保険の会社を「ソニー損保」大手損害保険会社を「損保ジャパン」と仮定して同条件でどれだけ予算が違うのかを比較してみましょう。
まずは保険適用者の条件を40際、一般的な保険適用条件で算出してみました。
条件 | |
年齢 | 40歳 |
性別 | 男性 |
ノンフリート等級 | 20等級 |
走行距離 | 5000km/年 |
年齢条件 | 35歳以上 |
運転する人 | 本人とその配偶者 |
車種 | トヨタ プリウス |
保険の条件は以下の通りです。
補償内容 | |
対人対物保証 | 無制限 |
人身傷害 | 3000万円 |
搭乗者障害 | あり |
車両保険 | あり(100万円) |
弁護士特約 | あり |
結果はこちら。
ソニー損保 | 損保ジャパン |
¥41,840 | ¥87,240 |
実際には、走行距離や団体割引など複数条件で変わりますが、2倍以上差が生まれるのは驚きですね!
「今の保険のまま更新すればいいや」と簡単に考えるのではなく、一度他の保険会社と比較検討してみる価値もありますね。
ネット保険に対するよくある誤解
事故後の保険会社同士のやり取り時に、ネット保険だと弱い立場になる?
ネット保険に対する不安であげられる大きな理由の1つに、「保険会社の強さ」があります。多くの人がネット保険の会社は大手損害保険会社よりも立場が低い位置にあると考えがち。
しかし、このような推測は基本的に間違っています。事故割合を決定する際に重要なのは、会社の強さではなく担当者の強さで決まると言われています。
例えば、以下2人の場合。
- ネット保険の会社で勤務歴が10年あり数多くの保険会社同士の交渉を行っている
- 大手損害保険会社新卒で入社してまだ勤務歴はそこまでなく保険会社同士の交渉を行っている
2人の担当者が交渉にあたった場合は、これまでの実績があるネット保険の担当者が優位に立ちやすいです。
事故を起こしてしまった際に、自分にどのような担当者がつくのかをコントロールするのはどの保険会社でも難しく、複合的な要因もあるので、どの保険会社が一番事故後の交渉力が強いか甲乙つけがたいのが実態です。
保険金の支払能力が低い
こちらの質問に関しては、支払いが滞ることは非常に稀だが、保険会社によって財務状況の差はあるという答えになります。世の中には、会社の財務状況などを格付けする格付け機関という会社があります。そのような会社が、自動車保険を扱う会社を格付すると、上位5位の保険会社は全て大手損害保険会社になります。(格付けが高い順から、東京海上日動、あいおいニッセイ、損保ジャパン、三井住友海上、日新火災海上保険)一番順位が高いネット系の保険会社は、おとなの自動車保険を提供している「セゾン自動車火災保険」となっています。
ただし、ソニー損保やアクサダイレクトなどに代表される、ネット系の保険会社も格付けはA+となっており、大きなリスクを抱えているというわけではないです。
(ソース:S&Pグローバルレーティング ジャパン 発行体格付け資料)
少しでも安心できる保険会社に加入したいと考えている方にとっては大手損害保険会社や、親会社が大手損害保険会社のネット保険に加入するのがおすすめです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?よほどこだわりがない限り、低価格なネット保険が魅力的ですね。
ただ、最近では大手損害保険会社の子会社がネット保険を提供しているため、安心感と低価格を両立させた保険会社を選ぶのも一つの手ですね!
また、団体割引などを使えば、大手の保険会社でも通常の保険料から30%下がることなどもあるので、制度が使えるか確認してみましょう。
この記事で紹介した車
トヨタ・プリウス