2018年10月現在、ガソリンスタンドで多くの車が列をなしているのを目撃しました。並んでいるほとんどの車が、給油のためではなく、洗車を待っていました。
なぜ、急に洗車待ちの車が増えたのか?
それは、今月通過した台風24号によって海から運ばれて来た「塩」が原因です。
塩害により車が汚れてしまい、洗車する車がその時期たくさん増えていました。
沿岸部にある車のみでなく、台風の影響により今年は内陸部でも車の塩による被害が多発しています。
塩のこびり付きは車にとって天敵で、そのまま放置しておくとボディーに傷がついたり、その傷からサビが発生したりします。
今回は、車の塩害が起こり得る場所、また塩害により汚れてしまったときの正しい対処の仕方を紹介したいと思います。
意外な場所も!塩害に気をつけるべき地域
沿岸部
出典:http://dog.toyota.jp/travel-search/plan6/detail.html
これは、言わずもがな、皆さんお分かりだと思います。
海岸から、200〜500m 離れている地域は、重塩害地域と呼ばれており、かなり塩による被害を受けやすい場所とされています。
また、海岸から2km離れている地域でも、塩害地域として認識されており、被害を受ける可能性は依然高いです。
雪道
出典:http://cpteu.com/column/tips-of-snow-covered-road-driving.html
雪道で車の塩害が引き起こされるとは、なかなか想像し難いですが、これは雪道に凍結防止剤として撒かれている塩化ナトリウムや、融雪剤である塩化カルシウムによるものです。
道路に巻かれた凍結防止剤や融雪剤を車が通り過ぎる際に巻き上げて車に付着し、塩害が起こります。
冬場の高速道路
高速道路の路面温度は、冬場だと0度になることもしばしばあります。その時に路面の凍結が起こらないように凍結防止剤や融雪剤が撒かれます。
晴れている日は凍結防止剤が車に付着しても、高速走行による空気の抵抗ではがれ落ちることが多いですが、雨の日は付着し続けやすくなるので注意が必要です。
塩害による影響を受けやすい車のパーツは?
下回り
出典:https://www.toolbox-lifelog.com/2016/06/blog-post_9.html
海風により、車体表面が一番塩の付着が多く、被害が多いような感じがしますが、実は車体表面よりも車体の下回りの方が塩害による傷やサビつきが発生しやすいのです。
確かに、車体表面は風と接する面積が大きく、塩と接触する回数は下回りよりも多いです。
しかし、車体表面は雨により、たとえ塩が付着していたとしても、雨と共に流されていきます。ですので、雨があたることが少ない下回りは塩が付着してから洗い流される機会が少ないので、塩が固まりこびり付きやすくなります。
また、車体表面は塩害を防ぐためのコーティングが施されていたりしますが、下回りは日本車の場合このようなコーティングがされていないことがほとんどです。
雪道走行の際は、地面に撒かれている融雪剤などをタイヤが巻き上げ、下回りに塩がこびり付きやすくなります。
このような理由から、塩害の影響を一番受けやすい車のパーツは、下回りだと言えるでしょう。
車のホイール
出典:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12137415262
下回りの次に、塩害による腐食が多いのはホイールになります。
ホイールは大衆車の場合、スチールホイールを取り入れている場合が多く、素材が鉄なので当然サビつきやすいです。
また、ホイールは飛び石などにより傷がつきやすく、そこに塩が付着することで、尚サビつきやすくなっています。
塩害による傷、サビ付きを防ぐには
コーティングを行う
車のボディーの多くの箇所は、鉄を材料として組み立てらていることが多いです。
鉄は空気や水に触れると、腐食が起きるため、車もこの原理で時間とともにサビ付きが進行します。
しかし、車の鉄の部分をそもそも空気や水に接触させなければ、サビ付きは起こりません。
車のボディーと水や外気との接触を断ち切るためには、コーティングを行うことが効果的です。
コーティング剤は市販のものを購入し、ご自身でする方法と、整備工場などでコーティングを依頼する二つの方法があります。
市販のコーティング剤を購入
今日では、コーティング剤は店頭に足を運ばなくても、Amazonなどの通販サイトで購入することができます。
価格帯は、価格帯は安いものなら500円ほどで、高いものなら1万円ほどの商品もあります。相場は大体、2000円ほどです。
市販のコーティング剤を買う最大のメリットは、そのコストの低さでしょう。種類も豊富で、素材の特徴に合わせてコーティング剤を選ぶこともできます。
市販のコーティング剤を購入するデメリットは、コーティング剤の選び方を間違えたり、塗り方にムラが出てしまうことがあることです。
特に、あまり経験のない方が自身でコーティングを行うと、ムラができてしまう場合が多いようです。
整備工場にコーティングを依頼
ご自身でのコーティングに自身がない場合は、整備工場に依頼するのが安心です。
また、ご自身の車の素材に合わせた適切なコーティング剤を整備工場が選んで頂けるので、間違ったコーティング剤を塗装してしまう心配もありません。
整備工場でコーティングを依頼した場合の、相場は300〜900円/mlになります。
中古車個人売買を行っているAncarでは、お客様と整備工場をつなぐ「Repea」というサービスを展開しています。本サービスではお客様の住所とキーワード(メーカー、車種など)を入力して頂くと、すぐに最寄りの整備工場をご覧になれます。最寄りの優良整備工場を簡単かつ早く見つけたい場合は、以下リンクをクリックしてください。
下回りの洗浄を忘れずに
先述の通り、塩害によるサビつきが最も多い箇所は下回りになるので、洗車を行う際は出来る限り下回りも洗浄されることをおすすめします。
また、内陸部に住まれている方は特に、台風のあと、雪道走行のあとは下回りをできるだけ早く洗浄するようにしましょう。先述しましたが、日本車の下回りはコーティングが施されている場合が少なく、塩分が付着してしまうと、鉄の酸化を促してしまいます。
隙間までしっかりと
当然のことですが、隙間に入った塩分は雨などによって洗い落とされないので、そのまま放置しておくと塩分がたまってしまい、そこからサビ付き始めてしまいます。
ドアの隙間やリアハッチ、スライドドア部、ボンネットとフェンダーの隙間、エンブレムなどには塩などの汚れがたまりやすくなっており、中には肉眼では確認しずらいほど小さなものもあります。
ですので、一見綺麗に見えるからといって掃除を怠ってしまうと、サビが発生する原因になります。
海岸沿い、台風、雪道走行後は、念のためにこれらの隙間ができてしまう部位を掃除することをお勧め致します。